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ep2 .
ep2 . 「訳有り令嬢と秘密の花園」 避妊と否認
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目の前で微笑む彼女が遥かに遠い国の人に思えた。
「あんた天才なんだなあ。料理も出来るし教養もある。出来ないことなんか何もないんだな」
俺は感心しながら言った。
そんなことありませんわ、と彼女はゆっくりと首を横に振った。
「わたくしもこのラスクみたいになれたらって思いましたの」
????
貴婦人の御令嬢の考えていることは全く判らない。
例えるなら小さい子どもが『大きくなったらグラタンになりたいです』って言ってるようなノリなんだろうか。
上流階級にしかわからないジョーク??
俺は困惑しながらその真意を訊ねた。
「真ん中の白い部分はサンドイッチになるでしょう?それから余った耳の部分はこんがりとしたラスクになって……」
捨てる所が無いなんて、なんて理想的なんでしょうね、と彼女はまた小さく笑った。
意味がわからなかった。
御令嬢の例え話は難解だな、と俺はなんとも不思議な気分になった。
心地よい風が吹き、二人の間を静寂が通過した。
俺はぼんやりと紅茶を飲み、沈黙に身を任せる。
あの、と遠慮がちに花園リセが切り出した。
どうしたんだ、という俺に言い辛そうに花園リセは言葉を詰まらせる。
「あの……ヘレン……いや、マサムネちゃんは生まれて何ヶ月になりますか?」
そうだな、と俺は記憶を辿る。
「確か、3月ごろに生まれたばっかりのコイツを拾って来た気がするな」
俺はなんとなく答える。
まあ、と彼女が少し驚いたようにマサムネを見た。
「ではこの子……マサムネちゃんは今は7ヶ月くらいになりますのね?」
そう言われればそうかもな、と俺は頷いた。
花園リセは更に言いにくそうに言葉を選びながら俺に切り出す。
「あの……既にご存知かと思いますが……メス猫ちゃんは……この時期から妊娠可能な身体になってますわね……それで……」
「え!?そうなん!?」
赤ちゃんだと思っていたマサムネが既に妊娠可能と聞いて俺はめちゃくちゃ驚いた。
知らなかった。
まだ赤ちゃんなのにか?春に生まれたばっかりなのに?
嘘だろマジか、と呟く俺に彼女は俯きながら言った。
「この子の……避妊手術をどうするか……考えなくてはいけない時期だと思いますの……」
花園リセはマサムネを撫でながらなんとも言えない表情をしていた。
避妊手術。
それってどういう手術なんだろう。
俺は思考を巡らせた。
考えてみれば人間が勝手に他の生き物の生殖能力を奪うってヤベぇ手術だな。
俺は急にめちゃくちゃ怖くなった。
「あんた天才なんだなあ。料理も出来るし教養もある。出来ないことなんか何もないんだな」
俺は感心しながら言った。
そんなことありませんわ、と彼女はゆっくりと首を横に振った。
「わたくしもこのラスクみたいになれたらって思いましたの」
????
貴婦人の御令嬢の考えていることは全く判らない。
例えるなら小さい子どもが『大きくなったらグラタンになりたいです』って言ってるようなノリなんだろうか。
上流階級にしかわからないジョーク??
俺は困惑しながらその真意を訊ねた。
「真ん中の白い部分はサンドイッチになるでしょう?それから余った耳の部分はこんがりとしたラスクになって……」
捨てる所が無いなんて、なんて理想的なんでしょうね、と彼女はまた小さく笑った。
意味がわからなかった。
御令嬢の例え話は難解だな、と俺はなんとも不思議な気分になった。
心地よい風が吹き、二人の間を静寂が通過した。
俺はぼんやりと紅茶を飲み、沈黙に身を任せる。
あの、と遠慮がちに花園リセが切り出した。
どうしたんだ、という俺に言い辛そうに花園リセは言葉を詰まらせる。
「あの……ヘレン……いや、マサムネちゃんは生まれて何ヶ月になりますか?」
そうだな、と俺は記憶を辿る。
「確か、3月ごろに生まれたばっかりのコイツを拾って来た気がするな」
俺はなんとなく答える。
まあ、と彼女が少し驚いたようにマサムネを見た。
「ではこの子……マサムネちゃんは今は7ヶ月くらいになりますのね?」
そう言われればそうかもな、と俺は頷いた。
花園リセは更に言いにくそうに言葉を選びながら俺に切り出す。
「あの……既にご存知かと思いますが……メス猫ちゃんは……この時期から妊娠可能な身体になってますわね……それで……」
「え!?そうなん!?」
赤ちゃんだと思っていたマサムネが既に妊娠可能と聞いて俺はめちゃくちゃ驚いた。
知らなかった。
まだ赤ちゃんなのにか?春に生まれたばっかりなのに?
嘘だろマジか、と呟く俺に彼女は俯きながら言った。
「この子の……避妊手術をどうするか……考えなくてはいけない時期だと思いますの……」
花園リセはマサムネを撫でながらなんとも言えない表情をしていた。
避妊手術。
それってどういう手術なんだろう。
俺は思考を巡らせた。
考えてみれば人間が勝手に他の生き物の生殖能力を奪うってヤベぇ手術だな。
俺は急にめちゃくちゃ怖くなった。
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