268 / 1,060
ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 密かな楽しみ
しおりを挟む
いつもはもやし炒めに特売の肉をちびちび入れて食ってたから…一食当たり何円だろう?
いつも買ってるもやしは38円で、肉を少量入れたとして……80円くらいだろうか?
お好み焼きに使うキャベツが一玉の1/5だとして、一回当たり20円?
豪勢に卵をトッピングしたとすると今日の特売の場合の値段だと一個当たり6円?
調味料とサラダ油、光熱費は考えないものとして……
「なあ、お好み焼きって一人分だと小麦粉はどれくらい入れるんだ?」
うーんと、と夢野は首を傾げる。
「4人分作る時に2カップ入れてるから……200グラム?」
流石だな、すぐにスラスラ出てくるなんて、と感心しながら俺は頷いた。
「じゃあ1人前だと50グラムだとして……特売で1キロ98円なら一食当たり5円?」
20円+6円+5円=31円?
一食でか?
俺はざっとの値段を計算して驚いた。
マジで?こんな安いのか?計算バグってね?
「んー。じゃあ、さっきのうどんかそば、どっちかトッピングしてもいいかも?」
お好み焼きにそばかうどんのトッピングか!
31円+19円でも50円、特売の肉を少量入れても100円以下だろう。
「マジでか!めっちゃいいじゃん!」
一食100円以下で満足出来るメニュー。
しかも小麦粉は買い置き可能ときている。
暗い節約自炊生活に光が見えた気がした。
「コレなら無限に食べられそうだな…」
夢野は満足そうに頷いた。
「良かったー」
佐藤君のお役に立てて、と夢野は微笑む。
俺は今日ここに来た本来の目的も忘れて晩飯メニューの事で頭が一杯になってしまっていた。
俺は小麦粉2パックとキャベツ2玉、玉子1パックと生のそばとうどんをそれぞれ2玉カゴに入れた。
500円強でこんなに買えるとは。
コレなら暫く食い繋げそうだ。
夢野の必要な物も全てカゴに入れ終わった様子だった。
「そろそろレジに行くか?」
俺は夢野に声を掛けた。
なるべくなら二人でいる現場は他の奴に見られない方がいいと思ったからだ。
リスクはなるべく減らしておきたいもんな。
夢野は思い出したように呟いた。
「そうだ!もうちょっと見ていい?」
夢野が向かったのは菓子類の売り場だった。
「もう出てるかな…あ!あった!」
夢野は小さく歓声を上げると嬉しそうに小さなパッケージを手に取る。
「なんだ?新商品か?」
夢野が手にしていたのはウエハースだった。
「コレね……ずっと発売日を待ってたんだ~!」
[ちいさなプリンセス アリア カードウエハース 第7弾]の文字が目に飛び込む。
「そっか。夢野、このアニメ好きなんだっけ」
なるほど、と俺は頷いた。
俺もそのパッケージをなんとなく眺める。
[第7弾のカードは全34種!]
こういうのってトレカと違って、カードは1パックに一枚しか入ってないんだな。
「ヤベえな。集めるのめっちゃ難易度高くね?」
思わず呟いた俺に対し、すかさず夢野は得意げに胸を張ってみせた。
「前のシリーズは全部コンプしたんだよ~!」
すごいでしょ、今回もコンプするんだー、と夢野はパッケージを持ってニコニコとしてみせる。
夢野は今回のカードの34種も集めるつもりでいる。
なかなかの高難易度だから、かなり時間もかかる筈だ。
そう簡単にはコンプ出来ないだろう。
俺の疑問は深まる。
じゃあなんで1ヶ月後にビルから……?
集めているカードのコレクションを途中ぶん投げてまで、そうする理由が出てきたって事なのか?
いつも買ってるもやしは38円で、肉を少量入れたとして……80円くらいだろうか?
お好み焼きに使うキャベツが一玉の1/5だとして、一回当たり20円?
豪勢に卵をトッピングしたとすると今日の特売の場合の値段だと一個当たり6円?
調味料とサラダ油、光熱費は考えないものとして……
「なあ、お好み焼きって一人分だと小麦粉はどれくらい入れるんだ?」
うーんと、と夢野は首を傾げる。
「4人分作る時に2カップ入れてるから……200グラム?」
流石だな、すぐにスラスラ出てくるなんて、と感心しながら俺は頷いた。
「じゃあ1人前だと50グラムだとして……特売で1キロ98円なら一食当たり5円?」
20円+6円+5円=31円?
一食でか?
俺はざっとの値段を計算して驚いた。
マジで?こんな安いのか?計算バグってね?
「んー。じゃあ、さっきのうどんかそば、どっちかトッピングしてもいいかも?」
お好み焼きにそばかうどんのトッピングか!
31円+19円でも50円、特売の肉を少量入れても100円以下だろう。
「マジでか!めっちゃいいじゃん!」
一食100円以下で満足出来るメニュー。
しかも小麦粉は買い置き可能ときている。
暗い節約自炊生活に光が見えた気がした。
「コレなら無限に食べられそうだな…」
夢野は満足そうに頷いた。
「良かったー」
佐藤君のお役に立てて、と夢野は微笑む。
俺は今日ここに来た本来の目的も忘れて晩飯メニューの事で頭が一杯になってしまっていた。
俺は小麦粉2パックとキャベツ2玉、玉子1パックと生のそばとうどんをそれぞれ2玉カゴに入れた。
500円強でこんなに買えるとは。
コレなら暫く食い繋げそうだ。
夢野の必要な物も全てカゴに入れ終わった様子だった。
「そろそろレジに行くか?」
俺は夢野に声を掛けた。
なるべくなら二人でいる現場は他の奴に見られない方がいいと思ったからだ。
リスクはなるべく減らしておきたいもんな。
夢野は思い出したように呟いた。
「そうだ!もうちょっと見ていい?」
夢野が向かったのは菓子類の売り場だった。
「もう出てるかな…あ!あった!」
夢野は小さく歓声を上げると嬉しそうに小さなパッケージを手に取る。
「なんだ?新商品か?」
夢野が手にしていたのはウエハースだった。
「コレね……ずっと発売日を待ってたんだ~!」
[ちいさなプリンセス アリア カードウエハース 第7弾]の文字が目に飛び込む。
「そっか。夢野、このアニメ好きなんだっけ」
なるほど、と俺は頷いた。
俺もそのパッケージをなんとなく眺める。
[第7弾のカードは全34種!]
こういうのってトレカと違って、カードは1パックに一枚しか入ってないんだな。
「ヤベえな。集めるのめっちゃ難易度高くね?」
思わず呟いた俺に対し、すかさず夢野は得意げに胸を張ってみせた。
「前のシリーズは全部コンプしたんだよ~!」
すごいでしょ、今回もコンプするんだー、と夢野はパッケージを持ってニコニコとしてみせる。
夢野は今回のカードの34種も集めるつもりでいる。
なかなかの高難易度だから、かなり時間もかかる筈だ。
そう簡単にはコンプ出来ないだろう。
俺の疑問は深まる。
じゃあなんで1ヶ月後にビルから……?
集めているカードのコレクションを途中ぶん投げてまで、そうする理由が出てきたって事なのか?
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる