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ep5.
ep5 . 『蜜と罰』 異端審問
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少年の身体はさらに硬直する。
令嬢は熱を帯びた瞳で少年を見つめていた。
なんと言っていいかわからない。
令嬢の白魚のような手が少年の背中を包み込むように撫でる。
動けなくなった少年は令嬢に身体を委ねている。
令嬢の視線や体温が、その意思が『否』ではないと言うことをありありと語っていた。
そんな馬鹿な。
こんな事ってあるか?
夢でも見てるんじゃないのか?
少年は自分自身が確信した事実を信じられずにいた。
俺はただの子どもに過ぎないのに?
令嬢はその俺に事情も理由も聞かずに純潔を差し出す?
駄目だ、と少年は今一度それを否定した。
いくら時間が戻るとは言え─────
名家に嫁ぐ未来が確定しているご令嬢にこんな事させちゃいけない─────
少年は必死に気力を振り絞り、令嬢の両肩に手を置く。
「リセさん、俺にとってアンタは……」
そう言いかけた少年は言葉を詰まらせる。
俺にとっての令嬢─────
家族?理想の家庭?姉?母親の面影を重ねていた?
それとも恋人?
その全部?
少年にとって令嬢はその全てであり、それ以上の存在だった。
令嬢は白く細い指をそっと少年の唇に当てた。
「……今は何も、考えないで」
令嬢は言葉遊びの答えなど欲してはいなかった。
令嬢の求めるもの─────
その正体を理解した瞬間、少年の身体中の血液が沸騰したかのように熱くなる。
……こんなこと、しちゃいけないのに─────
背徳感は媚薬のように少年の熱い反応を加速させる。
何もかもを持っていかれたかのように、少年は自らの思考を放棄せざるを得なかった。
本能だけで動いていく二人の影はより一層密着する。
少年は震える手で令嬢の細い腰に手を回した。
理性と感情。心身の昂り。
この時点で何もかもが決壊しそうだった。
重なり合った二人の身体はそっとぎこちなく動く。
どちらからともなく、一歩踏みだしてベッドの淵に腰掛ける。
ゆっくりとベッドに沈みこんだ二人は罪悪感と共に全てを飲み込んだ。
シルクのシーツが肌に纏わり付き、二人の鼓動を急加速させた。
令嬢が手元のスイッチを操作したのだろうか。部屋は予告なく暗闇に包まれる。
月明かりだけが部屋を照らしている。
後戻りはもう出来ない。
退路を塞がれた少年と令嬢はゆっくりと唇を重ねた。
令嬢は熱を帯びた瞳で少年を見つめていた。
なんと言っていいかわからない。
令嬢の白魚のような手が少年の背中を包み込むように撫でる。
動けなくなった少年は令嬢に身体を委ねている。
令嬢の視線や体温が、その意思が『否』ではないと言うことをありありと語っていた。
そんな馬鹿な。
こんな事ってあるか?
夢でも見てるんじゃないのか?
少年は自分自身が確信した事実を信じられずにいた。
俺はただの子どもに過ぎないのに?
令嬢はその俺に事情も理由も聞かずに純潔を差し出す?
駄目だ、と少年は今一度それを否定した。
いくら時間が戻るとは言え─────
名家に嫁ぐ未来が確定しているご令嬢にこんな事させちゃいけない─────
少年は必死に気力を振り絞り、令嬢の両肩に手を置く。
「リセさん、俺にとってアンタは……」
そう言いかけた少年は言葉を詰まらせる。
俺にとっての令嬢─────
家族?理想の家庭?姉?母親の面影を重ねていた?
それとも恋人?
その全部?
少年にとって令嬢はその全てであり、それ以上の存在だった。
令嬢は白く細い指をそっと少年の唇に当てた。
「……今は何も、考えないで」
令嬢は言葉遊びの答えなど欲してはいなかった。
令嬢の求めるもの─────
その正体を理解した瞬間、少年の身体中の血液が沸騰したかのように熱くなる。
……こんなこと、しちゃいけないのに─────
背徳感は媚薬のように少年の熱い反応を加速させる。
何もかもを持っていかれたかのように、少年は自らの思考を放棄せざるを得なかった。
本能だけで動いていく二人の影はより一層密着する。
少年は震える手で令嬢の細い腰に手を回した。
理性と感情。心身の昂り。
この時点で何もかもが決壊しそうだった。
重なり合った二人の身体はそっとぎこちなく動く。
どちらからともなく、一歩踏みだしてベッドの淵に腰掛ける。
ゆっくりとベッドに沈みこんだ二人は罪悪感と共に全てを飲み込んだ。
シルクのシーツが肌に纏わり付き、二人の鼓動を急加速させた。
令嬢が手元のスイッチを操作したのだろうか。部屋は予告なく暗闇に包まれる。
月明かりだけが部屋を照らしている。
後戻りはもう出来ない。
退路を塞がれた少年と令嬢はゆっくりと唇を重ねた。
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