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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 処女を散らす
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小泉と俺が乗り込んだ車は市内を走っていた。
道中、小泉は3本目のレッドブルを喉に流し込んでいた。
185mlの一番小さいサイズの缶とは言え、少し飲み過ぎにも思えた。
でも仕方ないんだろうな。
飲まなきゃ運転出来ねぇし、真夜中じゃない時間帯は俺が運転代わる訳にもいかんだろうし。
俺らが住んでる田舎だとさ、深夜の時間帯だと無免の奴らがちょいちょい居るんだよ。
都会じゃ考えられねぇかもしんねぇけど、これナイショな。
小泉と俺はずっと無言だった。
まあそうだよな、これからの事を考えたら何を言っていいかわかんねぇよな。お互いさ。
前回と違ってガチめな空気に少し緊張してしまう。
俺、今から緊張してどうすんだよ。こんなんじゃ開始までメンタル持たなくね?
俺は小泉にバレないようにそっとポケットの中を確認した。
大丈夫、例の缶は入ってる。
しかし、今朝リロードした“コレ”を夕方に早速使う事になるなんて思いもしなかった。
その上、使う相手は“コレ”を補充した小泉本人ときたもんだ。
俺は運転席の小泉をチラリと見た。
今回は『双方の合意に基づいた』行為だからな。
前回の5HITコンボみたいな抵抗はされないとは思うんだが。
しかし、と俺はふと考え込んだ。
先日─────
あの座敷牢で小泉が見せた、本気の『死に物狂いの抵抗』
あれは本物だった。
小泉の中に信念だの矜持だの、何かどうしても譲れない物があったのは解る。何かは知らんけど。
けど。
その生命を危険に晒してまで守りたかった感情を、今回あっさりと覆して来たのが意外だった。
寧ろ、自ら懇願して………
そんな事ってあるか?
それは兎も角、この事態は小泉にとって、『自分の生命より大切な物をぶん投げてででも覆したい現実』なんだという事だけは理解できた。
自分の受け持ちの女子生徒の生命を守る為に、同じく自分の受け持ちの男子生徒で処女を散らすという事なのか?
そう考えると、なんだかとてつもない事態に巻き込まれて居るという実感が湧いてくる。
もう滅茶苦茶だな。
いや、寧ろ今まで滅茶苦茶じゃなかった事なんか何もないんだ。
呪いが発現して以降、ずっとこんな調子なんだからな。
緊張からか、俺の体温まで少し下がっていくような気がした。
車が不意にブレーキを掛けて止まる。
俺の家の前だった。
降りろ、と小泉が小さく呟く。
「え?センセェは?」
俺の質問に対して小泉は少し沈黙して、ようやく口を開いた。
「……自宅で風呂に入ってくるから」
先に帰ってろ、と小泉は俺の顔を見ずに答える。
「俺んちの風呂、使えば?」
「…………」
またしても小泉は少し黙り、それから吐き捨てるように言った。
「……お前と同じシャンプーやボディソープなんか使えるか!自宅で自分の使いたいし!」
道中、小泉は3本目のレッドブルを喉に流し込んでいた。
185mlの一番小さいサイズの缶とは言え、少し飲み過ぎにも思えた。
でも仕方ないんだろうな。
飲まなきゃ運転出来ねぇし、真夜中じゃない時間帯は俺が運転代わる訳にもいかんだろうし。
俺らが住んでる田舎だとさ、深夜の時間帯だと無免の奴らがちょいちょい居るんだよ。
都会じゃ考えられねぇかもしんねぇけど、これナイショな。
小泉と俺はずっと無言だった。
まあそうだよな、これからの事を考えたら何を言っていいかわかんねぇよな。お互いさ。
前回と違ってガチめな空気に少し緊張してしまう。
俺、今から緊張してどうすんだよ。こんなんじゃ開始までメンタル持たなくね?
俺は小泉にバレないようにそっとポケットの中を確認した。
大丈夫、例の缶は入ってる。
しかし、今朝リロードした“コレ”を夕方に早速使う事になるなんて思いもしなかった。
その上、使う相手は“コレ”を補充した小泉本人ときたもんだ。
俺は運転席の小泉をチラリと見た。
今回は『双方の合意に基づいた』行為だからな。
前回の5HITコンボみたいな抵抗はされないとは思うんだが。
しかし、と俺はふと考え込んだ。
先日─────
あの座敷牢で小泉が見せた、本気の『死に物狂いの抵抗』
あれは本物だった。
小泉の中に信念だの矜持だの、何かどうしても譲れない物があったのは解る。何かは知らんけど。
けど。
その生命を危険に晒してまで守りたかった感情を、今回あっさりと覆して来たのが意外だった。
寧ろ、自ら懇願して………
そんな事ってあるか?
それは兎も角、この事態は小泉にとって、『自分の生命より大切な物をぶん投げてででも覆したい現実』なんだという事だけは理解できた。
自分の受け持ちの女子生徒の生命を守る為に、同じく自分の受け持ちの男子生徒で処女を散らすという事なのか?
そう考えると、なんだかとてつもない事態に巻き込まれて居るという実感が湧いてくる。
もう滅茶苦茶だな。
いや、寧ろ今まで滅茶苦茶じゃなかった事なんか何もないんだ。
呪いが発現して以降、ずっとこんな調子なんだからな。
緊張からか、俺の体温まで少し下がっていくような気がした。
車が不意にブレーキを掛けて止まる。
俺の家の前だった。
降りろ、と小泉が小さく呟く。
「え?センセェは?」
俺の質問に対して小泉は少し沈黙して、ようやく口を開いた。
「……自宅で風呂に入ってくるから」
先に帰ってろ、と小泉は俺の顔を見ずに答える。
「俺んちの風呂、使えば?」
「…………」
またしても小泉は少し黙り、それから吐き捨てるように言った。
「……お前と同じシャンプーやボディソープなんか使えるか!自宅で自分の使いたいし!」
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