召喚師学園の落ちこぼれ、追放されたので隠していた力を解放して更に上の学園で無双する。今更戻れだって?ふざけるな。俺はここで最強に君臨するんだ

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ガイルとの戦い、完全勝利

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 一日、俺は彼女の部屋でどぎまぎしつつも次の日を迎えることができた。
 寝る前、彼女と同じベッドで寝ようとなった時は本気で死ぬかもしれないと思ったが意外にもぐっすり眠ることができた。

 やはり俺は無神経なのかもしれない。
 悲しいなぁ。

 アンナが着替えると言うので、俺はトイレの個室に入り待機している。
 ガサガサと服の擦れる音が外から聞こえてきた。

「…………」

 一体彼女は俺にどういう気持ちで待機させているのだろうか。

「出てきていいよー」
「ほいよ」

 やっとか。女の子の着替えは本当に長いのな。もうくたくただ。

 出ると、そこにはなんとも可愛らしい美少女がいた。
 まあ昨日会った時の服装なのだけれど、こう改めて見ると美しいものだった。

「さて、学園に向かいましょうか!」

 ◆

 で、俺は彼女に促されるまま学校に来たわけだが……早速俺は絡まれていた。

「おいこらぁ! アレンを打ち破ったからって調子こいてんじゃねえぞ? 朝から我らのアンナ様と登校だぁ良いご身分じゃあないか?」

 眉毛がひたすらに濃く、頭はツルピカ。キャラの濃い人物を挙げよと言われれば真っ先に上がりそうな奴ナンバーワンのような者が教室の入り口前に立ちはだかっている。

 早速絡まれるなんて……本当にここは貴族様の学園なのか? 前回の学園ではそんなことなかったぞ。
 貴族らしく陰湿な奴らのたまり場だったんだけどな。

「やめてくれ。俺は朝から戦いたくはないんだ」
「あんだとこら!?」

 やってしまった。こうなると短気な奴は面倒くさくなる。
 彼は名前を名乗ることなく、俺の肩を掴み、外へと連れて行く。

「え、ちょっと!」
「ごめん。先行ってて」

 俺は引きずられながら、アンナに手を振った。



 まさかこんな短期間の間に二度もコロシアムに訪れることになるとは。
 当たり前なのだけれど、そこにはアレンの姿はない。

 ってか初日から遅刻確定かよ。
 最悪じゃん。

「おいお前、俺のダチをぶっ倒した仇、今取ってやるからな! 〈召喚〉!」

 言うと、地面に魔法陣が浮かび上がってくる。
 赤色だ。多分彼は炎系の召喚獣を操るのだろう。

 だが関係のないこと。俺はオールラウンダーだ。どんな魔獣だって召喚することができる。

 の前にだ。

 〈鑑定〉

 ―――――――――――――
 氏名 ガイル・リダスタント
 種族 人間
 ◆
 物攻 1253
 物防 987
 魔攻 2341
 魔防 2142
 速度 534
 運  34
 ―――――――――――――

 うへぇ。やっぱこの学園のレベルは高いな。
 と言うかガイル、だっけか。コイツの物攻やけに高いな。

 召喚師にしては異端だな。

「ふぅ。〈召喚〉」

 俺は嘆息しながら地面に手を添える。
 相手が炎ならこっちは水だ。

「ウンディーネ。来い」

 水色の魔法陣が俺の正面に浮かび上がる。
 轟音と水しぶきと共に次第に人体が形成されていく。

 足、胸、腕、頭。形成されていき、ついに姿を現す。

 水色の髪に泡沫のように儚く澄んだ瞳。麗らかな服装に身を包んだ女の子が現れた。

『あらレイスくんっ! 今日は何のごよう?』
「奴をこてんぱんにしてくれ。殺すなよ」
『了解!』

 俺に抱きついたままでいるウンディーネを引き剥がし、ガイルの方へ向かわせる。

 ガイルはどうやらファイアドレイクを召喚したらしい。
 筋骨隆々とした、彼らしい召喚獣だった。

「おい! ウンディーネって卑怯だぞ!」
「勝てばいいんだよ。勝てば」

 そう。勝てばいい。勝負は結局のところ勝ち負けを決める戦いである。
 負けてはならない。俺はこの学園で最強に君臨するのだから。

「ウンディーネ。やれ」

 言うと、ウンディーネはにこっと微笑み、ファイアドレイクに掴みかかる。
 同時にガイルが俺に向かって突進を決めてきた。

 そうか。そう言えば召喚師同士の戦いは召喚獣が戦っている間に本人も戦わなければならないのであったな。

 俺は彼の突進をかわし、足を引っ掛ける。

「ふぐっ!」

 ガイルは地面に転がり込み、しかしすぐに立ち上がって俺に向かってパンチを打ち込んできた。

 ふむ。その程度か。

 パンチを受け流し、俺はみぞおちを狙って拳を打ち込む。

「あがっ……」

 言いながら、彼は地面に倒れ込んだ。
 俺は倒れ込むガイルを支え、ウンディーネに指示を送る。

「アクアブラストだ」
『あーい!』

 ウンディーネは手のひらから水の塊を放出し、ファイアドレイクを溺れさせた。
 しかし殺しはしない。ギリギリところでやめさせ、彼女をあるべき場所に還す。

「多分、時間はまだ大丈夫だな」

 言いながら、俺はガイルを抱えて教室へと向かう。
 まったく朝から疲れてしまった。
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