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ep.4.
ep4. 「暴かれた世界」 殺されていく子どもたち
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は?この婆さんが?
俺と同じだって言うのか?
「生きてんじゃん。婆さんピンピンしてんじゃん」
ということは、呪いさえ解ければ楽勝って事か?
「まあ話は最後まで聞け」
小泉が俺を牽制する。
「あんたぁ佐藤くんゆうんか?はぁ、あの佐藤さんとこのお孫さんきゃあ?あんたの婆さんにゃあよう世話になっとったんで」
婆さんの話はよくわからない。
出されたゆず味噌はも美味かった。婆さんの手作りか?
白飯がどんどん進む。
いくらでも食べられそうだ。
「おかわりいいか?」
俺が空の茶碗を差し出すと小泉はブチ切れた。
「は?まだ食うのか?!」
「食うならこれ食えって言ったのセンセェじゃんか」
小泉が更にブチ切れながら台所に向かう。
「食いんしゃあ食いんしゃあ。なんぼないと食べりゃあええけえ」
婆さんはドンドンと色々出してくる。
瓶詰めの海苔の佃煮を出されたので小泉が持ってきたおかわりをの白米の上にかける。
「さっきから話が進まないんだが……食べながらでもいいからちゃんと聞きなさい」
小泉はイライラしつつも言い含ませるように俺を見る。
「でもよ、婆さん生きてんなら呪いってわりと簡単に解けるんじゃね?」
そういう訳にもいかんようでな、と小泉は溜め息をついた。
「依代に使われる忌み子にも2種類あるらしいんだが」
俺は飯をかき込みながら相槌を打つ。
「『依代』として使われる為だけに産まれた子のパターンと」
小泉は勿体ぶって言葉を区切る。
なんだよ早く言えよ意味わかんねぇな。
しかしこの沢庵美味いな。これも婆さんの手作りか?
「『生まれつきその資質を持っている者』の2パターンが考えられる」
お前は後者になるな、と小泉は俺を見ながら頷く。
「ほーん。で、それってなんか関係あんの?」
「婆さんの場合は前者だったらしい」
俺は改めて婆さんを見た。
この婆さんは依代として使われる為だけに産まれた??
「は?それじゃまるで使い捨てる為だけに子どもを作ったみてぇじゃねぇか」
「いや、全くその通りだ。使い捨てる為だけの子どもが『忌み子』であり『依代』だからな」
胸糞悪い気がした。
殺す為に子どもを作る?
大人の都合でか?
そんな奴がこの近辺に存在してるっていうのか?
最悪のエリアじゃねぇか。気分悪ぃな。
「じゃあ俺はなんだって言うんだ?」
俺も殺される為に産まれたって言うのかよ?と俺は小泉に食ってかかる。
「いや、お前は忌み子の中でもかなり特殊なケースだと思われる」
小泉は首を振った。
「歴代の忌み子、依代の中でもトップクラスに最悪なのがお前だ」
俺と同じだって言うのか?
「生きてんじゃん。婆さんピンピンしてんじゃん」
ということは、呪いさえ解ければ楽勝って事か?
「まあ話は最後まで聞け」
小泉が俺を牽制する。
「あんたぁ佐藤くんゆうんか?はぁ、あの佐藤さんとこのお孫さんきゃあ?あんたの婆さんにゃあよう世話になっとったんで」
婆さんの話はよくわからない。
出されたゆず味噌はも美味かった。婆さんの手作りか?
白飯がどんどん進む。
いくらでも食べられそうだ。
「おかわりいいか?」
俺が空の茶碗を差し出すと小泉はブチ切れた。
「は?まだ食うのか?!」
「食うならこれ食えって言ったのセンセェじゃんか」
小泉が更にブチ切れながら台所に向かう。
「食いんしゃあ食いんしゃあ。なんぼないと食べりゃあええけえ」
婆さんはドンドンと色々出してくる。
瓶詰めの海苔の佃煮を出されたので小泉が持ってきたおかわりをの白米の上にかける。
「さっきから話が進まないんだが……食べながらでもいいからちゃんと聞きなさい」
小泉はイライラしつつも言い含ませるように俺を見る。
「でもよ、婆さん生きてんなら呪いってわりと簡単に解けるんじゃね?」
そういう訳にもいかんようでな、と小泉は溜め息をついた。
「依代に使われる忌み子にも2種類あるらしいんだが」
俺は飯をかき込みながら相槌を打つ。
「『依代』として使われる為だけに産まれた子のパターンと」
小泉は勿体ぶって言葉を区切る。
なんだよ早く言えよ意味わかんねぇな。
しかしこの沢庵美味いな。これも婆さんの手作りか?
「『生まれつきその資質を持っている者』の2パターンが考えられる」
お前は後者になるな、と小泉は俺を見ながら頷く。
「ほーん。で、それってなんか関係あんの?」
「婆さんの場合は前者だったらしい」
俺は改めて婆さんを見た。
この婆さんは依代として使われる為だけに産まれた??
「は?それじゃまるで使い捨てる為だけに子どもを作ったみてぇじゃねぇか」
「いや、全くその通りだ。使い捨てる為だけの子どもが『忌み子』であり『依代』だからな」
胸糞悪い気がした。
殺す為に子どもを作る?
大人の都合でか?
そんな奴がこの近辺に存在してるっていうのか?
最悪のエリアじゃねぇか。気分悪ぃな。
「じゃあ俺はなんだって言うんだ?」
俺も殺される為に産まれたって言うのかよ?と俺は小泉に食ってかかる。
「いや、お前は忌み子の中でもかなり特殊なケースだと思われる」
小泉は首を振った。
「歴代の忌み子、依代の中でもトップクラスに最悪なのがお前だ」
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