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第2章 地球活動編
第127話 会ってほしい人 二節 聖者襲撃編
しおりを挟む昼休みになる。
新田さんがどんな説明をしたのかは不明だが、セリアさんがいつもの様子に戻っていた。そしてそれは瑠璃も同じ。
約一名自爆した人を除き、僕の明神高校の生活は正常な時を刻み始める。
昼休みになり、セリアさん、新田さんと僕で食堂1階の《掃きだめの食卓》へ向かう。
Cランチを頼むと、今日の献立は所謂一つの『トンカツ定食』だった。
カラリと良い塩梅で揚げた肉汁たっぷりのトンカツと、特製ソース。キャベツにトマト。お煮しめ。さらに浅利の味噌汁。もはやCランチで共通しているのはキャベツのみじん切りくらいだろう。
これを260円? とても採算があるとは思えない。考えられるのはそもそもこの食堂一階は倖月家縁以外の学生の援助のために作られているということ。そしてその援助は味という一点に関しては二階、三階の倖月家縁者以上のものであるということ。
この趣旨も一応の説明はつく。
倖月家の縁者以外の者がこの学校に入学する理由は、僕のような例外以外、その類まれなる能力により、学校の名誉を守る事。だから特別選抜試験を経て入学した学生達の能力は一般に高い。と言っても彼らはあくまで明神高校を裏から支える縁の下の力持ち。《鳳凱祭》のような表舞台には通常は出てはこない。
しかし、それでは優秀な人材をこの明神高校へ繋ぎ止めて置くことはできない。仮に、倖月家縁の子息令嬢の中に碌に力のない者のみ集まってみろ。今回のようなイレギュラーの事態に陥れば、瞬く間に倖月家は日本の権勢から転落する。その予防対策は必須なのだ。その万が一のための予防方法が、特別選抜枠の優遇処置。
高額な学費の全額免除に始まり、生活費支給の全寮制。倖月家縁者がいくら金銭的余裕があるとはいえ、これ以上の優遇は反発を産む。特に昼食等、外面上最もわかり易い裕福さや特権を有することの指標と言える。
それ故のこの手の込んだ食堂というわけだ。この食堂に特別選抜者は当然、他の学生も入り食べることもできるし、平等に機会は与えられている。あとは面子の問題に過ぎない。奴らのような家柄などの価値観に凝り固まった者達がこの食堂で食べることは絶対にあり得ない以上、これはあくまで特別選抜者向けの昼食。たとえ無料にしても問題にならないくらいの安上がりというわけだ。
そういう意味ではこの《掃きだめの食卓》とやらは良く練られた策と言える。蚤の毛ほど少しだが、竜玄の価値を上方修正しておくことにする。
三人で窓際の外の景色が良く見える席に着いたわけだが、セリアさんが僕に神妙な顔を向けて来る。
「どうかした?」
「キョウヤ、ミス・シグレとは幼い頃からのシスターのような関係とはいえ、宿泊に来た女性が浴槽に浸かっている時間帯くらい前もって聞いておくべきですわ」
「はあ」
セリアさんの脈絡不明の言葉に、取りあえず相槌をしておく。横の新田さんの必死の目配せを視界に入れ、ようやく話しの内容を理解する。
僕が妹の沙耶と一緒に住んでいることはセリアさん達にも既に話している。沙耶にせがまれ、時雨先生が昨晩僕の屋敷に泊まりに来て、僕が考えなしに浴室の扉を開けて、脱衣所で着替えている時雨先生と鉢合わせした。それが原因で先生が羞恥により一時間目のような状態になった。こんな感じのストーリーだろう。
今朝までの僕がこの筋書きを聞いたなら、床を転げまわって爆笑していたことだろう。それくらいあり得ない筋書きに過ぎなかったわけだが、今朝の先生のあの姿を鑑みれば全く笑えない。現に僕に着替えシーンを見られただけで泣き出しそうな気もする。
そういや先生やたらとガードが堅かったような。というか、水着姿どころか、あの暑苦しい着物姿しか見た事がないし。
幸か不幸か付き合いの長い僕でも不自然に感じないのだ。セリアさんにとってはこの筋書きは鉄壁だ。せっかく新田さんが気を使ってくれたわけだし、この話に乗っかろうと思う。
「気を付けるよ。ありがと。セリアさん」
「いえ……」
僕が笑顔を向けるとどういう訳か、セリアさんは真っ赤になって俯いて口に料理を運び始める。そんな僕らに生温かな視線を送る新田さん。この風景、若干、日常化しつつあるな。
今、食後のお茶を飲みながら、天井から吊るされている大型の薄型テレビを見上げている所だ。
テレビの映像は黒髪の美しい少女の演説の風景を映している。
2082年9月8日の晩から、テレビは四六時中、あるニュースで埋め尽くされていた。即ち――イタリアに拠点を持つ闇帝国の政権崩壊のニュース。
当初、魔術審議会東京支部組織魔術犯罪対策課課長――宇治夢嗣が、闇帝国と結託し、民間人を拉致し、赤魔術の研究を行っていた事にメディアの関心が向いた。だが、倖月家縁の宇治夢嗣を摘発したのが京都三家の藤原家出身の捜査員であるとの報道がされると、藤原家と倖月家の権力闘争に問題がすり替わってしまう。
そしてその直後のルイズ・ヴァンピールによる闇帝国の内乱の成功と国家的犯罪を指揮していた闇帝国皇帝――ヒーム・ヴァンピールの審議会による捕縛の事実。
おまけに、闇帝国の首都――《オスクリタ》に審議会と国連軍の両調査チームが現地入りし、調査を開始しているにもかからず、報道規制により《オスクリタ》現地の撮影が禁止された事実。
タイミングの良さも相まって、憶測が憶測を呼び、世界中のネット民はこの謎に熱狂した。
曰く――闇帝国の拉致被害者の中に数日前から姿が確認されていない世界的なスターでもある米国大統領のご息女がおり、魔道超大国の逆鱗に触れた。
曰く――審議会はルイズ・ヴァンピールとのかなり前から通じ、内部崩壊を画策していた。そこに海底都市の宇治夢嗣の事件が起こりこれ幸いと介入した。
曰く――イタリア政府が審議会と組んで海底都市の事件を契機に自国の領地を取り戻そうとした。
曰く――海底都市の拉致被害者に天族がおり、その報復に天界が天軍による一斉攻撃を行った。審議会はその事後処理に追われた。
曰く――新興の魔術組織がその構成員の拉致の報復のため、闇帝国へ攻め込んだ。
この手の噂が次から次へとネット上に氾濫し、既に収拾がつかなくなっている。
特にあまりにも嘘くさい新興の魔術組織説まででて来てからはネットでの過熱も若干冷めつつある。今はネットから事実の報道をメインで行うテレビへとその関心は変遷しつつある。
「闇帝国の政権崩壊の事件、今ネットで話題になってるよね?
楠君はどう思う?」
「どうだろ。審議会陰謀説か、天界報復説も面白いと思ったけど?」
「だよねぇ~、私はイタリア政府陰謀説かな」
加えてネットでは米国報復説も結構有力だ。
新田さんがちらりとセリアさんにすまなそうな視線を向ける。この議論はネットの2chを中心になされている。セレブ筆頭のセリアさんがこの議論につき知るはずもないのだ。
共通に知る話題に変えようとしてか、新田さんが口を開こうとするが、セリアさんが目を輝かせて身を乗り出してくる。
「私は新興魔術組織説を押しますわ」
「え?」「へ?」
僕と新田さんは顔を見合わせる。無論セリアさんが最も眉唾ものとされる新興魔術組織説を採ったからではない。セリアさんがそもそも議論の内容についてくることができたことだ。
「帰省した際、父からある魔術組織が急速に力をつけて来ていると耳にしたことがあるんです」
思わず、飲んでいたお茶を気管に入れ、軽く咽かえってしまう。
(力をつけてきた魔術組織ってまさか……)
「へ~、どんな?」
無邪気な新田さんが今はどうしょうもなく恨めしい。
「八月の半ばに行われたナンバーズゲームで一躍有名になった魔術組織――《妖精の森》ですわ」
一躍有名になどなってねぇよ。確かに《妖精の森》の名は、《ナンバーズゲーム》の際に審議会を通して全世界へと公表されており、当然に各国の有力魔術組織は一応、僕らの存在を認識していることだろう。
だが、それも思金神と審議会による過剰なほどの情報操作により、僕らが《お菓子魔術》という新種の魔術を編み出したラッキーな組織としての認識しかないはずだ。
まあ《転移装置》の技術協力の件で僕らの技術力を認識している英国政府にはそれなりに重視すべき組織としては認識されていよう。
しかし、それはあくまで政府の要人レベルの話だ。一般人に過ぎないセリアさんから、《妖精の森》の名がでてくるなど正直違和感しか湧かない。
「《妖精の森》?」
「ええ、禁術を開発した組織で我が英国とも関係が深いらしいですわ」
冗談じゃないぞ! どう考えてもセリアさん知り過ぎだ。内容が確実に機密事項じゃないか!
「ふ~ん。そんな組織があるんだ? 初めて聞いたよ」
(それが正常だよ、新田さん)
どうにも嫌な予感しかしない。とっとと話題を変えよう。僕が口を開きかけようとすると、右手が僕の左肩に置かれる。
「よう、楠、少々、あんたに話がある。向こうに来てもらえねぇか?」
目の下に傷のある男――遊馬壬が僕の背後で、親指を一番端の隅のテーブルに突き立てていた。
普段通り、顔に気の抜けた笑みを浮かべてはいるが、漂う雰囲気が魔術師のそれだ。《殲滅戦域》関連の情報だろう。あらゆる意味でこの誘いを拒否できる状況に僕はない。
「あなた――」
セリアさんが、顔の底に憤りを湛えて席を立ちあがろうとするが、僕がそれを右手で制する。
「ごめん、どうやら込み合った話のようだから、行ってくるよ。
もうあと十分程で授業開始だし、セリアさん達は教室に先に戻ってて」
セリアさんは僕の顔を暫し注視していたが、頷くと新田さんを促し、食器を片付け始めた。
(ごめん、セリアさん、新田さん)
心の中で何度も頭を下げつつも、僕も食器の乗ったトレイを下げて遊馬達の座るテーブルへと向かう。
最奥のテーブルには遊馬とボブカットの目が線のように細い女が座っていた。
「初めまして楠恭弥君。ウチは滝真白 。真白でええよ」
右手で握手を求めて来たので握り返すと、真白に引っ張られる。
(やっぱ、こうしてみるとごっつ強いように見えんなぁ~。ほんま、あの『空月』と同一人物なん?)
ただでさえ近頃、悪目立ちしつつあるのだ。人目につく行為は止めてもらおう。それに、初対面の挨拶で礼儀を欠く奴は正直好きじゃない。
右手を離し、耳元で囁く彼女の肩を掴み押し戻す。
「それで僕に何か用? 用がないなら教室へ戻らせてもらうよ」
自然に声が低くなる。
「そんな怒るなって。でもあのままだとお前、不味かったんだろ?」
「……」
それは図星だ。僕はセリアさんの情報分析力を少しばかり甘く見過ぎていた。あの様子では彼女は今回の事件が僕ら《妖精の森》の仕業だという結論に漠然とではあるが到達している。
そんなセリアさんの前で下手な事を口走れば、僕が《妖精の森》の関係者であることを見抜かれていたかもしれない。だから遊馬達に誘われたこと自体は僕にとっては都合が良い事態だった。
「会って欲しい人がいる」
遊馬は審議会の人間。審議会も組織である以上、派閥くらいあるだろう。下手に組織の深みにはまって、左京さんの顔を潰す結果になるのも面倒だ。それに今までの経験則から安請負をすると、かなりの確率で厄介な揉め事に巻き込まれる。
「悪いけど……」
「もし会ってくれるなら、仮に任務に背いてもこの学校にいるあんたの大切な奴らを守ってやる」
僕の大切な者を守るか。確かに、今後僕が留守中に面倒ごとに巻き込まれる事は多々あるだろう。だが、セリアさん達に毛が生えた程度の遊馬達では僕らの事件に首を突っ込むには力不足だ。やはり、断るべきなのだが……。
「残念だけど、君らじゃ……」
「頼む!」「お願い!」
(君ら……)
遊馬と真白の様子が様変わりしていた。
先ほどのふざけた様子から、死地に赴く軍人のように表情を引き締め、僕に向けて額をテーブルに押し付けている。
どうにも彼らが単なる審議会の派閥争いのために僕に頼んでいるようには見えない。
今の彼らの瞳に映るのは少し前までのキャスさん達の瞳にあった色、リョウカさん達、元娼婦街の皆にあった色、そしてつい数か月前までの僕にあった色。
破滅的状況でもがいて、もがいて、打ちのめされ絶望し、立ち上がりもがいて、やっぱり絶望する。それでも未来を捨てきれない、そんな色。
「君らが会ってほしい人は審議会の人間じゃないんだね?」
審議会の身分を使って僕にコンタクトを採って来たのだ。これが真実なら遊馬達は、エージェントとして最大の禁忌を犯したことになる。
「そうだ」
こんな目をした人間の言葉を疑うほど僕はまだ腐っちゃいない。
僕が席を立ちあがると遊馬達は世界が終わったような泣きそうな顔を向けて来た。
「僕はいつ会えばいい?」
「じゃ、じゃあ?」
「詳しい話はその人とやらに聞くよ」
「で、できれば今日!」
興奮で頬を赤く染め、真白が立ち上がる。
「君、一応審議会のエージェントだろ、少しは静かに話しなよ」
「ごめん」
彼女の耳元で囁くとシュンと項垂れてしまう。
「でもそうだね。どうせ僕は普段の午後の実習の出席が禁じられている。
だから、君らさえ良ければ今から会うよ」
「ほ、本当かっ! 恩に着る!」
遊馬まで立ち上がり、僕の両手を握りブンブン振って来る。
「そんなに期待されても困るよ。ただ会うだけに過ぎないし……」
ただ会うだけでここまで過剰な反応されても、かえって罪悪感が生じる。
「それでもかまわねぇ! 俺達にはもう、あんただけなんだ」
この様子だと一刻を争う事態なのかもしれない。ならば――。
「行くよ。案内して」
「ああ!」
力強い声と共に、遊馬が歩き出し、僕らは食堂を後にする。
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