272 / 1,060
ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 クラス内カースト
しおりを挟む
買い物の後、俺と夢野は連絡先を交換し、そのまま帰路についた。
夢野のアドバイスのお陰で低予算でのやりくりがスキルアップ出来た気がする。
しかし。
翌日からは給食が再開されていた。
いつもの席で食べる給食である。
普段なら喜ぶべき所だが、今回は複雑だった。
次回の弁当持参日は来月になる。
つまり、来月までは夢野と一緒に昼休憩を過ごすことはできないんだな。
1ヶ月後なんて待ってられるはずも無いんだが、かと言ってその他の名案なんて思い浮かばなかった。
連絡先を交換したものの、女子とやり取り……ましてやこっちから声を掛けるなんて俺にはどうしたらいいかわからない。
だけど、せっかく距離が縮まったというのに、これだと再び疎遠になりかねない。
元々、俺と夢野にはなんの接点も無いんだ。
どうするべきか。
自然と俺の視線は夢野を追ってしまっていた。
こういうことって俺にとっては初めてなんだよな。
だからかも知れないが、不味いことにそれを別の女子に悟られてしまっていた。
まあ、バレバレだったんだろうな。
クラスのカースト上位の女子、上野綾だった。
「佐藤っちさあ、最近ずっと特定の女子ばっかガン見してない?」
毎回ウザ絡みしてくるコイツの事が俺は苦手だった。
「関係ねぇだろ」
なるべくなら絡まれたく無いし何も悟られたく無い。
頼むから俺のことは放っておいて欲しかった。
ふぅん、と意味ありげに上野はニヤニヤとする。
「やっぱ男子っておっぱいしか見てないんだね」
佐藤っちだけは違うと思ったのになあ、と上野は大袈裟に芝居がかったため息をついてみせる。
「そんなんじゃねぇよ」
俺はすかさず否定したがどこまで伝わるだろう。
夢野くるみはそんな子じゃないんだ。
可愛い服を着てる女の子らしい女の子ってだけじゃない。
優しくて、よく気が付いて料理だって完璧なんだ。
あんないい子はいねぇよ。
外見だけで夢野くるみという人間をジャッジされたくなかった。
「男子ってみんなさ、いっつもそうだよね」
上野は含みを持たせたような台詞を呟く。
「彼女、男子にだけは人気があるもんね」
どういう意味だろう。
夢野くるみは男子の一部には隠れたファンが多いのは俺も知っていた。
夢野自身のクラス内カーストは中間からやや下くらいだという事実も、俺ですらうっすら理解している。
だけど。
さっきの上野の言葉は何か引っ掛かった。
「どういう意味だ?」
俺は上野を睨みつけた。
言葉通りの意味だけど?と上野は肩をすくめてみせた。
何か引っ掛かる。
いや、めちゃくちゃ引っ掛かる。
このクラスの女子の中で……或いは、特定のグループの中で……
夢野くるみと何かトラブルでもあるんだろうか?
夢野のアドバイスのお陰で低予算でのやりくりがスキルアップ出来た気がする。
しかし。
翌日からは給食が再開されていた。
いつもの席で食べる給食である。
普段なら喜ぶべき所だが、今回は複雑だった。
次回の弁当持参日は来月になる。
つまり、来月までは夢野と一緒に昼休憩を過ごすことはできないんだな。
1ヶ月後なんて待ってられるはずも無いんだが、かと言ってその他の名案なんて思い浮かばなかった。
連絡先を交換したものの、女子とやり取り……ましてやこっちから声を掛けるなんて俺にはどうしたらいいかわからない。
だけど、せっかく距離が縮まったというのに、これだと再び疎遠になりかねない。
元々、俺と夢野にはなんの接点も無いんだ。
どうするべきか。
自然と俺の視線は夢野を追ってしまっていた。
こういうことって俺にとっては初めてなんだよな。
だからかも知れないが、不味いことにそれを別の女子に悟られてしまっていた。
まあ、バレバレだったんだろうな。
クラスのカースト上位の女子、上野綾だった。
「佐藤っちさあ、最近ずっと特定の女子ばっかガン見してない?」
毎回ウザ絡みしてくるコイツの事が俺は苦手だった。
「関係ねぇだろ」
なるべくなら絡まれたく無いし何も悟られたく無い。
頼むから俺のことは放っておいて欲しかった。
ふぅん、と意味ありげに上野はニヤニヤとする。
「やっぱ男子っておっぱいしか見てないんだね」
佐藤っちだけは違うと思ったのになあ、と上野は大袈裟に芝居がかったため息をついてみせる。
「そんなんじゃねぇよ」
俺はすかさず否定したがどこまで伝わるだろう。
夢野くるみはそんな子じゃないんだ。
可愛い服を着てる女の子らしい女の子ってだけじゃない。
優しくて、よく気が付いて料理だって完璧なんだ。
あんないい子はいねぇよ。
外見だけで夢野くるみという人間をジャッジされたくなかった。
「男子ってみんなさ、いっつもそうだよね」
上野は含みを持たせたような台詞を呟く。
「彼女、男子にだけは人気があるもんね」
どういう意味だろう。
夢野くるみは男子の一部には隠れたファンが多いのは俺も知っていた。
夢野自身のクラス内カーストは中間からやや下くらいだという事実も、俺ですらうっすら理解している。
だけど。
さっきの上野の言葉は何か引っ掛かった。
「どういう意味だ?」
俺は上野を睨みつけた。
言葉通りの意味だけど?と上野は肩をすくめてみせた。
何か引っ掛かる。
いや、めちゃくちゃ引っ掛かる。
このクラスの女子の中で……或いは、特定のグループの中で……
夢野くるみと何かトラブルでもあるんだろうか?
0
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説
愛娘(JS5)とのエッチな習慣に俺の我慢は限界
レディX
恋愛
娘の美奈は(JS5)本当に可愛い。そしてファザコンだと思う。
毎朝毎晩のトイレに一緒に入り、
お風呂の後には乾燥肌の娘の体に保湿クリームを塗ってあげる。特にお尻とお股には念入りに。ここ最近はバックからお尻の肉を鷲掴みにしてお尻の穴もオマンコの穴もオシッコ穴も丸見えにして閉じたり開いたり。
そうしてたらお股からクチュクチュ水音がするようになってきた。
お風呂上がりのいい匂いと共にさっきしたばかりのオシッコの匂い、そこに別の濃厚な匂いが漂うようになってきている。
でも俺は娘にイタズラしまくってるくせに最後の一線だけは超えない事を自分に誓っていた。
でも大丈夫かなぁ。頑張れ、俺の理性。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。
ねんごろ
恋愛
主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。
その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……
毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。
※他サイトで連載していた作品です
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる