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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 飛び込んで来た人物
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うーんと、と夢野は小首を傾げながらパッケージを手に取る。
「ボックスで買ってもコンプ出来ないんだよね。バラでコツコツ買っていかなきゃ」
予算ないから今日はこれだけにしよっと、と言いながら夢野はカゴに2パックを入れる。
「1日に1パックか2パック程度の頻度だとコンプまで遠くね?」
ダブったりもあるんだろ?ムズくね?と尋ねる俺に夢野は笑ってみせた。
「ダブったらダブったで友達と交換とかしてもいいし……」
その直後、一瞬夢野の表情が曇った気がした。
見間違いだろうか。
“友達”というキーワード。
やはり夢野は何かを抱えている?
夢野に対し、なんと声を掛けていいか躊躇していると不意に遠くから叫び声が聞こえて来た。
「お姉ちゃん!!」
俺と夢野は声のした方向を振り返る。
そこに立っていたのはいつか病院で見た、夢野の弟だった。
「ひどいよ!置いてっちゃうなんて!」
夢野の弟、夢野レンはやや怒ったような様子でこちらに近付いて来る。
「レン!」
今日はお留守番しててって言ったでしょう、と夢野はやや困ったような仕草を見せる。
「どうしてぼくだけ留守番なの?ズルいよ!お姉ちゃん!」
弟はぷうと頬を膨らませてみせる。
この辺は姉弟でそっくりなんだな。
俺は一人っ子どころか家族全員死んでっからな。
(まあ、母親はワンチャン生き返る可能性もまだ捨ててはないが)
兄弟ってのはいいもんだな。
やや羨ましくおもいながら俺はその微笑ましい光景を眺めていた。
「なんで今日に限って………あー!もしかして!?」
弟は俺を横目で見ると大声で叫んだ。
「お姉ちゃん、この人新しいカレシでしょ!?」
だからぼくには留守番してろって言ったんだ!そうでしょう?と弟は興奮気味に捲し立てる。
「前のカレシはどうし……」
何かを言いかけた弟の口を夢野が慌てて塞ぐ。
「静かにしなさい!レン!」
ここはお店なのよ、他の人の迷惑になる事はやめなさい、と夢野はしっかりとした口調で弟を叱る。
「なんだよ!今日のお姉ちゃんなんか変!」
尚も弟は納得いかない様子で夢野に食ってかかる。
「そんなにお姉ちゃんと一緒に買い物に来たかったの?違うでしょう?」
夢野はやや呆れたようにため息を付いた。
「あー!!!お姉ちゃん!新商品出てる!買って!これ買って!」
弟は菓子売り場、食玩コーナーに陳列されていたアニメのトレカを手に取った。
男児向けアニメのカードのようだ。
夢野は弟からトレカを取り上げると首を振った。
「ダメ。今月はゲーム買ったからもうカードは無しって約束したでしょう?」
夢野が売り場にトレカを戻すと弟はさらに騒ぎ始めた。
「なんだよ!お姉ちゃんだってカゴにプリアリのウエハース入れてるじゃん!しかも2個!!」
お姉ちゃんばっかりズルい!!と弟はさらにヒートアップする。
兄弟ってのはいいなって思ってたけど、居たら居たでなかなか大変なんだな。
困惑する夢野に対し、どう助け船を出せばいいかわからない俺はただ突っ立っている事しか出来なかった。
「ボックスで買ってもコンプ出来ないんだよね。バラでコツコツ買っていかなきゃ」
予算ないから今日はこれだけにしよっと、と言いながら夢野はカゴに2パックを入れる。
「1日に1パックか2パック程度の頻度だとコンプまで遠くね?」
ダブったりもあるんだろ?ムズくね?と尋ねる俺に夢野は笑ってみせた。
「ダブったらダブったで友達と交換とかしてもいいし……」
その直後、一瞬夢野の表情が曇った気がした。
見間違いだろうか。
“友達”というキーワード。
やはり夢野は何かを抱えている?
夢野に対し、なんと声を掛けていいか躊躇していると不意に遠くから叫び声が聞こえて来た。
「お姉ちゃん!!」
俺と夢野は声のした方向を振り返る。
そこに立っていたのはいつか病院で見た、夢野の弟だった。
「ひどいよ!置いてっちゃうなんて!」
夢野の弟、夢野レンはやや怒ったような様子でこちらに近付いて来る。
「レン!」
今日はお留守番しててって言ったでしょう、と夢野はやや困ったような仕草を見せる。
「どうしてぼくだけ留守番なの?ズルいよ!お姉ちゃん!」
弟はぷうと頬を膨らませてみせる。
この辺は姉弟でそっくりなんだな。
俺は一人っ子どころか家族全員死んでっからな。
(まあ、母親はワンチャン生き返る可能性もまだ捨ててはないが)
兄弟ってのはいいもんだな。
やや羨ましくおもいながら俺はその微笑ましい光景を眺めていた。
「なんで今日に限って………あー!もしかして!?」
弟は俺を横目で見ると大声で叫んだ。
「お姉ちゃん、この人新しいカレシでしょ!?」
だからぼくには留守番してろって言ったんだ!そうでしょう?と弟は興奮気味に捲し立てる。
「前のカレシはどうし……」
何かを言いかけた弟の口を夢野が慌てて塞ぐ。
「静かにしなさい!レン!」
ここはお店なのよ、他の人の迷惑になる事はやめなさい、と夢野はしっかりとした口調で弟を叱る。
「なんだよ!今日のお姉ちゃんなんか変!」
尚も弟は納得いかない様子で夢野に食ってかかる。
「そんなにお姉ちゃんと一緒に買い物に来たかったの?違うでしょう?」
夢野はやや呆れたようにため息を付いた。
「あー!!!お姉ちゃん!新商品出てる!買って!これ買って!」
弟は菓子売り場、食玩コーナーに陳列されていたアニメのトレカを手に取った。
男児向けアニメのカードのようだ。
夢野は弟からトレカを取り上げると首を振った。
「ダメ。今月はゲーム買ったからもうカードは無しって約束したでしょう?」
夢野が売り場にトレカを戻すと弟はさらに騒ぎ始めた。
「なんだよ!お姉ちゃんだってカゴにプリアリのウエハース入れてるじゃん!しかも2個!!」
お姉ちゃんばっかりズルい!!と弟はさらにヒートアップする。
兄弟ってのはいいなって思ってたけど、居たら居たでなかなか大変なんだな。
困惑する夢野に対し、どう助け船を出せばいいかわからない俺はただ突っ立っている事しか出来なかった。
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