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58. 私はとても幸せです
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それからしばらくして……私たちは、念願の結婚式を挙げた。
ヘンリーお兄様をはじめ、王宮からは師匠と先輩薬師たちも参列してくださった。オストワル辺境伯やセドリック様、ソフィアさんまで……
大好きな人たちに囲まれ、こうやってジョーと新たな一歩を踏み出せるのがとても嬉しかった。
式を挙げた大聖堂の前にはオストワル辺境伯領の人々が集まっていた。そして、式を終えて扉が開かれた瞬間、大歓声に包まれる。人々はジョーと私の名を叫び、涙を流して喜んでくれた。
私はこうも素敵な人たちに囲まれて、世界一の幸せ者だ。
人々の視線が集まるなか、ジョーはぎゅっと私を抱きしめ頬を擦り寄せる。
「ジョー!みんな見ているのに!」
真っ赤になって慌てる私に、ジョーはいつものようにさらっと告げる。
「アンは俺のものだって、見せつけてやる」
もう……その独占欲には驚くが、ジョーにこんなにも愛されてとても幸せだ。ジョーが私を恥ずかしげもなく愛してくれるから、私もジョーにたくさん愛を返したい。
ジョーの頬にちゅっとキスすると、ジョーは動揺して頬を染める。その狼狽える姿さえ愛しくかっこいい。普段はあんなにぐいぐい来るのに、私が反撃すると照れてしまうのだから!
ジョーと見つめ合ってふふっと笑った。白いタキシードにブロンドヘアを靡かせるジョーは、この世の者とは思えないほど美しいが……そんなジョーが全身で愛してくれるのだ、私も胸を張って生きなきゃいけない。
式を終え、何時間にも及ぶ壮大な宴を終え……ようやく騎士団長邸に戻る私たち。
近くにあるオストワル辺境伯邸からはまだ人々が騒ぎ楽しむ声が漏れている。きっと今日は、夜通し宴が行われるのだろう。その宴にずっと残ることも出来たのだが……
「アン……」
ジョーは私の手をそっと握り、身を寄せながら階段を上がる。そんな甘い声で呼ばれると、まだ階段にいるというのに胸が熱く熱を持つ。
「やっとアンが俺のものになる。すごく嬉しい」
そのストレートな言葉に、恥ずかしくも嬉しくなる。
「何言ってるの。私はずっとジョーのものだよ」
そう答えるのが精一杯で、胸がドキドキとうるさい。こんな私に軽くキスをして、ジョーは寝室の扉を開けた。
「俺の全ても、アンのものだ」
ジョーは甘く囁き、再び唇を重ねた。
次第に激しくなるキスで、私の体は熱を持つ。ジョーは私をそっとベッドに押し倒し、手を絡めて覆い被さる。
綺麗なジョーの顔と、その輝く髪と、タイを取って開け放たれた胸元と……その全てが神々しくてくらくらする。
真っ赤な顔の私に、ジョーはそっと優しく触れる。そして、耳元で甘く囁く。
「愛してる」
私もジョーにぎゅっとしがみつき、耳元で告げた。
「愛してるよ」
その瞬間、ジョーはまた頬を染め、幸せそうに私に抱きつく。その強靭な体を、私も離さないと言わんばかりに抱きしめていた……
国中から恐れられ、その名を知らない人はいないような凄腕の騎士と、私は結婚した。
だけど彼は、実は優しくて繊細で、弱いところだってある普通の男性だった。
こんなジョーに愛されて、私はすごくすごく幸せだ。ジョーとなら、ずっと笑って暮らしていけるだろう。
オストワル辺境伯領。
そこは最強の騎士と、万能な薬師が人々を守る土地となった。
いつの日も、オストワル辺境伯領には陽気な人々の笑い声が響いていた。
遠くから最強の騎士に弟子入りする者も訪れ、薬師の治療を受けに来る人だっている。
オストワル辺境伯領に来た者は皆、新たな希望を見つけ生きるのだ。
その領地はいつしか『平和の地』と呼ばれるようになり、過去の荒れた印象は消えてしまった。
騎士と薬師も愛し愛され、末永く幸せに暮らしたようだ。
ヘンリーお兄様をはじめ、王宮からは師匠と先輩薬師たちも参列してくださった。オストワル辺境伯やセドリック様、ソフィアさんまで……
大好きな人たちに囲まれ、こうやってジョーと新たな一歩を踏み出せるのがとても嬉しかった。
式を挙げた大聖堂の前にはオストワル辺境伯領の人々が集まっていた。そして、式を終えて扉が開かれた瞬間、大歓声に包まれる。人々はジョーと私の名を叫び、涙を流して喜んでくれた。
私はこうも素敵な人たちに囲まれて、世界一の幸せ者だ。
人々の視線が集まるなか、ジョーはぎゅっと私を抱きしめ頬を擦り寄せる。
「ジョー!みんな見ているのに!」
真っ赤になって慌てる私に、ジョーはいつものようにさらっと告げる。
「アンは俺のものだって、見せつけてやる」
もう……その独占欲には驚くが、ジョーにこんなにも愛されてとても幸せだ。ジョーが私を恥ずかしげもなく愛してくれるから、私もジョーにたくさん愛を返したい。
ジョーの頬にちゅっとキスすると、ジョーは動揺して頬を染める。その狼狽える姿さえ愛しくかっこいい。普段はあんなにぐいぐい来るのに、私が反撃すると照れてしまうのだから!
ジョーと見つめ合ってふふっと笑った。白いタキシードにブロンドヘアを靡かせるジョーは、この世の者とは思えないほど美しいが……そんなジョーが全身で愛してくれるのだ、私も胸を張って生きなきゃいけない。
式を終え、何時間にも及ぶ壮大な宴を終え……ようやく騎士団長邸に戻る私たち。
近くにあるオストワル辺境伯邸からはまだ人々が騒ぎ楽しむ声が漏れている。きっと今日は、夜通し宴が行われるのだろう。その宴にずっと残ることも出来たのだが……
「アン……」
ジョーは私の手をそっと握り、身を寄せながら階段を上がる。そんな甘い声で呼ばれると、まだ階段にいるというのに胸が熱く熱を持つ。
「やっとアンが俺のものになる。すごく嬉しい」
そのストレートな言葉に、恥ずかしくも嬉しくなる。
「何言ってるの。私はずっとジョーのものだよ」
そう答えるのが精一杯で、胸がドキドキとうるさい。こんな私に軽くキスをして、ジョーは寝室の扉を開けた。
「俺の全ても、アンのものだ」
ジョーは甘く囁き、再び唇を重ねた。
次第に激しくなるキスで、私の体は熱を持つ。ジョーは私をそっとベッドに押し倒し、手を絡めて覆い被さる。
綺麗なジョーの顔と、その輝く髪と、タイを取って開け放たれた胸元と……その全てが神々しくてくらくらする。
真っ赤な顔の私に、ジョーはそっと優しく触れる。そして、耳元で甘く囁く。
「愛してる」
私もジョーにぎゅっとしがみつき、耳元で告げた。
「愛してるよ」
その瞬間、ジョーはまた頬を染め、幸せそうに私に抱きつく。その強靭な体を、私も離さないと言わんばかりに抱きしめていた……
国中から恐れられ、その名を知らない人はいないような凄腕の騎士と、私は結婚した。
だけど彼は、実は優しくて繊細で、弱いところだってある普通の男性だった。
こんなジョーに愛されて、私はすごくすごく幸せだ。ジョーとなら、ずっと笑って暮らしていけるだろう。
オストワル辺境伯領。
そこは最強の騎士と、万能な薬師が人々を守る土地となった。
いつの日も、オストワル辺境伯領には陽気な人々の笑い声が響いていた。
遠くから最強の騎士に弟子入りする者も訪れ、薬師の治療を受けに来る人だっている。
オストワル辺境伯領に来た者は皆、新たな希望を見つけ生きるのだ。
その領地はいつしか『平和の地』と呼ばれるようになり、過去の荒れた印象は消えてしまった。
騎士と薬師も愛し愛され、末永く幸せに暮らしたようだ。
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