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第一話 彦次郎の焦燥
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「おおっ、お尻ッ! ぎっ……ぎぼぢいいっ……!」
激しく突かれながら彦次郎が喘ぐ。自らの肛門を貫く相手にその快楽のほどを伝えようとするが、言葉にならない。
ただ、言葉にならない喘ぎ交じりの彦次郎の声は、義尚をいっそうの昂奮に導いたようである。彦次郎の肛門に、怒張した逸物を押し当てる義尚の動きが激しさを増す。
「義尚様ぁっ……! ひぃぐうぅぅぅっ!」
「彦次郎! ああっ、彦次郎!」
激しい運動のために息を切らせながら愛しげに彦次郎の名を連呼する義尚。絶頂が近いのか。
次の瞬間、激しく運動していた義尚の腰の動きが止まり、逸物を彦次郎の腸内に深くこじ入れたまま、ぶるぶると小刻みに震えた。
「ふぐうぅぅぅ……っ!」
下唇を噛み締めながら、彦次郎がくぐもった嬌声を上げる。後背から突かれ、片脚を担ぎ上げられた彦次郎の爪先が、快楽のために反り返った。
「あっ……あっ……、あああ」
怒濤のような快楽の波が彦次郎を襲う。反り返ったままの爪先が、今度は激しく痙攣した。
義尚のそれと比較して随分小ぶりな彦次郎の逸物から精がこぼれ落ちる。その様子は、快楽のために焦点が合わない瞳、だらしなく半開きになった赤く厚い唇といった彦次郎の表情と合わせて、これ以上ないほど扇情的であった。
どれほどの時間が経ったのか知れぬ。義尚の胸に抱かれながら、快楽の余韻に浸っている今という時間を、得がたいもののように感じる彦次郎である。
(自分は義尚様のご寵愛をいつまで受けることが出来るだろうか)
彦次郎を、この不安が時折襲う。
やがては自分も成長し、否応なく大人の仲間入りをしなければならない身である。自分の意志とは関係なく声は変わり、濃い体毛がこの身を覆うようになるのだ。義尚が愛でてやまないこのきゃしゃな手も足も項も、胸も尻も、いずれは太く逞しいそれに成長していくのである。
彦次郎は身体の成長に伴って主君の寵愛を失っていった人々の運命を見たり聞いたりして知っていた。
それまでの寵愛が嘘だったかのように傍から遠ざけられ、それまで密かにやっかんできた周囲の人々からこれでもかと嘲り罵りを受ける恥辱。これを堪え忍ぶのは死ぬより辛い選択であった。実際、主君の寵愛を失った若衆が自死する事件は後を絶たない。
身体が大人になりきって同衾しなくなった後、なお重用される人物もいるにはいたが、そういった者は武勇に抽んでているとか、目端が利いて気遣いが行き届くといった、特別の才能を持つ一部に限られていた。
そのような特別枠に自分が入れるものかどうか、彦次郎は心許ない。
なぜならば彦次郎は能楽師の一座に属していた地下人であり、もとより武勇の心得など微塵も持っていない者だったからである。その点で既に武家の子弟に後れを取っている。今は同衾することによって義尚の寵愛を受けているが、ただそれだけの話であって、自分が特別目端の利く人間かどうかも知りはしない。
過ぎゆく時間と共に日々成長する身体。
その不安を思うと、彦次郎は義尚の胸に抱かれながらその体臭を胸いっぱいに吸い込むことが出来る今という時間が、得がたいもののように思われてならないのである。
彦次郎は、ことを終えてほぐれきった後孔に指をこじいれた。
堪えようとしても声が自然と漏れる。
「如何した、彦次郎」
優しく訊ねる義尚に、縦割れした己が菊門から抜き取った指先を示す彦次郎。
「ご覧下さいませ。義尚様が放った精にございます。
ああ、愛おしい」
妖しい艶をぬらぬらと帯びる指先を、彦次郎はぱくりと口に含んだ。
「彦次郎……」
彦次郎の妖艶な様に絶句する義尚。
その義尚を尻目に、布団のなかにもぐりこむ彦次郎が、再び怒張の予兆を示しつつあった義尚の逸物を喉奥深く頬張り始める。
塩気を含む精の味から一転、先ほどまで自分の肛門を貫いていた義尚の逸物からは、件の臭気が漂っておりしかも苦い。どんなに丹念に洗浄しても、肛門に挿入した以上は免れない排泄物の臭気であった。
義尚の逸物と共に自らの体内に残った残渣物の臭気を口に含む彦次郎の肛門は、本人の知らないまま、またぞろ物欲しそうにその入り口を緩めたのであった。
激しく突かれながら彦次郎が喘ぐ。自らの肛門を貫く相手にその快楽のほどを伝えようとするが、言葉にならない。
ただ、言葉にならない喘ぎ交じりの彦次郎の声は、義尚をいっそうの昂奮に導いたようである。彦次郎の肛門に、怒張した逸物を押し当てる義尚の動きが激しさを増す。
「義尚様ぁっ……! ひぃぐうぅぅぅっ!」
「彦次郎! ああっ、彦次郎!」
激しい運動のために息を切らせながら愛しげに彦次郎の名を連呼する義尚。絶頂が近いのか。
次の瞬間、激しく運動していた義尚の腰の動きが止まり、逸物を彦次郎の腸内に深くこじ入れたまま、ぶるぶると小刻みに震えた。
「ふぐうぅぅぅ……っ!」
下唇を噛み締めながら、彦次郎がくぐもった嬌声を上げる。後背から突かれ、片脚を担ぎ上げられた彦次郎の爪先が、快楽のために反り返った。
「あっ……あっ……、あああ」
怒濤のような快楽の波が彦次郎を襲う。反り返ったままの爪先が、今度は激しく痙攣した。
義尚のそれと比較して随分小ぶりな彦次郎の逸物から精がこぼれ落ちる。その様子は、快楽のために焦点が合わない瞳、だらしなく半開きになった赤く厚い唇といった彦次郎の表情と合わせて、これ以上ないほど扇情的であった。
どれほどの時間が経ったのか知れぬ。義尚の胸に抱かれながら、快楽の余韻に浸っている今という時間を、得がたいもののように感じる彦次郎である。
(自分は義尚様のご寵愛をいつまで受けることが出来るだろうか)
彦次郎を、この不安が時折襲う。
やがては自分も成長し、否応なく大人の仲間入りをしなければならない身である。自分の意志とは関係なく声は変わり、濃い体毛がこの身を覆うようになるのだ。義尚が愛でてやまないこのきゃしゃな手も足も項も、胸も尻も、いずれは太く逞しいそれに成長していくのである。
彦次郎は身体の成長に伴って主君の寵愛を失っていった人々の運命を見たり聞いたりして知っていた。
それまでの寵愛が嘘だったかのように傍から遠ざけられ、それまで密かにやっかんできた周囲の人々からこれでもかと嘲り罵りを受ける恥辱。これを堪え忍ぶのは死ぬより辛い選択であった。実際、主君の寵愛を失った若衆が自死する事件は後を絶たない。
身体が大人になりきって同衾しなくなった後、なお重用される人物もいるにはいたが、そういった者は武勇に抽んでているとか、目端が利いて気遣いが行き届くといった、特別の才能を持つ一部に限られていた。
そのような特別枠に自分が入れるものかどうか、彦次郎は心許ない。
なぜならば彦次郎は能楽師の一座に属していた地下人であり、もとより武勇の心得など微塵も持っていない者だったからである。その点で既に武家の子弟に後れを取っている。今は同衾することによって義尚の寵愛を受けているが、ただそれだけの話であって、自分が特別目端の利く人間かどうかも知りはしない。
過ぎゆく時間と共に日々成長する身体。
その不安を思うと、彦次郎は義尚の胸に抱かれながらその体臭を胸いっぱいに吸い込むことが出来る今という時間が、得がたいもののように思われてならないのである。
彦次郎は、ことを終えてほぐれきった後孔に指をこじいれた。
堪えようとしても声が自然と漏れる。
「如何した、彦次郎」
優しく訊ねる義尚に、縦割れした己が菊門から抜き取った指先を示す彦次郎。
「ご覧下さいませ。義尚様が放った精にございます。
ああ、愛おしい」
妖しい艶をぬらぬらと帯びる指先を、彦次郎はぱくりと口に含んだ。
「彦次郎……」
彦次郎の妖艶な様に絶句する義尚。
その義尚を尻目に、布団のなかにもぐりこむ彦次郎が、再び怒張の予兆を示しつつあった義尚の逸物を喉奥深く頬張り始める。
塩気を含む精の味から一転、先ほどまで自分の肛門を貫いていた義尚の逸物からは、件の臭気が漂っておりしかも苦い。どんなに丹念に洗浄しても、肛門に挿入した以上は免れない排泄物の臭気であった。
義尚の逸物と共に自らの体内に残った残渣物の臭気を口に含む彦次郎の肛門は、本人の知らないまま、またぞろ物欲しそうにその入り口を緩めたのであった。
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