[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

SPD

文字の大きさ
11 / 1,153
ep.0

ep0. 「真夏の夜の爪」 ⑪風俗店の払い下げ品、小公女と12歳

しおりを挟む
概史が彼女に初めて話しかけたのは昼休憩の図書室でだった。

「小公女」という低学年向けの児童書。

今風の少女漫画の絵柄の挿絵が描かれたその本を食い入るように図書室の隅に立って読んでいる。

ただ独り味方の居ない戦地で反撃の狼煙を上げる機会を伺う孤独な兵士のような眼で活字を追う。

こいつは皆が言うような白痴じゃない。

とてつもない量、弾薬庫にあるような燃え盛る矜持を隠し持っているのではないか。

概史の脊髄に電流にも似た直感が走った。そしてその直感は当たっていたのだった。

よぅ、何読んでるんだ?と概史は彼女に声を掛けた。それが開始の合図だった。





 貰い物のケーキ、おれんちの冷蔵庫に入ってるから食って帰らね?と誘う概史に対して彼女は警戒する素振りを見せず付いてきた。

概史の家までの道中で質問された事は素直に答え、概史はおおよその井田家と彼女の環境を把握した。


 家に着いて二つのランドセルを玄関に放り投げるなり概史はボックスティッシュを彼女に投げて寄越し、鼻を噛むよう指示した。ズルズルと独特の嫌な音を立てて大量のゲル状の粘液が体外に排出される。鼻噛んだか、じゃあ次はうがいだな、後ついでに手ェ洗っとけ、と次の動作を促す。

イソジンあるから使っとけ、と小さなキャップに適量注いだ茶色の薬剤を渡す。

彼女はコクンと素直に頷き、うがいを念入りに行う。

じゃあ次は歯磨きな、と矢継ぎ早に次の指示が出されホテルのアメニティの使い捨て歯ブラシが投げて寄越された。大量のポケットティッシュと粗品と思しきタオルハンカチがどこからか引っ張り出されリビングのテーブルに置かれた。

ティッシュとハンカチは学校に持って行け、トイレの個室で鼻を噛んで痰は吐き出せ、あとは風呂だと概史は彼女をバスルームに押し込む。

抵抗する様子のない彼女の服を剥ぎ取り、念入りに身体中を洗った。髪は特に丁寧に2回洗い、仕上げにトリートメントを施した。

風呂上がりに兄のワイシャツを着せられドライヤーで慎重に髪を乾かされた彼女は黙ってソファに座っていた。

兄、フーミンが閉店した風俗店の店長から払い下げ品を貰ってきたというダンボールを逆さにして全てのコスチュームを床にぶち撒ける。

この家にある女性向けの衣類はこれだけだった。

少し古い年代のジャンルのセレクトなのは仕方なかった。

アニメの制服系やら戦闘服系は往来を着て歩くには厳しすぎる、と呟きながらこれらを物色する。

セーラーヴィーナス、ハルヒの制服。

プラグスーツは論外だ。せめてメイド服系統ならゴスロリで押し通せそうだろうか、と思案しながら引っ掻き回す。

未開封と思しきビニール袋に入った衣類が目に入る。

サイズの発注ミスで未使用のままであったのだろうか。

葛城ミサトのネルフ制服の5号。

ベレー帽とジャケットが無ければギリギリ着て外に出られるか?擦り切れて乳首が見えかねんゴミみたいな服よりいいだろ、また探しとくからとりあえず着とけと彼女に投げて寄越す。

十字架のペンダントの入った小さなビニール袋が服のタグと一緒に留められている。

ガチャガチャの大きめのカプセルに一枚ずつ入れられた色とりどりのショーツの中から比較的まともな色を選び、洗面台の奥から出てきた脱毛ワックスで顔や手足の産毛をなんとなく処理し、痛んで折れチリチリになった髪先もそれとなくカットした。

 なんとか見れるようにはなったな、とチーズケーキを頬張りながら概史はシャワーで濡れたTシャツを脱ぎ捨てた。

彼女は苺のショートケーキに齧り付きながらも箱の中に残ったモンブランを凝視している。

お前、鏡見てみろよと概史は彼女に手鏡を渡す。手鏡をチラリと見てすぐに視線をモンブランに戻した彼女はこう呟いた。



「もう一個食べていい?」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜

遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった! 木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。 「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」 そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

処理中です...