[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

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ep1.5

ep1.5「呪いの正体」 性行為が術式になる呪いがガチで実在するとか言われても

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俺は小泉から奇妙な話を聞き、奇妙な約束をして奇妙なアイテムを受け取って家に帰った。

だがどうしても腑に落ちなかった。

[童貞を捨てようとすると時間が戻る呪い]の意味がわからない。

童貞と呪いが結びつかない。呪いってもっとこう、誰か死んだりする奴じゃねぇの?

俺が呪われてる?そんな呪いを俺に掛けて意味があるんだろうか?嫌がらせ的な呪いだろうか。

その日はなんだか落ち着かなかった。

小泉の話を完全に信じた訳ではない。だが妙な説得力もあったようにも思えた。

小泉から渡された缶は怖くなったので仏壇に供えてから寝た。

翌日の授業も全く頭に入って来なかった。(これはいつものことかもしれない)

放課後、俺は美術準備室に向かった。

「どうした佐藤?早速、缶の中身が減ってたとかじゃないよな?」

小泉は昨日の缶の中身の増減にしか興味がないかのように思えた。いや、俺本体も気にしてくれ。

タイムリープもしてないし中身も減ってない、と俺が言うと小泉はつまらなそうにため息をついた。

「じゃあ何の用で来たんだ?金なら貸さんぞ?」

「ちげぇよ。そんなんじゃねぇし」

俺は勝手に椅子に座った。納得のいく回答が得られるまで帰らないつもりだった。

「質問いいですかセンセェ?」

俺は手を挙げて本題に入る。

なんだ?と小泉が手元の書類から視線を動かさないまま答えた。

「呪いの意味がわからない。誰が俺を呪った?俺は死ぬのか?」

童貞だという事と呪いがどう関係あるんだ?と俺は小泉に問いかけた。

ふむ、と小泉が顔を上げて首を傾げる。

「お前もやはりそこが気になったか」

いいだろう、と小泉は勿体ぶって頷き、本棚から何冊か本を取り出した。

美術準備室は完全に小泉のマイルームと化している。学校に自分専用個室あるとか特権過ぎね?強過ぎんだろ。

「お前は密教立川流というのを知っているか?」

いや知らん、と答えながら俺は勝手に小型冷蔵庫を開けた。

「平安時代から伝わっている流派でな、その筋では有名なんだが」

貰うぜ、と俺は麦茶のペットボトルを掴んでキャップを開けて喉に流し込む。

「簡単に言うとセックスする事自体が術式のような流派でな。お前も呪いもこの系統だ」

「!?」

俺は思わず口に含んだ麦茶を吹き出してしまう。

「何度注意すれば気が済むんだ。気をつけろと言ってるだろう」

タオルで顔を拭きながら小泉が俺を睨む。

お前、毎回毎回俺が飲み物を口に含んだ瞬間にヤベェ話題振ってね?ワザとだろ絶対。


「いやいやいやいや…」

俺は首をふった。冗談じゃない。



「セックスすること自体が術式?俺がか?」
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