[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

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ep5.

ep5. 『死と処女(おとめ)』 二人の粘膜

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俺は髪を乾かした後、ウロウロと部屋の中を歩き回っていた。

どうしよう、何か他に準備しなきゃいけない事ってあったか?

その前に飯とか食う?

いやいや……

俺はさっきの顔色の悪い小泉の様子を思い出した。

とてもじゃないがリラックスムードには程遠い。

飯とかとても喉を通りそうもないよな……

あ、そうだ、布団か?

俺は仏壇の間に移動し、押し入れを開けた。

客用布団を出し、その場に敷く。

俺の部屋でもいいけど……そしたら俺の布団を使うことになるじゃん?

急な事でシーツとか洗ってないし、布団も干してないし。

客用布団の方がいいだろうな。

布団を敷き終わった俺はあることに気付く。

枕が一個しかない。

こういうのって普通、枕は二個なんだよな…?

再び押し入れを開けた俺は枕の予備を探し、敷いた布団にセットした。

改めて俺はその布団を眺めた。

一つの布団に枕がニ個……

自宅の部屋が異様な生々しさを放つロケーションに変化した事実は戸惑いしかなかった。

後なんだっけ?

俺は物置になっている空き部屋に移動し、ストックからボックスティッシュを一個取り出す。

開封して枕元にセットすると更に生々しさが倍増した。

なんかもう、この時点で俺のメンタルはめちゃくちゃ不安定になっていた。

なんだよこれ。

生活感が出過ぎてるのが得体の知れない生々しさをひたすら強調しているかのようだった。

俺はふと、佑ニーサンが以前に雑談の中で言っていた事を更に思い出した。

こういうシチュの時は通常のティッシュよりウェットティッシュの方が使い勝手がいいって聞いた気がする……

俺はもう一度、物置に行くと日用品ストックの中から未開封のウェットティッシュを探し当てた。

コレでいいのか?

俺は敷いた布団の枕元にウェットティッシュを置いてみる。

しかし、なんて光景だろう。

仏間に客用布団を敷き、枕を二つ設置し、ボックスティッシュとウェットティッシュを枕元にスタンバイさせる。

もうすぐ小泉がやって来るだろう。

担任の女教師で童貞を捨てる男子生徒。

普通に聞けばシチュとしては最高かも知れない。

エロ同人誌とか、エロゲとかAVとかさ。

でも、実行するのは俺と小泉なんだ。

他人事なら興味深いし面白そうだが、自分のこととなるとハナシは別だ。

クレイジーとしか思えなかった。

生々しい舞台装置から目を背けるように俺は枕元のウェットティッシュのパッケージを凝視する。

『スッキリ清潔!アルコール除菌!』と書かれている。

ん?

アルコール除菌?

粘膜に使って大丈夫なんだろうか?

滲みないだろうか?

少し痛くはないか?

アルコール成分入りだろ?

いや、絶対ちょっとは滲みるだろ?

しかし、ウェットティッシュのストックはこれだけなんだよな。

少し迷った後、俺はウェットティッシュを元の物置に戻した。



痛いのや嫌なことは極力避けて安全に遂行したいじゃねぇか。お互いさ。

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