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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 夜明けのリロード
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小泉は黙ったまま静かに俺を見ていた。
ここにコレが出てるって事は多分、もう読んでんだろうな。
そうだよな。
小泉が口を開く。
「念のため……缶の中身を確認してくれないか?」
間違いは無いと思うが一応な、と言う小泉の言葉に俺は頷いた。
確認してみない事には始まらない。
俺はポケットから銀色の小さな缶を取り出した。
恐る恐る蓋を捻って開ける。
パラパラとカラフルなパッケージが座卓の上にこぼれ落ちる。
1…2…
なんだろう、嫌な予感がする。
3…4…
4……?
は?
4?
4個!?
え?
意味がわからない。
座卓の上のカラフルなパッケージは4個だった。
「は!?4個!?」
思わず俺は小さく叫ぶ。
小泉に手渡されて2個補充したばかりだった筈だ。
缶の中身は6個あったんだよ。
俺が自分で入れたから間違いは無い。
だけど、目の前の残数は4個だ。
「どういう事だよ…?」
自分の声が震えているのに俺自身が一番驚いていた。
なんだこれ?
6個から1個引いたら残数は5個じゃないのか?
二回ヤッた?
それとも、別の誰かに……
小泉は静かに首を振った。
前回同様、ピンクのキラキラしたコンパクトを取り出した小泉はその中からまた2個を取り出すと俺に手渡して来た。
「こういう事があるからな。やっぱり……」
マメにチェックしてリロードしないとな、と小泉は静かに呟いた。
こういう事ってなんだよ。
やっぱ二回戦目もヤッたって言うのかよ。
俺より先に小泉が確認してんのもどうかと思うんだが。
どういう状況なんだよ。
てか、“童貞を捨てる”のが呪いの発動条件だろ?
じゃあ一回戦目で発動するんじゃねぇの?
二回戦目の途中でタイムリープするってのもあり得るんじゃね?
めっちゃリスキーじゃね?
合体した状態でイッてねぇのに俺だけ飛ばされんの?
意味わかんなくね?
何で二回戦目もヤる判断してんだよ俺。
てか、二回戦目はちゃんと最後まで出来たのか?
俺は何もかもが怖くなった。
いや、怖いなんてレベルじゃねぇぞ。
記憶が無いっての、マジでどうにかなんねぇかな。
俺は目の前の文庫本を凝視した。
見たくねぇ。
自分がヤッてるのを盗撮されたみてぇに詳細にリポートされてるようなもんだろ?
だけど。
見ない事には自分が“何をしたか”が確認できねぇよな。
まだこの『一連の文庫本』に書かれてるのが俺の事だって認めた訳じゃない。
いや、認めたくねぇよこんなもん。
けど、コレを見る以外にどうしようもないんだよな。
俺は震える手で文庫本を手に取った。
結局のトコ、何回ヤッたんだよもう一人の俺は。クソが!
ここにコレが出てるって事は多分、もう読んでんだろうな。
そうだよな。
小泉が口を開く。
「念のため……缶の中身を確認してくれないか?」
間違いは無いと思うが一応な、と言う小泉の言葉に俺は頷いた。
確認してみない事には始まらない。
俺はポケットから銀色の小さな缶を取り出した。
恐る恐る蓋を捻って開ける。
パラパラとカラフルなパッケージが座卓の上にこぼれ落ちる。
1…2…
なんだろう、嫌な予感がする。
3…4…
4……?
は?
4?
4個!?
え?
意味がわからない。
座卓の上のカラフルなパッケージは4個だった。
「は!?4個!?」
思わず俺は小さく叫ぶ。
小泉に手渡されて2個補充したばかりだった筈だ。
缶の中身は6個あったんだよ。
俺が自分で入れたから間違いは無い。
だけど、目の前の残数は4個だ。
「どういう事だよ…?」
自分の声が震えているのに俺自身が一番驚いていた。
なんだこれ?
6個から1個引いたら残数は5個じゃないのか?
二回ヤッた?
それとも、別の誰かに……
小泉は静かに首を振った。
前回同様、ピンクのキラキラしたコンパクトを取り出した小泉はその中からまた2個を取り出すと俺に手渡して来た。
「こういう事があるからな。やっぱり……」
マメにチェックしてリロードしないとな、と小泉は静かに呟いた。
こういう事ってなんだよ。
やっぱ二回戦目もヤッたって言うのかよ。
俺より先に小泉が確認してんのもどうかと思うんだが。
どういう状況なんだよ。
てか、“童貞を捨てる”のが呪いの発動条件だろ?
じゃあ一回戦目で発動するんじゃねぇの?
二回戦目の途中でタイムリープするってのもあり得るんじゃね?
めっちゃリスキーじゃね?
合体した状態でイッてねぇのに俺だけ飛ばされんの?
意味わかんなくね?
何で二回戦目もヤる判断してんだよ俺。
てか、二回戦目はちゃんと最後まで出来たのか?
俺は何もかもが怖くなった。
いや、怖いなんてレベルじゃねぇぞ。
記憶が無いっての、マジでどうにかなんねぇかな。
俺は目の前の文庫本を凝視した。
見たくねぇ。
自分がヤッてるのを盗撮されたみてぇに詳細にリポートされてるようなもんだろ?
だけど。
見ない事には自分が“何をしたか”が確認できねぇよな。
まだこの『一連の文庫本』に書かれてるのが俺の事だって認めた訳じゃない。
いや、認めたくねぇよこんなもん。
けど、コレを見る以外にどうしようもないんだよな。
俺は震える手で文庫本を手に取った。
結局のトコ、何回ヤッたんだよもう一人の俺は。クソが!
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