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ep1.
ep1.「呪いの宣告」 身に覚えのない初体験
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「ま、そういう訳で神社で色々と記録を漁っていたらこういう結論に達したのだが何か質問はあるか?」
美術準備室で俺の目の前に座っている小泉は至って真面目に言ってのけた。は?呪い?時間が戻る?意味がわからない。
どういう結論だよ。そもそも病み上がりの俺は小泉の話を半分以上飲み込めずにいた。
「悪ぃ。センセェ。さっきの話全然聞いてなかったし何もわかんねぇ。もっと馬鹿でもわかるように教えてくんね?」
小泉はため息をついた。
「お前という奴は…‥授業中もいつもそうじゃないか」
そう言われても『お前は呪われている』と言われてはいそうですか、と納得できる人間がどれくらい居ると?
おまけにこの夏に童貞を捨ててきただろうとか全く話が見えてこない。そんな人生最大のビッグイベントが俺の身に起こってたなんて信じられない。そもそも相手に心当たりが1ミリもない。言うまでもなく彼女だって一度も出来たことはない。
「俺が童貞を捨てたって言うなら相手はどこに居るんだよ?彼女なんだろ?」
俺は机にあるペットボトルを手に取り、スポーツドリンクを飲む。9月とはいえ放課後の美術準備室はまだ真夏の気配と空気を濃厚に残していた。
「残念ながら付き合う前に別れてしまったようだな」
俺はまたしても口に含んでいたスポーツドリンクを盛大に噴き出してしまう。小泉は俺を睨みながら顔をタオルで拭く。
「また目に入ったろうが。染みるだろう。気をつけろ」
いやいやいやいや……俺は首を横にフルスイングする。
「は!?どういう事なんだよ!?付き合う前にヤッてそのまま別れた!?何それ!?ヤリ捨てじゃねーの!?」
いくらなんでも酷すぎないか?もしかして相手の子も初めてだったんじゃねーの?処女奪っといて捨てたの?最低じゃねぇの俺?!
「信じたくないのも理解できるが順を追って話そうか」
小泉は机の上にドサドサと書類や資料らしきものを置いた。
「そもそもあの日、お前の家に行ったのは保護者の所在を確認する為だ。心苦しいのだが私はお前を児相に送る事になるのは覚悟していた。これはネグレクトで犯罪なのだからな」
俺は黙って小泉の話を聞いていた。いつかはそうなるであろうことは俺自身もどこかで感じていた。
だが、と小泉は続けた。
「呪いともなると話は別だ。お前の家の神棚に特殊なお札があっただろう。あれは一般家庭にゴロゴロ転がっているような代物じゃあないんだ」
小泉は俺を指さした。
「お前の仙骨下部にあった印、あれは蒙古斑でもなければ単なる痣でもない。呪われた忌み子である証だ」
美術準備室で俺の目の前に座っている小泉は至って真面目に言ってのけた。は?呪い?時間が戻る?意味がわからない。
どういう結論だよ。そもそも病み上がりの俺は小泉の話を半分以上飲み込めずにいた。
「悪ぃ。センセェ。さっきの話全然聞いてなかったし何もわかんねぇ。もっと馬鹿でもわかるように教えてくんね?」
小泉はため息をついた。
「お前という奴は…‥授業中もいつもそうじゃないか」
そう言われても『お前は呪われている』と言われてはいそうですか、と納得できる人間がどれくらい居ると?
おまけにこの夏に童貞を捨ててきただろうとか全く話が見えてこない。そんな人生最大のビッグイベントが俺の身に起こってたなんて信じられない。そもそも相手に心当たりが1ミリもない。言うまでもなく彼女だって一度も出来たことはない。
「俺が童貞を捨てたって言うなら相手はどこに居るんだよ?彼女なんだろ?」
俺は机にあるペットボトルを手に取り、スポーツドリンクを飲む。9月とはいえ放課後の美術準備室はまだ真夏の気配と空気を濃厚に残していた。
「残念ながら付き合う前に別れてしまったようだな」
俺はまたしても口に含んでいたスポーツドリンクを盛大に噴き出してしまう。小泉は俺を睨みながら顔をタオルで拭く。
「また目に入ったろうが。染みるだろう。気をつけろ」
いやいやいやいや……俺は首を横にフルスイングする。
「は!?どういう事なんだよ!?付き合う前にヤッてそのまま別れた!?何それ!?ヤリ捨てじゃねーの!?」
いくらなんでも酷すぎないか?もしかして相手の子も初めてだったんじゃねーの?処女奪っといて捨てたの?最低じゃねぇの俺?!
「信じたくないのも理解できるが順を追って話そうか」
小泉は机の上にドサドサと書類や資料らしきものを置いた。
「そもそもあの日、お前の家に行ったのは保護者の所在を確認する為だ。心苦しいのだが私はお前を児相に送る事になるのは覚悟していた。これはネグレクトで犯罪なのだからな」
俺は黙って小泉の話を聞いていた。いつかはそうなるであろうことは俺自身もどこかで感じていた。
だが、と小泉は続けた。
「呪いともなると話は別だ。お前の家の神棚に特殊なお札があっただろう。あれは一般家庭にゴロゴロ転がっているような代物じゃあないんだ」
小泉は俺を指さした。
「お前の仙骨下部にあった印、あれは蒙古斑でもなければ単なる痣でもない。呪われた忌み子である証だ」
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