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ep0. 「真夏の夜の爪」 ⑱少年の神は彼を救う
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「そういやキュウソネコカミの“ビビった”のPVの一つめの硬派なロックバンドってミッシェルリスペクトっスかね?持ってるのが赤いタンバリンなのはブランキージェットシティへのオマージュっぽい気がするし」
だよな!と少年が更に勢いを増す。
「イントロの歌い出しの前にチバさんが“っしゃあああああああ!”みてぇに気合い入れてんのマジかっけーし!チバさんマジ神だし!」
「神っス!」
「Mステを救った英雄だよな!マジかっけぇ!チバさんみてぇになりてぇ!」
「英雄っス!」
「タトゥー!てめえら最大の功績は最後まで楽屋から出なかったことだ!!!」
「日本の音楽史に残るナイスバックレっスね!」
「ありがとうタトゥー!」
「ありがとうタトゥー!」
「タモさんの髪フッサフサじゃねーか!」
「タモさんの髪フッサフサ!!」
"っしゃああああああ!!!”興奮を抑えきれない少年が雄叫びを上げる。
概史も合わせてチバユウスケのタンバリンの動きを真似る。
二人が大声で騒ぎ始めて収拾が付かなくなったので不機嫌さが上限に達したマコトが音を立ててテーブルの椅子を蹴り上げる。
「は?マジ意味わかんないんだけど?うっざ、何それ?知らんし」
少年と概史が動きを止めてマコトを見る。
黒いパーカーのフードから見える不機嫌そうなマコトの眼が苛立ちを隠さずにいた。
は?ミッシェルだが?と少年はマコトを睨みつける。
あの、ミッシェルガンエレファントっスよ。マコト先輩はこっち系聴かないんっスか?と概史がフォローを入れる。
「は?知らないし。聞いたことないしそんなアーティスト」
「……あ?」
「は?タンバリンとかだっさ」
不機嫌さを全く隠さないマコトが吐き捨てる。
「あぁ!?もう一回言ってみろよこの野郎!?」
少年が立ち上がりパイプ椅子を蹴り倒す。
「ミッシェル侮辱する奴ァテメーでも許せねぇからな?」
普段滅多にキレない少年が珍しくマコトに突っかかる。
「テメーあの世でアベさんに詫びろ!」
マコトの胸元のパーカーを少年が掴む。
「……は?きっしょ。意味わかんないし」
待ってください!ガックン先輩!マコト先輩!と慌てて概史が二人の間に割って入る。
「えっとあの、ガックン先輩はミッシェルをホントにリスペクトしてるんスよ!部屋にミッシェルのポスター貼って朝晩挨拶してしょっちゅう話しかけてるくらいにはガチ勢なんで!神なんで!ほら、マコト先輩にもそういうガチで尊敬するアーティストっているんじゃないんスか?」
概史は注意を逸らすようにマコトに話題を振り発言を引き出そうとする。
だよな!と少年が更に勢いを増す。
「イントロの歌い出しの前にチバさんが“っしゃあああああああ!”みてぇに気合い入れてんのマジかっけーし!チバさんマジ神だし!」
「神っス!」
「Mステを救った英雄だよな!マジかっけぇ!チバさんみてぇになりてぇ!」
「英雄っス!」
「タトゥー!てめえら最大の功績は最後まで楽屋から出なかったことだ!!!」
「日本の音楽史に残るナイスバックレっスね!」
「ありがとうタトゥー!」
「ありがとうタトゥー!」
「タモさんの髪フッサフサじゃねーか!」
「タモさんの髪フッサフサ!!」
"っしゃああああああ!!!”興奮を抑えきれない少年が雄叫びを上げる。
概史も合わせてチバユウスケのタンバリンの動きを真似る。
二人が大声で騒ぎ始めて収拾が付かなくなったので不機嫌さが上限に達したマコトが音を立ててテーブルの椅子を蹴り上げる。
「は?マジ意味わかんないんだけど?うっざ、何それ?知らんし」
少年と概史が動きを止めてマコトを見る。
黒いパーカーのフードから見える不機嫌そうなマコトの眼が苛立ちを隠さずにいた。
は?ミッシェルだが?と少年はマコトを睨みつける。
あの、ミッシェルガンエレファントっスよ。マコト先輩はこっち系聴かないんっスか?と概史がフォローを入れる。
「は?知らないし。聞いたことないしそんなアーティスト」
「……あ?」
「は?タンバリンとかだっさ」
不機嫌さを全く隠さないマコトが吐き捨てる。
「あぁ!?もう一回言ってみろよこの野郎!?」
少年が立ち上がりパイプ椅子を蹴り倒す。
「ミッシェル侮辱する奴ァテメーでも許せねぇからな?」
普段滅多にキレない少年が珍しくマコトに突っかかる。
「テメーあの世でアベさんに詫びろ!」
マコトの胸元のパーカーを少年が掴む。
「……は?きっしょ。意味わかんないし」
待ってください!ガックン先輩!マコト先輩!と慌てて概史が二人の間に割って入る。
「えっとあの、ガックン先輩はミッシェルをホントにリスペクトしてるんスよ!部屋にミッシェルのポスター貼って朝晩挨拶してしょっちゅう話しかけてるくらいにはガチ勢なんで!神なんで!ほら、マコト先輩にもそういうガチで尊敬するアーティストっているんじゃないんスか?」
概史は注意を逸らすようにマコトに話題を振り発言を引き出そうとする。
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