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47. お兄様が帰っていきました
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数日後。
すっかり元気になったヘンリーお兄様は、同じように回復したポーレット領騎士の皆と、ポーレット領に帰ることになった。
出発前、お兄様と最後の抱擁をする。お兄様は優しくて温かいが、ジョーがいいと改めて思った。
「アン。元気でね。何かあったらすぐに知らせてね」
お兄様は笑顔で、だけど心配そうに私に言う。そんなお兄様に、大きく頷いていた。
そして、お兄様は私の隣にいるジョーに向き直る。
「ジョー。僕の妹を、よろしくお願いします。
また、結婚式の日にちとかが決まったら教えてね」
「もちろんだ、ヘンリー。
その前に、アンとポーレット侯爵領にも正式に報告に伺うつもりだ。
オストワルは、ポーレットとともにある」
お兄様とジョーは、固く手を握った。お兄様もジョーも、これからも仲良く元気でいて欲しい。
「ヘンリー、時間だよー!」
セドリック様が笑顔で告げ、お兄様の肩をぽんぽんと叩く。
「ありがとう、セドリック。
アンの様子を見に、また来るよ」
お兄様の過保護にはほどがある。だが、いつでも会いに来て欲しい。私だけでなく、ジョーやセドリック様だってお兄様を歓迎しているから。
私は、ジョーの隣で去っていくポーレット領御一行に頭を下げた。お兄様と離れて少し寂しかったが、こうやってジョーの隣にいられて幸せだ。
ジョーを見上げると、ジョーは嬉しそうに私を見下ろしてくれる。この笑顔が大好きだ。
「アン。オストワル辺境伯領に残ってくれて、ありがとう。
これからも、よろしくね」
セドリック様がにこにこと私に言う。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
私は、深々と頭を下げていた。
セドリック様にはお世話になりっぱなしだ。見ず知らずの私を迎えてくださって、家や職場まで用意してくれた。お兄様も温かく迎えてくれた。私は、セドリック様にも恩返しをしなければいけない。
「そうそう。結婚式の日取りも決めなきゃだけど、アンはジョーの婚約者なんだし、騎士団長邸に引っ越したら?あの別荘では窮屈でしょー?
それとも、ジョーはグランヴォル家に帰るのかな?」
思わぬ言葉にぽかーんとする私だが、ジョーはセドリック様に告げる。
「俺は次男だから、グランヴォル伯爵領の領主になるつもりはない。
アン、騎士団長家に引っ越そう」
ちょっと待って!いきなりの共同生活!?私、まだ心の準備が出来ていないのだけど……
真っ赤な顔の私だが、ジョーは至って普通だ。そのまま真顔で告げた。
「俺の妻となると、俺のことを憎む奴から狙われるかもしれない。
アンには、すぐに助けられるところにいて欲しい」
「それなら、やっぱり剣の練習をしなきゃね」
ジョーにそう告げていた。
ヘンリーお兄様を憎む人がいたように、ジョーを憎む人だっているだろう。
私は今回の一件で、ジョーにもたくさん心配をかけた。これからは、ジョーと心穏やかに過ごしたい。
すっかり元気になったヘンリーお兄様は、同じように回復したポーレット領騎士の皆と、ポーレット領に帰ることになった。
出発前、お兄様と最後の抱擁をする。お兄様は優しくて温かいが、ジョーがいいと改めて思った。
「アン。元気でね。何かあったらすぐに知らせてね」
お兄様は笑顔で、だけど心配そうに私に言う。そんなお兄様に、大きく頷いていた。
そして、お兄様は私の隣にいるジョーに向き直る。
「ジョー。僕の妹を、よろしくお願いします。
また、結婚式の日にちとかが決まったら教えてね」
「もちろんだ、ヘンリー。
その前に、アンとポーレット侯爵領にも正式に報告に伺うつもりだ。
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「ヘンリー、時間だよー!」
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「ありがとう、セドリック。
アンの様子を見に、また来るよ」
お兄様の過保護にはほどがある。だが、いつでも会いに来て欲しい。私だけでなく、ジョーやセドリック様だってお兄様を歓迎しているから。
私は、ジョーの隣で去っていくポーレット領御一行に頭を下げた。お兄様と離れて少し寂しかったが、こうやってジョーの隣にいられて幸せだ。
ジョーを見上げると、ジョーは嬉しそうに私を見下ろしてくれる。この笑顔が大好きだ。
「アン。オストワル辺境伯領に残ってくれて、ありがとう。
これからも、よろしくね」
セドリック様がにこにこと私に言う。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
私は、深々と頭を下げていた。
セドリック様にはお世話になりっぱなしだ。見ず知らずの私を迎えてくださって、家や職場まで用意してくれた。お兄様も温かく迎えてくれた。私は、セドリック様にも恩返しをしなければいけない。
「そうそう。結婚式の日取りも決めなきゃだけど、アンはジョーの婚約者なんだし、騎士団長邸に引っ越したら?あの別荘では窮屈でしょー?
それとも、ジョーはグランヴォル家に帰るのかな?」
思わぬ言葉にぽかーんとする私だが、ジョーはセドリック様に告げる。
「俺は次男だから、グランヴォル伯爵領の領主になるつもりはない。
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ちょっと待って!いきなりの共同生活!?私、まだ心の準備が出来ていないのだけど……
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「俺の妻となると、俺のことを憎む奴から狙われるかもしれない。
アンには、すぐに助けられるところにいて欲しい」
「それなら、やっぱり剣の練習をしなきゃね」
ジョーにそう告げていた。
ヘンリーお兄様を憎む人がいたように、ジョーを憎む人だっているだろう。
私は今回の一件で、ジョーにもたくさん心配をかけた。これからは、ジョーと心穏やかに過ごしたい。
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