[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない！〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる！？

ep.4.

ep4. 「暴かれた世界」 女教師と痴態

小泉の言う通りにしないと車に乗せて貰えそうもないな、と思った俺は仕方がないので建物の影で服を脱いだ。

完全に素っ裸になった後、スポーツタオルで腰回りを覆った。

もう一枚のタオルは肩に掛けた。

小泉の指示通り、濡れた衣類をビニール袋に入れて車を停めた場所まで戻る。

我ながら最悪な姿だが仕方がない。

こんなヤベェとこ、概史や学校の奴らには絶対に見せられねぇ。

まあ、命が助かっただけマシかもしれないけどな。

早く乗れ、と小泉が俺に指示を出す。

向こうは既に車に乗り込んでエンジンを掛けていた。

オタク男の車は既に無かった。

「あれ？さっきの奴は？」

「九石さんなら一足先にスエカ婆ちゃんちに報告に向かってる」

は？報告？

駄菓子屋の婆さんとこに？

アイツ何者なん？という俺の質問を遮って小泉が急かす。

「話は後だ。早く乗れ。追い追い説明する」

俺が後部座席に乗ると車は猛スピードで走り出した。

「センセェ、なんでそんなに急いでんの？」

馬鹿言え、とアクセルをべったり踏んだ小泉が素っ頓狂な声を上げる。

「人を殺してもなんとも思わない奴がまだ周辺に居るかもしれないんだぞ？」

敵の戦力が判らない以上、ここは一時退却する以外に無いだろう、と小泉はミラー越しに俺の顔を見る。

まあそうだよな。

一度にいろんなことが起こりすぎて頭の整理が追いつかなかった。

あのオタク男は何者なのか？

なんで婆さんちに？

そもそもなんでここを知ってる？

っていうか、この場所ってなんなん？

デスゲームの主催者を気取ったような狐面の目的って？

てか、死にそうなのによくもあそこまで強情になれたもんだな小泉？

オタク男が来る確証なんて無かっただろうに、もしかしたら二人揃って死んでたかも知れないんだぞ？

俺の必死の説得や提案はガン無視で、オタク男が助けに来ることを信じてた？

俺よりオタク男の方が信頼できるって事なのか？

ショッキングな母親の姿と状況を見てしまった現実から逃れるように、俺は違うことを考えたかったのかもしれない。

いろんな思考がグルグルと俺の中を巡っていく。

「私としても、どこから説明したものか考えあぐねていてな」

車の窓から風が入る。

秋の初め、田舎の風は冷え切った身体には少し寒すぎるように思えた。

オタク男に貰った二次元美少女のタオルが唯一、温かみを感じさせてくれた。

俺に優しいのは二次元の美少女だけなんだな。

オタク男や小泉の気持ちが少しだけ解った気がした。

現実って厳しいのな。

俺がどんなに訴えても小泉の決意は揺らがないし、心にも届かなかったんだろう。

オタク男が来なかったら俺たちは心中していた。

いや、俺がコイツを殺していたのか。

時間を戻れる呪いだか能力を持ってると言っても所詮こんなモンだ。

結局、俺は奇妙なペナルティを背負ったただのガキでしかねぇんだな。

敗北感とでも言うのだろうか。

今の俺は得体の知れない感情に支配されていた。

結局、俺ってなんなんだろうな。

俺の母親は俺の為に命を捨てた？

俺を生かすために？

それなのに。

今の俺は何もできねぇ、どうしようもねぇ存在だ。

俺は自分で自分がつくづく嫌になった。

ミラー越しにもう一度小泉の顔を見る。

小泉の視線はフロントガラスの向こうにあった。

そういやコイツ、ノーパンノーブラのままでジャージ着てるのな？

いつも学校で着てる、エンジ色のあのジャージだ。

とんだドスケベ女教師じゃね？

運転してて乳首の先とか擦れねぇのか？





何もかもがどうでも良くなった俺は、全く関係のないことが気になり始めていた。