【完結】孤独の青年と寂しい魔法使いに無二の愛を ~贄になるために異世界に転移させられたはずなのに、穏やかな日々を過ごしています~

雨宮ロミ

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第五章 二十五日

第二十七話 二十五日目のこと☆

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 一日、いつも通りに過ごしていたはずだった。でも、何をしていたかは全く覚えていない。ずっと緊張感の中、一日を過ごしていた。食事の味も、きちんと覚えていなかった。お互い、変に意識していたからか、気まずさに似たぎこちない雰囲気が漂っていた。これからする行為は、性行為の形を取ってはいるけれど、魔力を注ぐための、ただの手段だというのに。性行為だって、夜空は何度もしたことがあるというのに。それでも、変に意識してしまっていた。

 寝室で、彼が風呂から上がってくるのを待っていた。一人、何度も深呼吸をして、気持ちを落ち着けようとする。気休めにもならなかった。

「……先に、失礼した」

 風呂から出たヴァートはローブを脱ぎ、就寝時のような緩い服装をしていた。石鹸の柔らかな香りが寝室に漂う。ヴァートの、しっかりとした身体のラインが、ローブを纏っているよりもはっきりと見えて。それが夜空の興奮と、そして緊張を昂ぶらせる。浮かれるな、と自身に内心言い聞かせる。

「……それじゃあ、お風呂、お借りしますね」
「……ああ。着替えはそこに置いてある」
「……ありがとう、ございます」

いつもしているはずの、簡単なやりとりですら、どこか手探りのような、たどたどしさがある。ヴァートが用意していたのは、柔らかな感触のバスローブ。それをぎゅっと握りしめるように抱きながら、夜空は風呂場へと向かっていった。


 夜空は、温かい湯の感触を味わっている。いつものように心地よさに浸ることは出来ない。緊張と寂しさがまとわりついていた。

「ふう……」

 夜空は、緊張を、そして寂しさを逃がすようにして、小さく息を吐いた。それでも、身体の中に溜まった緊張は逃げてはくれない。

「慣れてることなのに、なんで、こんなに……」

 何度目か分からない思考を繰り返す。
やろうとしていることは、魔力を注ぐための、ただの、手段だ。それまでやってきたことと同じ。一瞬の熱を求めるためにする行為と同じ。それなのに寂しさが募っていく。終わった後の、熱の余韻の寂しさ、ではなくて、「叶うならば、彼と想いを通じ合わせての行為をしたかった」という寂しさが。

 湯を止めて、夜空はぱちん、と軽く頬を叩いた。

「……失敗しないようにしないと……。これは、大事なことなんだから」

 自身の身勝手な想いに浸っている暇はない。彼が魔法を得るための大切な行為。ここで、失敗したら、もう後はない。決して失敗できない。夜空は、自身に言い聞かせながら、風呂場を出た。

「……戻りました」

 寝室へと戻る。ヴァートはベッドの上にいた。見慣れない薬のような瓶がいくつか置いてある。そして、ベッドの上にあった魔法の壁は消えていた。行為をする時に不都合だから、ヴァートがなくしたのかもしれない。

「……ご苦労だった」

 夜空もベッドの上に乗る。思わず正座してしまった。視線は合わせることが出来ない。ヴァートも、夜空から視線を背けている。

「……それじゃあ、始めようか」

少しの沈黙の後ヴァートが口にした。夜空は、ベッドの上に仰向けになろうとする。それを、ヴァートは引き留めた。

「……背中をこちらに向けるんだ」

 やはり、ヴァートは夜空に視線を合わせないようにして口にした。

「え?」
「……顔は、見ない方がいいだろう。私の顔を見ても楽しいものじゃないだろうから」
「…………ヴァートさんが、そちらの方が、いいなら、」

 夜空はヴァートの言葉に従い、四つんばいになって、シーツを握り絞める。視界は、清潔な白いシーツしか見えない。これが、愛を確かめ合う行為じゃない、というのは分かっている。でも、やはり、寂しかった。

「……すぐに、終わらせる」
「……はい」

ヴァートの指が、そっと、背中を這ったのが分かった。まるで愛撫のような滑らかな手津己。こわばっている夜空の身体の緊張を解すような動きで、夜空の背中を、腰を、そっと撫でていく。這う指の温度はどこか冷たく、震えていた。ヴァートも緊張をしているのかもしれない。手を繋いだ時の、冷たい中のあたたかさとは違う温度。優しい手つきなのに、夜空の寂しさを募らせていく。

 全身をゆっくりと撫でられた後、一度身体から指が離れ、指先が、夜空の後孔に宛がわれた。元の世界で言うローションのようなものが塗られているのかもしれない。どこかぬるついた感触が伝わる。

「……痛みがあったら言ってくれ」
「はい……」

 そして、そのまま、夜空の後孔に、ゆっくりと彼の指が侵入していく。そして、指の付け根まで侵入したところで、そっと、指が動き始めた。

「っ……」

ヴァートの長い指が夜空の後孔で動いている。まるで、壊れ物を扱うような、傷を付けないように、と細心の注意を払っているような動き。それでも、たどたどしさはあまり感じられなかった。慣れている感じはした。
「隣に誰かがいたことがある」という話をしていた。その時は、文字通りに受け取っていたけれど、もしかしたら、そういう意味も内包されていたのかもしれない。
それが余計に、夜空の感じている寂しさに拍車を掛ける。分かっているのに。夜空はぎゅ、とシーツを握りしめて、軽く首を横に振る。

 ここに、何も感情はない。ただ、ヴァートの魔法のために行う行為だ。殺されるための行為。それ以外何でもない。愛を確かめあうセックスでも何でもない。キスもなんにもしてないんだから。夜空は、そんなことを頭の中で繰り返しながら、ヴァートの指の動きを感じていた。でも、夜空の中の寂しさは増していくばかり。

「……。あの、もう、大丈夫、です、から……」

 これ以上すると、寂しさに押しつぶされそうになってしまいそうな気がして、夜空は口にする。

「……そう、か」

 ゆっくりと、指が引き抜かれ、代わりに、彼の剛直が宛がわれる。そして、再びの、痛みがあったら言ってくれ、という言葉の後、彼の剛直が夜空の後孔に入り込んでいく。夜空に痛みを与えないように、と気遣うように、ひどく優しく、ゆっくりと侵入してくる。その気遣いが、余計に苦しくなる。これは、愛を確かめ合う行為じゃないから。
 ゆっくりと息を吐きながら、夜空はヴァートの剛直の侵入を味わっていた。

「痛みは、ないか?」
「……大丈夫、です」

くぐもった声で返事をして頷く。彼がゆっくりと動き始めたのを感じる。痛みもないけど、快感を得る余裕はない。


「っ……、んっ……」

 唇を噛みしめ、声を漏らさないようにしてしまう。ヴァートの剛直の感触と、圧迫感が伝わってくる。けれども、快感を得ているかどうかは分からない。分からない、というよりは思考に圧倒されて、身体の感覚を味わっている余裕はない、今までに味わったことのない感覚だった。

 頭の中に、思考が流れてくる。
これは、愛を確認するための行為ではない、という寂しさと、失敗してはいけない、という緊張感……あらゆる感情が、思考が、混ざり合っている。

「……大丈夫か? 苦しくはないか?」
「……っ、はい、大丈夫、です……」

 ヴァートが、どこか荒い吐息混じりに夜空に訊ねた。優しい人だ、と思った。もうすぐ、自身を殺す、というのに。
やっぱり、この人に、報いたい、と思った。今やっていることは、俺にしか出来ないこと。
この人に、魔力を与えたい、と思った。
この行為が成功して、5日後に、俺を殺して、たくさんの魔力を手に入れたら、ヴァートさんはどんな魔法を使うんだろう。

夜空の頭にそんな思考が流れてくる。 

元からヴァートが「望んでいた」復讐をするのか、それとも、「忘れてしまった魔法」を使おうとして、生きるのか。それを確かめることは、夜空には出来ない。ヴァートが魔力を得る、ということは、夜空が殺される、ということだ。ヴァートが魔法を使えるようになった頃、夜空はもう殺されていて、これからヴァートがどう生きていくかを、確かめる術はない。

もしかしたら、夜空ではない、他の誰かが、彼の隣にいるのかも、しれない。

そんなことを考えて、身体がぞくりと震えた。恐怖にも似た感覚が走る。殺される恐怖は襲ってこなかったのに、彼の隣にいる別の誰かのことを考えて、恐怖してしまった。

「っ……は、ぁ……」

 苦しくなって、噛みしめていた唇を緩め、そのまま、顔を上げる。喘ぐような呼吸をして、必死に肺の中に酸素を取り込んでいく。

「……、どうした」
「……なんでも、ないです、つづけて、ください」

夜空は、少し荒くなった息を整えながら、絞り出すように言う。失敗は出来ない。軽く深呼吸をして、呼吸はだんだん元の速度に戻っていく。でも、夜空の思考がどろどろとして、まとまりがなくなっていく。身体に走る、普段とは違う感覚も相まって、なおさら。

この行為は失敗出来ない。完遂させないと、俺がいる意味はなくなってしまう。これは、俺にしか出来ないことなんだから。ちゃんとやらないと。そうじゃないと、俺のいる意味はない。

夜空は自分自身の頭の中で必死に言い聞かせて、唇を噛み、シーツを握りしめて耐える。けれども、まとまらない思考が、身体の圧迫感が、不快感に変化して、そして、頭の中の思考も、だんだんと、嫌な方向へと流されていく。

「っ……んぅっ……」
 
 ヴァートは、「お前が」と言ってくれたから、情がないわけではないのかもしれない。でも、きっと、夜空が抱いているような、特別な感情はないのかもしれない。優しいけれども、夜空を呼び出したのは「贄」として殺すため。必要なのは、贄、という役割のため。最初から分かっていた。けれども、夜空はいつの間にか、それ以上を、求めてしまっていた。そんなこと、叶うはずがないのに。隣にいて、悪夢を見ない人も、一緒に食事を摂る人も、いずれは出来るのかもしれない。夜空じゃなくても、いいのかもしれない。どうせ、夜空は、殺されるのだから。
 夜空は、贄でしかない。贄としては、唯一無二。代わりのきかない存在。でも、それだけ。俺自身に、用は、ない。隣にいつか、別の誰かがいて、彼は、自分の知らない世界で幸せになっている。ヴァートが魔力をたくさん得て、幸せになっている頃には、もう、夜空は殺されているのだから。

「っ……!」

 夜空は、人間として、贄としては代わりのきかない存在。でも、夜空という個が必要とされているわけではない。夜空の代わりはいる。

そんなこと、最初から、分かっていたはずなのに、一気に胃の中が押し上げられる感覚が走る。めまいのような、そして押しつぶされるような気持ち悪さが身体中を駆け巡った。だめだ、と思って、両手で口元を押さえる。

「……ぐっ、う゛げぇっ……!」

それはなんの意味も成さなかった。食事の残渣が残る胃液が、ベッドの上にぽたぽたと垂れ落ちる。自身の名前を呼ばれたような気がしたけれど、それどころじゃなかった。

「あ……」

 身体を満たしていた、圧迫感がなくなっていく。繋がりは解かれていた。ヴァートの方に視線を向ける。ヴァートが、ひどく動揺した表情をしていた。瞬間、夜空の血の気が引いていく。途中で、やめてはいけない。ヴァートは、魔力を得ることが出来ない。続けて貰わないと、いけない。

「すみ、ませ、その、俺……、できます、ので……、つづけて、ちがう、ちがうんです……、あの、そうじゃなくって、ちがうんです、あの……」

夜空は、動揺、目に涙を浮かべながら、必死に言葉を紡いでいた。ヴァートは首を横に振る。俯いていて、髪の毛に隠れて目元が見えず、表情を伺うことが出来ない。「もう、やめよう」という声が聞こえてしまった。明らかな失敗だった。

「その、俺、まだ、出来ますから……。その、ヴァートさんが、言ってた、別の方法でも……」

 夜伽以外にも、方法はある、って言っていた。縋るようにして、子どものように、口にする。

「それらは、さらに痛みを伴う。きっと、また同じ結果になるだろう」
「……俺は、どうなっても、いいですから……!」
「………………」

 ヴァートは、首を横に振るだけ。この瞬間、夜空がここにいる意味はなくなってしまった。「贄として、代わりのきかない存在」でも、なんでもなく、ただの、「魔法も何も使えない、魔法界に呼び出された人間」になってしまった。

 ヴァートと自身を繋ぎ止めるものは、何も、なくなってしまった。

「っ……お゛ぇえっ……!」

 そう考えたら、気持ち悪さがぶり返して、再びその場に胃の中身をばしゃばしゃと吐き出す。
 そっと、彼が夜空に近づいた。恐る恐る、という雰囲気で、ヴァートが背中をさすり始める。手は、ひどく震えていた。視界の端に見えるヴァートの表情は、どうすればいいか分からない、と言わんばかりの表情をしていた。

 吐き終わって、ぼんやりとした意識で、ヴァートの方を眺める。シーツを握りしめながら、生理的な涙でいっぱいの目で、ヴァートの方に視線を向ける。ぐちゃぐちゃの頭で、必死に、なんとか出来る方法を考える。愛されなくてもいい。代わりのきかない存在にして欲しい。

「……お願いです。殺して、ください」

 夜空は、子どもがわがままを言うかのように、口にする。
 自棄になっていたのかもしれない。出てきた言葉はそんな言葉だった。唯一無二になれないなら。役目を、果たせないなら、殺して欲しい。ヴァートの魔力のために、殺して欲しい。もう、俺の、いる意味なんてない。そんな想いが何重にも重なって、出てきてしまった。

 涙で歪んだ視界の中、ヴァートがひどく動揺した表情を浮かべている。

「……君は、何を言っているんだ……?」

 どうして、ヴァートがそのような言葉を吐くのだろうか。こちらの世界に呼び出したのは、自身を殺して、魔力を得るためだというのに。それが、ほんの少し、早まっただけだ、というのに。

「ヴァートさんが、魔法、使うために、殺して、ください……」
「え……?」
「30日前でも、すぐに殺せる。魔法薬の材料になる、って言ってましたよね。だから、俺のこと、殺して、ください……」

 失敗しても、魔法薬の材料になる、って言っていたのが、夜空の頭の中に浮かんでいた。人間だから、30日が経ってないから、まだ、魔力の器としても使えるのかもしれない。だから、そうすれば、まだ、この人の役に立てるかもしれない。

「……今、殺したって、得られる魔力は、大したものではない」

 生理的に浮かんだ涙が、感情を伴ってぼろぼろと零れていく。視界がぐちゃぐちゃになっていく。

「お願いです。なんでもいいから、あなたの、代わりのきかない存在に、してください……。俺が、ここに来た、意味をください……」
 
 すがりつくように、駄々をこねるようにぼろぼろと泣き始めた。こんな泣き方、今までしたことがない。初めてだった。
 夜空は、後のことはきちんと覚えていなかった。子どもみたいにみっともなく泣いて、随分と取り乱した記憶しかない。記憶が、ほとんど残っていなかった。震える、迷うような手つきで、背中を撫でられていたことだけは、覚えていた。
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