9 / 10
植物採集、アンデッドとの戦闘①
しおりを挟む
さて、そんな休日を終えた――というか徹夜で終えた俺たちは、ふらふらのまま学園に向かい初の授業を受けることになった。
内容としては植物採集。いわゆる野外活動だ。
野原の最奥、森の方での実習と言うこともあり、生徒たちは万全の注意を払って挑むことになる。
「ここが燭煙の森か」
蝋燭から発せられる煙のような霧が常に渦巻いている。
「そうです! いやー、レイスくんと二人だけで森の中……燃えますね!」
興奮気味のアンナを無視し、俺は森の中を突き進む。
全く、野外活動の上にグループ活動だったとは。あまつさえアンナとペアとなるとかなり疲れてしまいそうだ。
野草を見つけたので俺はしゃがみこみ、メモ帳に特徴とイラスト、水に濡らした際の反応を書き込む。
ふむ。あまり興味のない分野ではあったがやってみると意外と面白いものだな。
俺は興味深げに頷いていると、アンナが駆け寄ってきた。
「ねぇ……ヤバめの洞穴見つけたんだけど……。よかったら入ってみませんか?」
「おいおい、本気かよ」
絶対に嫌だ。どうせ俺の不幸体質のことだから、入ってみるととんでもないモンスターが潜んでいたりするんだろ?
……でもまあ、興味はあるな。
こう毎日戦い続きだと、逆に戦闘にならない日が暇で暇で仕方がなくなる。
「……よし。分かった、行ってみよう」
「わーい! 楽しみです!」
ルンルンと鼻歌を歌っているアンナの後ろを着いていく。昔から危険なことが好きだったアンナだが、まさかここまでだったとは。
よく今まで生きてこられたなとつくづく思う。
しばらく進んでいると、洞穴が見えてきた。地面に向かって真っ直ぐに伸びているようだ。
「うっわ。明らかに人工物じゃん」
もう既に嫌な気配がしている。
こりゃアンデッド系のボスと戦うことになりそうだな。
まあ、問題は無いが。
「よっし! さぁ、先入ってください!」
物凄い笑顔でアンナが俺の背中を押してきた。
コイツ……あとで覚悟しておけよ。
思いながら、俺は真っ暗闇の洞穴へと闊歩していく。
「〈ライト〉」
指先に魔力を集中させ、光の玉を発生させる。
「ええ! 召喚師なのに召喚魔法以外も使えるんですか!?」
「まあ、一応はな」
言いながら、彼女は俺の手を握ってきた。
ほんのり暖かく、少しだけドキッとする。
内容としては植物採集。いわゆる野外活動だ。
野原の最奥、森の方での実習と言うこともあり、生徒たちは万全の注意を払って挑むことになる。
「ここが燭煙の森か」
蝋燭から発せられる煙のような霧が常に渦巻いている。
「そうです! いやー、レイスくんと二人だけで森の中……燃えますね!」
興奮気味のアンナを無視し、俺は森の中を突き進む。
全く、野外活動の上にグループ活動だったとは。あまつさえアンナとペアとなるとかなり疲れてしまいそうだ。
野草を見つけたので俺はしゃがみこみ、メモ帳に特徴とイラスト、水に濡らした際の反応を書き込む。
ふむ。あまり興味のない分野ではあったがやってみると意外と面白いものだな。
俺は興味深げに頷いていると、アンナが駆け寄ってきた。
「ねぇ……ヤバめの洞穴見つけたんだけど……。よかったら入ってみませんか?」
「おいおい、本気かよ」
絶対に嫌だ。どうせ俺の不幸体質のことだから、入ってみるととんでもないモンスターが潜んでいたりするんだろ?
……でもまあ、興味はあるな。
こう毎日戦い続きだと、逆に戦闘にならない日が暇で暇で仕方がなくなる。
「……よし。分かった、行ってみよう」
「わーい! 楽しみです!」
ルンルンと鼻歌を歌っているアンナの後ろを着いていく。昔から危険なことが好きだったアンナだが、まさかここまでだったとは。
よく今まで生きてこられたなとつくづく思う。
しばらく進んでいると、洞穴が見えてきた。地面に向かって真っ直ぐに伸びているようだ。
「うっわ。明らかに人工物じゃん」
もう既に嫌な気配がしている。
こりゃアンデッド系のボスと戦うことになりそうだな。
まあ、問題は無いが。
「よっし! さぁ、先入ってください!」
物凄い笑顔でアンナが俺の背中を押してきた。
コイツ……あとで覚悟しておけよ。
思いながら、俺は真っ暗闇の洞穴へと闊歩していく。
「〈ライト〉」
指先に魔力を集中させ、光の玉を発生させる。
「ええ! 召喚師なのに召喚魔法以外も使えるんですか!?」
「まあ、一応はな」
言いながら、彼女は俺の手を握ってきた。
ほんのり暖かく、少しだけドキッとする。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。

婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました
Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、
あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。
ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。
けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。
『我慢するしかない』
『彼女といると疲れる』
私はルパート様に嫌われていたの?
本当は厭わしく思っていたの?
だから私は決めました。
あなたを忘れようと…
※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。

死の執行人〜無力な少年、最強の死の能力を手に入れ死神界で無双する〜
ともも
ファンタジー
舞台は日本。
だが、この世界には死にまつわる異能が存在する。
本来なら入る事もなかった死の世界に、
主人公死崎伯人は最強の異能を持って迷い込んでいく。
死は人に何をもたらすのか......。
死はきっといつもすぐそばにいる。
死×異能の新感覚ファンタジー!!!

側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
愚者による愚行と愚策の結果……《完結》
アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。
それが転落の始まり……ではなかった。
本当の愚者は誰だったのか。
誰を相手にしていたのか。
後悔は……してもし足りない。
全13話
☆他社でも公開します

(完)聖女様は頑張らない
青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。
それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。
私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!!
もう全力でこの国の為になんか働くもんか!
異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる