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ep2 .
ep2 . 「訳有り令嬢と秘密の花園」 穢された聖母
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小泉は黙ったまま俺を静かに見つめていた。
なにも否定も肯定もしてくれなかった。
どうして?
なんで何も言ってくれないんだ?
俺は目の前の文庫本をチラリと見た。
これを読んだのか、小泉は。
俺が童貞を捨てている。
しかも相手は花園リセだ。
それは何を意味するのか自分でもよく解っていた。
あの優雅で聖母のような彼女が俺を相手になんかする筈がない。
だとしたら。
考えたくもなかった。
おぞましい、という言葉がこれほど相応しい場面もないだろう。
あの御令嬢を、この手で……
信じられる訳がなかった。
俺の体温が少しずつ下がっていくのが体感できた。
意を決した俺はその古びた文庫本を手に取る。
俺の手は小刻みに震えていた。
動かしてないんだ。
勝手に手が震えて止まらなかった。
薄目でパラパラとめくって飛ばし読みしてみる。
嫌でも目に飛び込んで来る文字列。
俺の意思とは関係なく進行していく内容。
だが。
これ以上はもう見ることが出来ず、俺は座卓の上に本を静かに置いた。
俺は目を伏せた。
少しではあるが見てしまった。
物語終盤。
作中の主人公は確かに完遂していた。
未遂じゃないんだ。完遂なんだ。
その事実は俺の心を滅多刺しにしてくる。
嘘だろ?
俺がそんな事をやったという証拠でもあるのか?
無いだろ?
嘘に決まってる。
こんな酷い事を花園リセに、よりによって俺が?
手だけではなく膝まで震えてきた。
「センセェ、俺、絶対にこんな事やってねぇんだ」
俺は縋るように小泉に吐き出す。
「俺は誓ってやってない。本当なんだ」
信じてくれよ、と言いかけたが言葉が出ない。
どうして何も言ってくれないんだ小泉?
どうして?
小泉は黙ったまま立ち上がると奥の部屋へ消えた。
よくお供えものが乗っている木製の置物(三宝と言うらしい)を手にして戻って来るなり、座卓の上に置いた。
木の棒の先にヒラヒラした半紙を付けた物(御幣と言うらしい)を手にした小泉は俺の頭上と背中で何やらバサバサと妙な動きをしている。
なんだ?
お経のような言葉を唱えながら(祝詞と言うらしい)俺の身体の上を掃除するように棒を振っている。
頭がキーンとする。
耳鳴りか?
わからない、だが得体の知れない恐ろしい何かが行われていることは理解できた。
頭が割れるように痛くなった。
棒をひとしきり振った後、小泉は座卓の上に置かれたお供え物?を俺の前に差し出した。
小皿に乗った塩、酒、餅が置かれている。
俺は塩を舐めさせられ、酒を少量飲まされた後に餅を食うよう指示された。
砂糖醤油や海苔はないのか、と聞くと正月じゃ無いんだぞと何故か怒られた。
食いずらいがなんとか無理矢理ヤケクソ気味に飲み込み、後で水を貰って飲んだ。
水を飲み終わって一息付いた瞬間、大きな静電気が目の前で起こったような音と痛みが走った。
なにも否定も肯定もしてくれなかった。
どうして?
なんで何も言ってくれないんだ?
俺は目の前の文庫本をチラリと見た。
これを読んだのか、小泉は。
俺が童貞を捨てている。
しかも相手は花園リセだ。
それは何を意味するのか自分でもよく解っていた。
あの優雅で聖母のような彼女が俺を相手になんかする筈がない。
だとしたら。
考えたくもなかった。
おぞましい、という言葉がこれほど相応しい場面もないだろう。
あの御令嬢を、この手で……
信じられる訳がなかった。
俺の体温が少しずつ下がっていくのが体感できた。
意を決した俺はその古びた文庫本を手に取る。
俺の手は小刻みに震えていた。
動かしてないんだ。
勝手に手が震えて止まらなかった。
薄目でパラパラとめくって飛ばし読みしてみる。
嫌でも目に飛び込んで来る文字列。
俺の意思とは関係なく進行していく内容。
だが。
これ以上はもう見ることが出来ず、俺は座卓の上に本を静かに置いた。
俺は目を伏せた。
少しではあるが見てしまった。
物語終盤。
作中の主人公は確かに完遂していた。
未遂じゃないんだ。完遂なんだ。
その事実は俺の心を滅多刺しにしてくる。
嘘だろ?
俺がそんな事をやったという証拠でもあるのか?
無いだろ?
嘘に決まってる。
こんな酷い事を花園リセに、よりによって俺が?
手だけではなく膝まで震えてきた。
「センセェ、俺、絶対にこんな事やってねぇんだ」
俺は縋るように小泉に吐き出す。
「俺は誓ってやってない。本当なんだ」
信じてくれよ、と言いかけたが言葉が出ない。
どうして何も言ってくれないんだ小泉?
どうして?
小泉は黙ったまま立ち上がると奥の部屋へ消えた。
よくお供えものが乗っている木製の置物(三宝と言うらしい)を手にして戻って来るなり、座卓の上に置いた。
木の棒の先にヒラヒラした半紙を付けた物(御幣と言うらしい)を手にした小泉は俺の頭上と背中で何やらバサバサと妙な動きをしている。
なんだ?
お経のような言葉を唱えながら(祝詞と言うらしい)俺の身体の上を掃除するように棒を振っている。
頭がキーンとする。
耳鳴りか?
わからない、だが得体の知れない恐ろしい何かが行われていることは理解できた。
頭が割れるように痛くなった。
棒をひとしきり振った後、小泉は座卓の上に置かれたお供え物?を俺の前に差し出した。
小皿に乗った塩、酒、餅が置かれている。
俺は塩を舐めさせられ、酒を少量飲まされた後に餅を食うよう指示された。
砂糖醤油や海苔はないのか、と聞くと正月じゃ無いんだぞと何故か怒られた。
食いずらいがなんとか無理矢理ヤケクソ気味に飲み込み、後で水を貰って飲んだ。
水を飲み終わって一息付いた瞬間、大きな静電気が目の前で起こったような音と痛みが走った。
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