68 / 76
悪魔の君4
しおりを挟む
アンの目が点になっている。
どうするのよ。
これから私、アンに会うの気まずきじゃない。
キャサリンの台詞に言葉を挟む事も出来ずただアンを見つめてしまう。
そんな私を他所にキャサリンが更に話を進める。
「エマは前世でイヴァンルートを発生させる前に亡くなったのですって。だから、今生でその見れなかったスチルを見るって楽しみにしてましたのよ」
……確かにそうなんだけど……
「そして、イヴァンルートのグッドエンドとも言える結婚式のシーンを見て感極まったのですわ。同じ愛バラファンならその気持ち分かるでしょう?」
……確かにそうなんだけどね……
「そこに居合わせたセドリック殿下があり得ない勘違いをして悪魔の君のイベントフラグが立ってしまったのですわ」
えっと……ちょっと無理があるんじゃないかな……その説明……
そう思ってアンを見ると
「そうでしたのね。見れなかったシーンを見れた感動。愛バラのファンである私にも痛い程分かります」
何故か共感したアンがキャサリンの手を握りしめる。
もの凄く意気投合しているけど……良いのだろうか?
そう思って二人の方へと身体を乗り出すとライアン様が手で軽く制する。
そして、人差し指を口許に当てて『シー』とジェスチャーで伝えて来る。
思わず拝みたくなってしまった。
「では、納得いった所で続きを話すよ」
ライアン様の言葉でキャサリンとアンが再び話に入って来る。
つまり、悪魔の君降臨の為にセドリックの次に親密度の高い男性が当て馬的な存在になり、嫉妬したセドリックの心に一瞬現れた闇に乗じて悪魔の君がセドリックに降臨。
深淵の森と呼ばれる所にある館に行き、『愛の思い出』というアイテムを使うと悪魔の君をセドリックの身体から離せるらしいが……
「多分『愛の思い出』はエマが今着けている指輪で良いと思うのよね」
「そうそう、それを使えばセドリック殿下は元通りなんだわ」
キャサリンとアンが「これで解決」と手を取り合っているけれど
……
「ねぇ。そのアイテムを使うって具体的にどうやるのかしら?」
さっきから思っていた事を言ってみると二人の動きが止まった。
「使うって言うんだから多分空に掲げるとか?」
アンが自信無気にそう言うと
「何よ。使うって言うのは投げ付ける事じゃないの?」
とキャサリンが自信有り気にそう言う。
どちらも違う様に思える。
胡乱気に二人を見てしまったのは不可抗力だと思う。
「ゲームではセドリック殿下の前でアイテムを使うって選ぶだけだったんだよね」
キャサリンが「ゲーム使えないな」とボソリと言う。
「アニメでは光輝く発光物をセドリック殿下の方へと掲げると、そのままセドリック殿下を包み込みパァーと光輝き次のシーンでは二人で抱き合っていたわね」
そう言ったアンは「案外アニメはイメージ重視だったのね」と項垂れてしまった。
そんな私達の会話を聞きながらライアン様が一人何か思案していた。
どうするのよ。
これから私、アンに会うの気まずきじゃない。
キャサリンの台詞に言葉を挟む事も出来ずただアンを見つめてしまう。
そんな私を他所にキャサリンが更に話を進める。
「エマは前世でイヴァンルートを発生させる前に亡くなったのですって。だから、今生でその見れなかったスチルを見るって楽しみにしてましたのよ」
……確かにそうなんだけど……
「そして、イヴァンルートのグッドエンドとも言える結婚式のシーンを見て感極まったのですわ。同じ愛バラファンならその気持ち分かるでしょう?」
……確かにそうなんだけどね……
「そこに居合わせたセドリック殿下があり得ない勘違いをして悪魔の君のイベントフラグが立ってしまったのですわ」
えっと……ちょっと無理があるんじゃないかな……その説明……
そう思ってアンを見ると
「そうでしたのね。見れなかったシーンを見れた感動。愛バラのファンである私にも痛い程分かります」
何故か共感したアンがキャサリンの手を握りしめる。
もの凄く意気投合しているけど……良いのだろうか?
そう思って二人の方へと身体を乗り出すとライアン様が手で軽く制する。
そして、人差し指を口許に当てて『シー』とジェスチャーで伝えて来る。
思わず拝みたくなってしまった。
「では、納得いった所で続きを話すよ」
ライアン様の言葉でキャサリンとアンが再び話に入って来る。
つまり、悪魔の君降臨の為にセドリックの次に親密度の高い男性が当て馬的な存在になり、嫉妬したセドリックの心に一瞬現れた闇に乗じて悪魔の君がセドリックに降臨。
深淵の森と呼ばれる所にある館に行き、『愛の思い出』というアイテムを使うと悪魔の君をセドリックの身体から離せるらしいが……
「多分『愛の思い出』はエマが今着けている指輪で良いと思うのよね」
「そうそう、それを使えばセドリック殿下は元通りなんだわ」
キャサリンとアンが「これで解決」と手を取り合っているけれど
……
「ねぇ。そのアイテムを使うって具体的にどうやるのかしら?」
さっきから思っていた事を言ってみると二人の動きが止まった。
「使うって言うんだから多分空に掲げるとか?」
アンが自信無気にそう言うと
「何よ。使うって言うのは投げ付ける事じゃないの?」
とキャサリンが自信有り気にそう言う。
どちらも違う様に思える。
胡乱気に二人を見てしまったのは不可抗力だと思う。
「ゲームではセドリック殿下の前でアイテムを使うって選ぶだけだったんだよね」
キャサリンが「ゲーム使えないな」とボソリと言う。
「アニメでは光輝く発光物をセドリック殿下の方へと掲げると、そのままセドリック殿下を包み込みパァーと光輝き次のシーンでは二人で抱き合っていたわね」
そう言ったアンは「案外アニメはイメージ重視だったのね」と項垂れてしまった。
そんな私達の会話を聞きながらライアン様が一人何か思案していた。
0
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる