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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 クラスカーストと容疑者候補
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手紙が回って来た?
クラスの誰かが水森に悪意のある手紙を寄越してきたって事だよな?
「誰なんだ?それは?」
俺は夢野に尋ねる。
「…………」
夢野は黙ったまま答えない。
何かマズい相手なのか?
告げ口したと夢野が責められてしまう?
俺は水森の周囲の人間の名前を挙げた。
「水森の近くの席って言うと……田原・森口・矢野────」
夢野は何も言わない。
「羽柴・佐渡・田所・秋口─────」
俺はクラス全員点呼する勢いで片っ端から名前を挙げて行った。
「三成・浅川・鳥井・笹川─────」
夢野は微動だにせず黙っている。
自分からは俺には言えないって事だろうか?
「宮田・上野・堀────」
そこで夢野の肩が大きくビクリと動いたのを俺は見逃さなかった。
宮田は内気で背の低い将棋部の男子だ。カーストも低く、男子の中だと最下位に近い。自分から女子に絡む事はまず考えられない。
堀は吹奏楽部の女子で、カーストは中くらいだがおとなしい女子だ。授業中に手紙を回すようなタイプでは無く、真面目でキッチリしているように思える。
残るは………上野綾。クラスカーストは最上位の女子だ。いつもウザ絡みしてくる。
「…………」
夢野は黙ったまま俯いている。
「もしかして………上野綾なのか?手紙を寄越して来たのは?」
夢野に聞いたなんて絶対言わない、だからイエスかノーかだけで答えてくれないか、と俺はなるべく穏やかに夢野に言った。
「もしそうなら首を縦に振ってくれるだけでいい。そうなのか?」
夢野は少し迷うような素振りを見せた後、コクンと小さく頷いた。
やっぱりか。
上野綾。
いつも俺に対してウザい絡み方してくるんだ。他の女子にも同じようにやっててもおかしくは無い。
このクラス内で起こっている出来事の一部ではあるが、やっと何かに辿り着く事が出来た気がした。
どうしてやろうか?
俺は早くも上野綾を締め上げる気でいた。
弁当を急いでかき込む。
いや待てよ。
俺はふと別の可能性にも行き当たる。
水森が何かされているという事は判ったが………
肝心の夢野はどうなんだ?
何か嫌がらせをされてるのか?
1か月後にビルから落下するのは水森ではなく夢野なんだ。
やはりもっと複雑な何かあるのか………?
俺は弁当箱の蓋を閉め、改めて夢野に向き合った。
「なあ、夢野。絶対に誰にも言わないし秘密も守るから……」
お前も何か嫌な事を言われたりされたりしてるんだったら教えてほしい、と俺は夢野に言った。
俺はガチで本気だった。
あの女、絶対に許さねぇ。
夢野は一瞬動きを止め、俯くと絞り出すような声で返事をした。
「絶対に………あたしが言ったって誰にも言わない?」
ああ、と俺は大きく頷いた。
「あたしね………前に言われたことあるんだ、上野さんに………」
クラスの誰かが水森に悪意のある手紙を寄越してきたって事だよな?
「誰なんだ?それは?」
俺は夢野に尋ねる。
「…………」
夢野は黙ったまま答えない。
何かマズい相手なのか?
告げ口したと夢野が責められてしまう?
俺は水森の周囲の人間の名前を挙げた。
「水森の近くの席って言うと……田原・森口・矢野────」
夢野は何も言わない。
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夢野は微動だにせず黙っている。
自分からは俺には言えないって事だろうか?
「宮田・上野・堀────」
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宮田は内気で背の低い将棋部の男子だ。カーストも低く、男子の中だと最下位に近い。自分から女子に絡む事はまず考えられない。
堀は吹奏楽部の女子で、カーストは中くらいだがおとなしい女子だ。授業中に手紙を回すようなタイプでは無く、真面目でキッチリしているように思える。
残るは………上野綾。クラスカーストは最上位の女子だ。いつもウザ絡みしてくる。
「…………」
夢野は黙ったまま俯いている。
「もしかして………上野綾なのか?手紙を寄越して来たのは?」
夢野に聞いたなんて絶対言わない、だからイエスかノーかだけで答えてくれないか、と俺はなるべく穏やかに夢野に言った。
「もしそうなら首を縦に振ってくれるだけでいい。そうなのか?」
夢野は少し迷うような素振りを見せた後、コクンと小さく頷いた。
やっぱりか。
上野綾。
いつも俺に対してウザい絡み方してくるんだ。他の女子にも同じようにやっててもおかしくは無い。
このクラス内で起こっている出来事の一部ではあるが、やっと何かに辿り着く事が出来た気がした。
どうしてやろうか?
俺は早くも上野綾を締め上げる気でいた。
弁当を急いでかき込む。
いや待てよ。
俺はふと別の可能性にも行き当たる。
水森が何かされているという事は判ったが………
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1か月後にビルから落下するのは水森ではなく夢野なんだ。
やはりもっと複雑な何かあるのか………?
俺は弁当箱の蓋を閉め、改めて夢野に向き合った。
「なあ、夢野。絶対に誰にも言わないし秘密も守るから……」
お前も何か嫌な事を言われたりされたりしてるんだったら教えてほしい、と俺は夢野に言った。
俺はガチで本気だった。
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「絶対に………あたしが言ったって誰にも言わない?」
ああ、と俺は大きく頷いた。
「あたしね………前に言われたことあるんだ、上野さんに………」
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