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ep.4.
ep4. 「暴かれた世界」 セックスしたら出られる部屋 その⑨
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「え?」
なんて?
俺は小泉の唇の動きを読もうとするが、水音のせいで聞こえない。
俺は小泉の口元に耳を近づけた。
近づきすぎて小泉の冷たい唇が一瞬、俺の耳に触れる。
ちょっとビクっと反応してしまったのは内緒だ。
「…………える……」
小泉の冷たい吐息が耳にかかる。
「……聞こ……える」
は?
何が聞こえるって言うんだ?
俺はもう一度小泉の顔を見た。
「……誰かの……声」
「え?」
何だって?
「……誰かの声が……聞こえる」
そんな馬鹿な。
俺は耳を澄ますが水音の方が大きくて何も聞こえない。
俺は急いで立ち上がり、鉄格子に顔を近づける。
遠くで何かチラチラとした光が見える。
誰かいるのか?
おーい、という叫び声が遠くで小さく聞こえた。
「マジか!?」
俺も大声で叫ぶ。
「おい!誰かいるのか!???」
精一杯の大声で叫ぶが水音にかき消される。
確実に誰かいる。
しかも、光がチラチラ見えるってことは懐中電灯か何か持ってる雰囲気がする。
という事は、恐らくあの狐面の人物では無いように思えた。
殺しにかかってる人間が懐中電灯持ってこのタイミングで巡回するとは考えられないからな。
とにかく、ここに俺たちが居るってことを気付いてもらわなきゃいけねぇだろ。
早く何とかしないとどっかに行っちまう。
水面に仰向けになっている小泉を助け起こす。
小泉はゲホゲホと咳き込んでいる。
あ、こんな事ならさっき殺そうとするんじゃなかった。
俺はメチャクチャ後悔した。
小泉は鉄格子にもたれ掛かって粗い呼吸をしたまま朦朧としている。
俺はポケットを探った。
何かないか?
なんでもいい、とにかく俺たちがここに居るって知らせないと。
けど、出てくるものはロクでもない物ばっかりだった。
例の銀色の缶。所持金不足の財布。生徒手帳。圏外になったままのスマホ。ジッポライター。ジャックナイフ。婆さんちで貰ったいくつかの駄菓子。
こんなんでどうやって生存フラグまで持って行くって言うんだよ?!
俺は頭を抱えた。
ふと、駄菓子の中のガムが目に留まる。
プラスチックの小さな透明なケースに入った粒状のガム。
「チーリン ゴーゴーガム」とパッケージに書いてある。
ストロベリーとオレンジ、グレープの3種あったから俺はグレープを選んでポケットに入れたんだっけ。
大体30円ぐらいのヤツだ。
このガムってさ、誰でも一回は見たり買ったりした事あるんじゃねぇの?
俺は封を切ってパッケージを開けた。
これってさ、上の蓋部分が笛になってるのって知ってた?
俺は蓋部分を外すと渾身の力を込めて笛を吹いた。
笛ってさ、映画でもあるじゃん。タイタニックとかさ。
ある種の生存フラグアイテムのような気がする。
うまくいけばの話だけど。
座敷牢は洞窟のような立地の奥の部分に位置していた為か、不思議と笛の高音が滅茶苦茶響いた。
高い音の残響が辺り一面に広がる。
俺は渾身の力を込めて何度も笛を吹いた。
これで見つかんなかったらもうアウトだ。
遠くに見えたチラチラとした光が近づいて来た。
「……誰か…いるんですか!?」
かすかに男の声が聞こえる。
「おい!!!誰か!!!ここだ!!!ここ!!」
俺は死に物狂いで叫んだ?
「鏡花さん!!鏡花さんですか!??」
男の声が反応する。
は?
小泉を探してるのか?
どう言う事だ??
「…… 九石……さん?」
小泉が微かに反応し、名前を口にする。
は?
小泉の知り合いの男?
どういうこと?
てか小泉、男が居たのか!???
は?
何それ!??
このタイミングでか?
意味わかんねぇ。
なんて?
俺は小泉の唇の動きを読もうとするが、水音のせいで聞こえない。
俺は小泉の口元に耳を近づけた。
近づきすぎて小泉の冷たい唇が一瞬、俺の耳に触れる。
ちょっとビクっと反応してしまったのは内緒だ。
「…………える……」
小泉の冷たい吐息が耳にかかる。
「……聞こ……える」
は?
何が聞こえるって言うんだ?
俺はもう一度小泉の顔を見た。
「……誰かの……声」
「え?」
何だって?
「……誰かの声が……聞こえる」
そんな馬鹿な。
俺は耳を澄ますが水音の方が大きくて何も聞こえない。
俺は急いで立ち上がり、鉄格子に顔を近づける。
遠くで何かチラチラとした光が見える。
誰かいるのか?
おーい、という叫び声が遠くで小さく聞こえた。
「マジか!?」
俺も大声で叫ぶ。
「おい!誰かいるのか!???」
精一杯の大声で叫ぶが水音にかき消される。
確実に誰かいる。
しかも、光がチラチラ見えるってことは懐中電灯か何か持ってる雰囲気がする。
という事は、恐らくあの狐面の人物では無いように思えた。
殺しにかかってる人間が懐中電灯持ってこのタイミングで巡回するとは考えられないからな。
とにかく、ここに俺たちが居るってことを気付いてもらわなきゃいけねぇだろ。
早く何とかしないとどっかに行っちまう。
水面に仰向けになっている小泉を助け起こす。
小泉はゲホゲホと咳き込んでいる。
あ、こんな事ならさっき殺そうとするんじゃなかった。
俺はメチャクチャ後悔した。
小泉は鉄格子にもたれ掛かって粗い呼吸をしたまま朦朧としている。
俺はポケットを探った。
何かないか?
なんでもいい、とにかく俺たちがここに居るって知らせないと。
けど、出てくるものはロクでもない物ばっかりだった。
例の銀色の缶。所持金不足の財布。生徒手帳。圏外になったままのスマホ。ジッポライター。ジャックナイフ。婆さんちで貰ったいくつかの駄菓子。
こんなんでどうやって生存フラグまで持って行くって言うんだよ?!
俺は頭を抱えた。
ふと、駄菓子の中のガムが目に留まる。
プラスチックの小さな透明なケースに入った粒状のガム。
「チーリン ゴーゴーガム」とパッケージに書いてある。
ストロベリーとオレンジ、グレープの3種あったから俺はグレープを選んでポケットに入れたんだっけ。
大体30円ぐらいのヤツだ。
このガムってさ、誰でも一回は見たり買ったりした事あるんじゃねぇの?
俺は封を切ってパッケージを開けた。
これってさ、上の蓋部分が笛になってるのって知ってた?
俺は蓋部分を外すと渾身の力を込めて笛を吹いた。
笛ってさ、映画でもあるじゃん。タイタニックとかさ。
ある種の生存フラグアイテムのような気がする。
うまくいけばの話だけど。
座敷牢は洞窟のような立地の奥の部分に位置していた為か、不思議と笛の高音が滅茶苦茶響いた。
高い音の残響が辺り一面に広がる。
俺は渾身の力を込めて何度も笛を吹いた。
これで見つかんなかったらもうアウトだ。
遠くに見えたチラチラとした光が近づいて来た。
「……誰か…いるんですか!?」
かすかに男の声が聞こえる。
「おい!!!誰か!!!ここだ!!!ここ!!」
俺は死に物狂いで叫んだ?
「鏡花さん!!鏡花さんですか!??」
男の声が反応する。
は?
小泉を探してるのか?
どう言う事だ??
「…… 九石……さん?」
小泉が微かに反応し、名前を口にする。
は?
小泉の知り合いの男?
どういうこと?
てか小泉、男が居たのか!???
は?
何それ!??
このタイミングでか?
意味わかんねぇ。
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