130 / 1,060
ep.3.
ep3 . 「嘘つき黒ギャルと初めての男女交際」 コンドームの数がいつの間にか減っている
しおりを挟む
家に帰った後、俺はぼんやりと一人天井を見つめていた。
御月レイジ。
嫌なやつかと思ったらめちゃくちゃいい奴だった。
帰り際に御月が言った言葉が少し気になっていた。
『……最近落ち込んでたから、今日は楽しかった』
ありがとな、と言われたのだが。
いや、夕飯、しかもすき焼きを食わせてもらった上に風呂まで世話になって普通にこっちがありがとうじゃねーか。
しかし御月ほどの奴が一体何があって落ち込んだと言うのだろうか。
ふと、(そういえば俺も過去一落ち込んでるんだったよな)と思い出し学ランのポケットから例の缶を取り出した。
呪いが実在することを証明する為の銀色の丸い缶。
花園リセの一件で小泉の立てた仮説も証明方法も何もかもが正しいと立証されてしまった。
俺は畳に寝転がったまま缶を手に取って眺めた。
本当に俺が使ったのか、この中身を。
何度考えても恐ろしい事だった。
俺は自分でも知らない間に女に対して何かやらかして、シレっと何食わぬ顔で時間を戻っていると言うのか。
気付かない間にまた何かやってたらどうしよう。
ここ最近、そればかり気になって全く落ち着かなかった。
俺は手の中の銀色の缶を見つめた。
まさかとは思うけど減ってないよな…?
まさかな、でも念のため見てみるか、と俺は何となく銀色の缶を開けた。
逆さにするとパラパラとカラフルな個包装のパッケージが出てくる。
畳の上に転がった個包装の中身を見た俺は気が動転した。
「は!???」
思わず俺は一人で叫ぶ。
3個。
個包装のパッケージは3個だけになっていた。
は?
は??
は???
どういうことだ?
え?
俺はパニックになる。
小泉から渡された缶の中身はデフォルトで6個入りだった。
待て、どういうことだ???
花園リセに対して使ったから減っている数は1のはずだった。
だからここにあるのは5個でないとおかしい。
しかし、目の前にある個包装のコンドームの残数は3個だった。
2個、知らない間に減っている。
使った?
誰に使った??
一人に2個か?
或いは2人に一回ずつ?
俺の全身から冷や汗が滝のように流れてくる。
身体が氷のように冷たくなるのがわかった。
嘘だろ?
俺、また何かやってしまったのか?
ガチで犯罪者じゃねーか。
パニックになった俺は握りしめた缶の蓋を壁にぶん投げた。
乾いた音を立てて缶の蓋は跳ね、床に転がる。
苦々しい思いで俺は缶の蓋を睨む。
何かおかしい。
床の缶の蓋の内側を見た俺は違和感に気付いた。
小泉が貼ったはずのお札のような物が無くなっていた。
俺は缶の蓋を拾い上げ、間近で見てみた。
お札が剥がれた形跡や剥がした形跡も無かった。
「……??」
どういう事だ?
俺は学ランのポケットを探る。
ポケットの中から身に覚えのない青いハンカチが出てきた。
俺の物ではない。
更に胸ポケットを探る。
名札は登下校中だけは外す校則になっているが、俺は常に家に置きっぱなしにしていた。
しかし。
胸ポケットからは名札が出てきた。
これの俺の物ではない。
俺は名札を確認した。
『御月』と書かれた名札。
まさか風呂に入った時に脱衣所で学ランだけ入れ替わったのか?
だとしたら。
地元一番のモテ男だからコンドームくらい持ち歩きもするだろう。
有名メーカーの量産品だから同じものを持っていてもおかしくない。
しかしマズい事になった気がした。
もしも御月が“俺の方”の缶を開けてお札を見てしまったら?
焦った俺は慌てて御月に電話を掛けた。
御月レイジ。
嫌なやつかと思ったらめちゃくちゃいい奴だった。
帰り際に御月が言った言葉が少し気になっていた。
『……最近落ち込んでたから、今日は楽しかった』
ありがとな、と言われたのだが。
いや、夕飯、しかもすき焼きを食わせてもらった上に風呂まで世話になって普通にこっちがありがとうじゃねーか。
しかし御月ほどの奴が一体何があって落ち込んだと言うのだろうか。
ふと、(そういえば俺も過去一落ち込んでるんだったよな)と思い出し学ランのポケットから例の缶を取り出した。
呪いが実在することを証明する為の銀色の丸い缶。
花園リセの一件で小泉の立てた仮説も証明方法も何もかもが正しいと立証されてしまった。
俺は畳に寝転がったまま缶を手に取って眺めた。
本当に俺が使ったのか、この中身を。
何度考えても恐ろしい事だった。
俺は自分でも知らない間に女に対して何かやらかして、シレっと何食わぬ顔で時間を戻っていると言うのか。
気付かない間にまた何かやってたらどうしよう。
ここ最近、そればかり気になって全く落ち着かなかった。
俺は手の中の銀色の缶を見つめた。
まさかとは思うけど減ってないよな…?
まさかな、でも念のため見てみるか、と俺は何となく銀色の缶を開けた。
逆さにするとパラパラとカラフルな個包装のパッケージが出てくる。
畳の上に転がった個包装の中身を見た俺は気が動転した。
「は!???」
思わず俺は一人で叫ぶ。
3個。
個包装のパッケージは3個だけになっていた。
は?
は??
は???
どういうことだ?
え?
俺はパニックになる。
小泉から渡された缶の中身はデフォルトで6個入りだった。
待て、どういうことだ???
花園リセに対して使ったから減っている数は1のはずだった。
だからここにあるのは5個でないとおかしい。
しかし、目の前にある個包装のコンドームの残数は3個だった。
2個、知らない間に減っている。
使った?
誰に使った??
一人に2個か?
或いは2人に一回ずつ?
俺の全身から冷や汗が滝のように流れてくる。
身体が氷のように冷たくなるのがわかった。
嘘だろ?
俺、また何かやってしまったのか?
ガチで犯罪者じゃねーか。
パニックになった俺は握りしめた缶の蓋を壁にぶん投げた。
乾いた音を立てて缶の蓋は跳ね、床に転がる。
苦々しい思いで俺は缶の蓋を睨む。
何かおかしい。
床の缶の蓋の内側を見た俺は違和感に気付いた。
小泉が貼ったはずのお札のような物が無くなっていた。
俺は缶の蓋を拾い上げ、間近で見てみた。
お札が剥がれた形跡や剥がした形跡も無かった。
「……??」
どういう事だ?
俺は学ランのポケットを探る。
ポケットの中から身に覚えのない青いハンカチが出てきた。
俺の物ではない。
更に胸ポケットを探る。
名札は登下校中だけは外す校則になっているが、俺は常に家に置きっぱなしにしていた。
しかし。
胸ポケットからは名札が出てきた。
これの俺の物ではない。
俺は名札を確認した。
『御月』と書かれた名札。
まさか風呂に入った時に脱衣所で学ランだけ入れ替わったのか?
だとしたら。
地元一番のモテ男だからコンドームくらい持ち歩きもするだろう。
有名メーカーの量産品だから同じものを持っていてもおかしくない。
しかしマズい事になった気がした。
もしも御月が“俺の方”の缶を開けてお札を見てしまったら?
焦った俺は慌てて御月に電話を掛けた。
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる