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第3章:それからの日々
第23話 それからの日々 その1
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ぼんやりと天井を見つめている。いつの間にか寝落ちて、随分と長い夢を見ていた。ヨリも俺も高校生だった時の、あの日々の夢だった。
身体を起こす。目の前に広がっていたのはリビング。ヨリがやってきた時から寝場所になってる場所。身体を起こす。随分と明るい。
ガチャ、と音を立ててヨリがリビングの扉を開ける。蛍光色の派手な柄が描かれたチャック付きのパーカーを着ている。その下には首元まで覆う白いヒートテック。ヨリが早起きなんて珍しいな。ぼんやりと思っていた。
「りせ、おはよう。大丈夫?」
大丈夫?と言いながらなんだか不思議そうな顔をしている。高校時代の夢を見たから、なんだか少しだけ大人っぽく感じた。まだ、夢から覚めていないような感覚が残っているのかもしれない。
「おはよう……? 何がだ?」
「もうお昼過ぎてるよ?」
「えっ…!?」
お昼過ぎてる、という言葉で慌ててスマートフォンを見る。もう一時近く。心臓がばくばくと激しく鳴った。けれども今日は休み。遅刻、にはならないから安心した。
「りせ、大丈夫? 具合悪くない?」
ヨリは俺の方を覗き込む。こんなに遅く起きたのは随分と久しぶりだった。昨日の疲れとかもあったのかもしれない。大丈夫、と答えるとヨリは安心した雰囲気を出す。
「僕も一時間くらい前に起きたから。今日は寝坊仲間だね」
「そう、だな……」
ヨリは本当にいつも通り。ヨリがいて安心した。あの時は俺から離れたというのに。こうして一緒にいられることに安心してしまう。そして、この時間が続いてほしい、とも。
「……なあ、ヨリ」
「何?」
「俺との生活、どうだ……?」
「楽しいよ?」
「……離れる、とかないか?」
「うーん、昨日みたいなこととか、家に帰ったりはするけど、ずっとりせの傍にいるよ」
「そう、か……」
「もしかして、僕のこと、好きになった?」
「……内緒」
「そっか」
内緒。でも、俺の答えはきっとヨリと同じ。
「昼は? 食べたか?」
「これから」
「じゃあ、作るか」
「ほんと。ありがとう」
昼なんだか朝なんだか分からないご飯を作る。チャーハンと昨日の残りのスープ。そして俺とヨリは二人で食事をとる。
「ヨリ、今日の予定は?」
「仕事」
外に出るわけじゃなくて少し安心した。また昨日みたいなことにならないはずだから。
「あと、明日ちょっと予定があって外に出る」
「どこに行くんだ?」
「手伝い」
「……そっか」
行かないで、とも言えない。でも、ほんの少しの不安があった。
身体を起こす。目の前に広がっていたのはリビング。ヨリがやってきた時から寝場所になってる場所。身体を起こす。随分と明るい。
ガチャ、と音を立ててヨリがリビングの扉を開ける。蛍光色の派手な柄が描かれたチャック付きのパーカーを着ている。その下には首元まで覆う白いヒートテック。ヨリが早起きなんて珍しいな。ぼんやりと思っていた。
「りせ、おはよう。大丈夫?」
大丈夫?と言いながらなんだか不思議そうな顔をしている。高校時代の夢を見たから、なんだか少しだけ大人っぽく感じた。まだ、夢から覚めていないような感覚が残っているのかもしれない。
「おはよう……? 何がだ?」
「もうお昼過ぎてるよ?」
「えっ…!?」
お昼過ぎてる、という言葉で慌ててスマートフォンを見る。もう一時近く。心臓がばくばくと激しく鳴った。けれども今日は休み。遅刻、にはならないから安心した。
「りせ、大丈夫? 具合悪くない?」
ヨリは俺の方を覗き込む。こんなに遅く起きたのは随分と久しぶりだった。昨日の疲れとかもあったのかもしれない。大丈夫、と答えるとヨリは安心した雰囲気を出す。
「僕も一時間くらい前に起きたから。今日は寝坊仲間だね」
「そう、だな……」
ヨリは本当にいつも通り。ヨリがいて安心した。あの時は俺から離れたというのに。こうして一緒にいられることに安心してしまう。そして、この時間が続いてほしい、とも。
「……なあ、ヨリ」
「何?」
「俺との生活、どうだ……?」
「楽しいよ?」
「……離れる、とかないか?」
「うーん、昨日みたいなこととか、家に帰ったりはするけど、ずっとりせの傍にいるよ」
「そう、か……」
「もしかして、僕のこと、好きになった?」
「……内緒」
「そっか」
内緒。でも、俺の答えはきっとヨリと同じ。
「昼は? 食べたか?」
「これから」
「じゃあ、作るか」
「ほんと。ありがとう」
昼なんだか朝なんだか分からないご飯を作る。チャーハンと昨日の残りのスープ。そして俺とヨリは二人で食事をとる。
「ヨリ、今日の予定は?」
「仕事」
外に出るわけじゃなくて少し安心した。また昨日みたいなことにならないはずだから。
「あと、明日ちょっと予定があって外に出る」
「どこに行くんだ?」
「手伝い」
「……そっか」
行かないで、とも言えない。でも、ほんの少しの不安があった。
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