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ep.4.
ep4. 「暴かれた世界」 サーカスと操り人形
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週明けの月曜日。
放課後、久しぶりに美術準備室に顔を出した俺はドアを開けるなり小突かれた。
「お前、どういうつもりだ?」
メイドカフェでの様子とは打って変わっていつものスッピン眼鏡ジャージである。
まあ、こっちの方が見慣れてる姿ではある。
小泉はいきなりブチキレていた。
「なんだよ?俺は単なる客なんですけど?」
もう一回『ご主人様ぁ♡』とか言ってみてよwwwと少しふざけてたら側頭部をブン殴られた。ひでぇな。
「なんだ?殴られに来たんじゃないのか?」
小泉が本棚から分厚い美術全集を引っ張り出している。
おいおい、こんなんで殴られたら堪ったもんじゃねぇ。
俺は身構えつつ小泉を牽制する。
「違ぇーし。今日はそういうハナシをしに来たんじゃねぇよ」
じゃあなんの話だ?と小泉は不審げに俺を見ている。
俺は小泉に封筒を差し出した。
「あ、これ借りてた金だけど」
前回、小泉に借金した金だった。
なんだ?給料日まであと何日かあったんじゃないのか?と言う小泉に俺は説明する。
「まあその、臨時収入みてぇなのがあったっつぅか」
臨時収入。この言葉がふさわしいのかどうか分からない。
「おい佐藤、まさかカツアゲ的な事でもしてるんじゃないだろうな?」
小泉の表情が更に険しくなる。
「してねぇし」
俺は否定したが、まあ前回のDQN襲撃の件もあるしそう思われても仕方ねぇ面もある。
ていうか、前回無事に『成功』したのは本当にホッとしたし、よくぞガチで危ない橋を渡り切ったものだと自分でも思う。
危ない橋どころか曲乗りとか綱渡りみてぇなモンじゃねぇか。
もしもどっかでミスってたら器物破損に暴行罪、窃盗罪に婦女暴行だ。
冗談抜きでマジもんの犯罪者になるところだった。
しかし“性交”で“成功”ってマジで頭おかしいよな。ってうるせぇわ!なんだよこの呪い。
俺はサーカスの見せ物じゃねぇし。
こうしてる間にも誰かに呪いで操られてるのかもと思うと滅茶苦茶ムカついた。
今日、小泉のいるこの部屋を訪れたのにも理由があった。
「母親が一瞬帰って来たみたいでさ。家に生活費の入った封筒が置いてあったんだよ」
「そうか。ではお母さんに会えたのか?」
いや、と俺は首を振った。
「いつもなんだ。封筒が置いてあるだけですぐに居なくなっちまう。ここんとこ一回も会えてねぇんだ」
いつも母親は俺に姿を見せてはくれなかった。
ふむ、と小泉は頷いた。
「今日はわざわざ金を返しにここに来たと言う訳か」
ついでにあのチェキも返してくれると助かるんだがな、と小泉は呟いた。
「アレは切り札だからな。返さねぇし。っていうかそうじゃねぇんだけど」
俺はもう一つの封筒を小泉に差し出した。
「いつもは金の入った封筒だけなんだけどよ、今回は二つあったんだよな」
小泉はもう一つの封筒の中身を取り出す。
しわくちゃになった古い地図。
封筒の中身は意図がわからないものだった。
地図には赤鉛筆で印が付けられている。
ここから離れた場所にある、山奥にある古い小さな神社のようだった。
これは母親からのメッセージだろうか。
俺は意を決して小泉に聞いてみた。
「なあ、もしかしてこれって呪いに何か関係あるんじゃね?」
放課後、久しぶりに美術準備室に顔を出した俺はドアを開けるなり小突かれた。
「お前、どういうつもりだ?」
メイドカフェでの様子とは打って変わっていつものスッピン眼鏡ジャージである。
まあ、こっちの方が見慣れてる姿ではある。
小泉はいきなりブチキレていた。
「なんだよ?俺は単なる客なんですけど?」
もう一回『ご主人様ぁ♡』とか言ってみてよwwwと少しふざけてたら側頭部をブン殴られた。ひでぇな。
「なんだ?殴られに来たんじゃないのか?」
小泉が本棚から分厚い美術全集を引っ張り出している。
おいおい、こんなんで殴られたら堪ったもんじゃねぇ。
俺は身構えつつ小泉を牽制する。
「違ぇーし。今日はそういうハナシをしに来たんじゃねぇよ」
じゃあなんの話だ?と小泉は不審げに俺を見ている。
俺は小泉に封筒を差し出した。
「あ、これ借りてた金だけど」
前回、小泉に借金した金だった。
なんだ?給料日まであと何日かあったんじゃないのか?と言う小泉に俺は説明する。
「まあその、臨時収入みてぇなのがあったっつぅか」
臨時収入。この言葉がふさわしいのかどうか分からない。
「おい佐藤、まさかカツアゲ的な事でもしてるんじゃないだろうな?」
小泉の表情が更に険しくなる。
「してねぇし」
俺は否定したが、まあ前回のDQN襲撃の件もあるしそう思われても仕方ねぇ面もある。
ていうか、前回無事に『成功』したのは本当にホッとしたし、よくぞガチで危ない橋を渡り切ったものだと自分でも思う。
危ない橋どころか曲乗りとか綱渡りみてぇなモンじゃねぇか。
もしもどっかでミスってたら器物破損に暴行罪、窃盗罪に婦女暴行だ。
冗談抜きでマジもんの犯罪者になるところだった。
しかし“性交”で“成功”ってマジで頭おかしいよな。ってうるせぇわ!なんだよこの呪い。
俺はサーカスの見せ物じゃねぇし。
こうしてる間にも誰かに呪いで操られてるのかもと思うと滅茶苦茶ムカついた。
今日、小泉のいるこの部屋を訪れたのにも理由があった。
「母親が一瞬帰って来たみたいでさ。家に生活費の入った封筒が置いてあったんだよ」
「そうか。ではお母さんに会えたのか?」
いや、と俺は首を振った。
「いつもなんだ。封筒が置いてあるだけですぐに居なくなっちまう。ここんとこ一回も会えてねぇんだ」
いつも母親は俺に姿を見せてはくれなかった。
ふむ、と小泉は頷いた。
「今日はわざわざ金を返しにここに来たと言う訳か」
ついでにあのチェキも返してくれると助かるんだがな、と小泉は呟いた。
「アレは切り札だからな。返さねぇし。っていうかそうじゃねぇんだけど」
俺はもう一つの封筒を小泉に差し出した。
「いつもは金の入った封筒だけなんだけどよ、今回は二つあったんだよな」
小泉はもう一つの封筒の中身を取り出す。
しわくちゃになった古い地図。
封筒の中身は意図がわからないものだった。
地図には赤鉛筆で印が付けられている。
ここから離れた場所にある、山奥にある古い小さな神社のようだった。
これは母親からのメッセージだろうか。
俺は意を決して小泉に聞いてみた。
「なあ、もしかしてこれって呪いに何か関係あるんじゃね?」
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