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ep.4.
ep4. 「暴かれた世界」 飾り立てた言葉なんて要らない
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土曜日。
俺と小泉は車で地図の場所に向かっていた。
窓の外の景色を眺めながら駄菓子屋の婆さんが俺に言った事を思い出していた。
「本当にいけん時やどうにもならん時にてごーしてくれた人がほんもんじゃけえなあ。そこを間違わんようにせんといけんで」
ガチでヤベェ時に助けてくれる奴だけが信頼できる人物ってコトだよな。
確かに、口先だけならいくらでもそれらしい事を言えるもんな。わかるわ。
平常時じゃねぇ非常時にこそ、その人物の人間性が出るってことでもあるんだろうな。
俺には居るだろうか?そんな人間が。
ぼんやりと記憶の糸を辿る。
金属バットでDQN共を襲撃した時の御月レイジ。
自分自身も危ねぇ橋を渡ることになるだろうに、俺に付き合って無双してくれたっけ。
一度時間を戻って来ちまったし、もう二度とあの世界線には行けない。
でも行かなくてもいい、行く必要なんてねぇんだ。
御月レイジが信頼できる男であるって判っただけでももう十分すぎる収穫だった。
二度とあんなタッグを組む日なんて来ねぇだろうが、俺はものすごく満たされた。
世の中捨てたもんじゃねぇなって思えた。
あんなに絡むことはもう無いだろうが、御月レイジという人間の嘘偽りない姿を知ることが出来たのは俺に大きな影響を与えた。
人間ってのは不思議な生き物なんだな。
俺を捨ててく母親のようなのもいれば、佑ニーサンや小泉のように俺を拾ってくれる大人もいる。
母親に会ってみて、どうなるかなんてわからない。
でもきっと、今までの流れから察するに俺は歓迎されてない存在なんだろうな。
もしそうだったとしても、俺はどうにか生きていかないといけねぇだろ?
きっとこれまで以上に“助けてくれる存在”が必要になってくるんだろうな。
車がどんどんと目的地に近付くにつれて俺は不安になっていった。
婆さんが意味ありげに忠告してくれたって事は多分何かあるんだろうぜ。そんな気がする。
母親と俺が一緒に暮らせない理由。
何を聞いても、もう驚かねぇよ。
早く母親自身の口から説明して欲しい。
母親に会うための心構えが出来ぬまま俺は再会の場所に向かっていた。
俺と小泉は車で地図の場所に向かっていた。
窓の外の景色を眺めながら駄菓子屋の婆さんが俺に言った事を思い出していた。
「本当にいけん時やどうにもならん時にてごーしてくれた人がほんもんじゃけえなあ。そこを間違わんようにせんといけんで」
ガチでヤベェ時に助けてくれる奴だけが信頼できる人物ってコトだよな。
確かに、口先だけならいくらでもそれらしい事を言えるもんな。わかるわ。
平常時じゃねぇ非常時にこそ、その人物の人間性が出るってことでもあるんだろうな。
俺には居るだろうか?そんな人間が。
ぼんやりと記憶の糸を辿る。
金属バットでDQN共を襲撃した時の御月レイジ。
自分自身も危ねぇ橋を渡ることになるだろうに、俺に付き合って無双してくれたっけ。
一度時間を戻って来ちまったし、もう二度とあの世界線には行けない。
でも行かなくてもいい、行く必要なんてねぇんだ。
御月レイジが信頼できる男であるって判っただけでももう十分すぎる収穫だった。
二度とあんなタッグを組む日なんて来ねぇだろうが、俺はものすごく満たされた。
世の中捨てたもんじゃねぇなって思えた。
あんなに絡むことはもう無いだろうが、御月レイジという人間の嘘偽りない姿を知ることが出来たのは俺に大きな影響を与えた。
人間ってのは不思議な生き物なんだな。
俺を捨ててく母親のようなのもいれば、佑ニーサンや小泉のように俺を拾ってくれる大人もいる。
母親に会ってみて、どうなるかなんてわからない。
でもきっと、今までの流れから察するに俺は歓迎されてない存在なんだろうな。
もしそうだったとしても、俺はどうにか生きていかないといけねぇだろ?
きっとこれまで以上に“助けてくれる存在”が必要になってくるんだろうな。
車がどんどんと目的地に近付くにつれて俺は不安になっていった。
婆さんが意味ありげに忠告してくれたって事は多分何かあるんだろうぜ。そんな気がする。
母親と俺が一緒に暮らせない理由。
何を聞いても、もう驚かねぇよ。
早く母親自身の口から説明して欲しい。
母親に会うための心構えが出来ぬまま俺は再会の場所に向かっていた。
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