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ep5.
ep5 . 『蜜と罰』 舞台装置
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唇と唇が軽く触れる。
初めて触れる柔らかな感触が二人の理性をゆっくりと溶かしていく。
甘い蜜のような感情の洪水。
少年は夢とも現実ともつかない陶酔にその身を委ねた。
今は何も考えたくない─────
否。
既に二人とも思考する事を放棄しているのであろう。
感情と本能に身を任せて二人はお互いを貪るように求めていた。
軽く触れていただけの唇はより深く重なる。
初めて知る快感が二人の全身を駆け巡る。
令嬢の頬は赤みを帯び、その口からは小さな吐息が漏れる。
ゾクゾクとした生き物が身体中を駆け巡るように、脳内から解読不能な信号が絶えず発信されている。
体全体に電流が流れているかのような行為に二人はその距離を更に加速させた。
少年はゆっくりと令嬢の細い身体に体重を掛ける。
少年は重ねた唇を更に深く密着させながら、震える手で令嬢の胸元のボタンに手を掛ける。
焦燥感と陶酔感。
決壊しかねない快感が少年を更に狼狽させる。
もしも遂げられなかったら?
何もかもがお終いになる。
時間を戻ることが出来なければ全てにおいて意味がない。
違う。
少年は小さく首を振った。
もう何もかもがどうでもいい。
組み敷いた令嬢の豊満な胸に顔を埋める。
このまま溺れて死んでしまってもいい。
未知の快楽はいとも容易く少年の理性や正気を軽々と吹き飛ばした。
令嬢の白いブラウスのボタンは弾けて行方が判らなくなる。
シルクのシーツが擦れる音とベッドの軋む音。
少年と令嬢の荒い息遣いだけが静かな部屋に響く。
何もかもが二人のアドレナリンとドーパミンを放出させる舞台装置に過ぎなかった。
幾つかのボタンは不器用に引きちぎられ、だらりとした糸の先端にぶら下がっていた。
終われば儚く消えていく感情と快楽。
それでも。
僅かな月明かりだけの空間で、幼さの残る二人は無我夢中で互いの心身を求め合っていた。
初めて触れる柔らかな感触が二人の理性をゆっくりと溶かしていく。
甘い蜜のような感情の洪水。
少年は夢とも現実ともつかない陶酔にその身を委ねた。
今は何も考えたくない─────
否。
既に二人とも思考する事を放棄しているのであろう。
感情と本能に身を任せて二人はお互いを貪るように求めていた。
軽く触れていただけの唇はより深く重なる。
初めて知る快感が二人の全身を駆け巡る。
令嬢の頬は赤みを帯び、その口からは小さな吐息が漏れる。
ゾクゾクとした生き物が身体中を駆け巡るように、脳内から解読不能な信号が絶えず発信されている。
体全体に電流が流れているかのような行為に二人はその距離を更に加速させた。
少年はゆっくりと令嬢の細い身体に体重を掛ける。
少年は重ねた唇を更に深く密着させながら、震える手で令嬢の胸元のボタンに手を掛ける。
焦燥感と陶酔感。
決壊しかねない快感が少年を更に狼狽させる。
もしも遂げられなかったら?
何もかもがお終いになる。
時間を戻ることが出来なければ全てにおいて意味がない。
違う。
少年は小さく首を振った。
もう何もかもがどうでもいい。
組み敷いた令嬢の豊満な胸に顔を埋める。
このまま溺れて死んでしまってもいい。
未知の快楽はいとも容易く少年の理性や正気を軽々と吹き飛ばした。
令嬢の白いブラウスのボタンは弾けて行方が判らなくなる。
シルクのシーツが擦れる音とベッドの軋む音。
少年と令嬢の荒い息遣いだけが静かな部屋に響く。
何もかもが二人のアドレナリンとドーパミンを放出させる舞台装置に過ぎなかった。
幾つかのボタンは不器用に引きちぎられ、だらりとした糸の先端にぶら下がっていた。
終われば儚く消えていく感情と快楽。
それでも。
僅かな月明かりだけの空間で、幼さの残る二人は無我夢中で互いの心身を求め合っていた。
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