愛バラ

麻生空

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アンとイヴァンの結婚3

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くつろげられたスラックスからおもむろに取り出された雄。

凶悪にそそり立つ存在にゴクリと唾を飲み込む。

思わずジッと見てしまったのは不可抗力だと思う。
だって、今まで色々されたけどセドリックの逸物いちもつじかに見るのなんて初めての事。

何と無く夢で見た様な気がするけど、現実のそれは物凄い存在感をかもし出していた。

もしかして、とうとうセドリックが言う所の一線を越えるのだろうか?
そんな事を考えていると
「エマ、くわえて」
あまりにも優しく言われて頭が一瞬理解しなかった。
そろりとセドリックを見ると目の前にはその息子がギンギンに主張している。

これを咥える?
……つまり、フェラチオをしろと?

そっと右手を鞘に添えると先端から透明な液体が流れ出していた。
俗に言う我慢汁というやつかしら?
そんな事を考えながらそれを舐める様に口を近付けた。

先端に唇をつけるとセドリックの息子がピクンと反応する。

案外面白いかも。

そんな事を考えながら亀頭部分を口に含む。

何とも形容し難い味が口内に充満する。
けど、何故か嫌だとは思わない。
それどころか何故かこの味を知っていると本能的に思ってしまった。
これを飲み込めば凄く力がみなぎる。
そんな感覚が頭を支配する。

亀頭の括れを念入りに攻めればセドリックが甘い声を漏らす。
「ぁぁっぁ、エマ……いい……凄く……いい」
艶かしい声に何故か私も興奮してしまい、更に舌を使い念入りに裏筋を舐め上げる。

一層太さを増す逸物を口に含み吸い付き上下に抽送する。

ふとセドリックの手が私の頭を撫でる。
「凄い……興奮し過ぎて……直ぐにも果てそうだ……」
上目遣いにセドリックを見やると欲情しきった瞳とかち合う。

多分私は今の自身の格好なんて気にも止めていなかった。

全裸で立ち膝のまま、セドリックの息子を咥えていた私を上から見下ろしたセドリックがこの上なく興奮していたのを。

一瞬口がお留守になった瞬間セドリックの両の手が頭を押さえて抽送し始める。

先程より質量を持ったそれは私の口ギリギリまで膨張していて思わずえづきそうになった。
生理的な涙が出るもセドリックの物を傷付けない様にと歯を立てないようにするので精一杯で私はされるがままにセドリックの物を受け入れていた。
ーーー口で。

「ハッ……ハッ……エマ、エマ、エーマッ」
セドリックは顔を悲痛に歪ませ更に腰を振る。
一段と抽送が激しさを増しセドリックの先端が私の喉を刺激する。
「ハッハッ……エ……マ……。い……良い……く……」
一瞬セドリックの腰が大きく振られると動きが止まった。
止まった思うとそれは一層太さを増し私の口の中に白濁を吐き出す。

ゴクゴクと飲むも収まりきらなかった白濁が接合部から漏れ出す。

凄い半端ない魔力が込められた液体にうっとりしてしまう。

数回にわたって絞り出す様に白濁を吐き出したセドリックは大きさを失った自身を引き抜くと
「ごめんエマ。最後は無理矢理だったね」
そう言うと私の涙をすくう様に目元へとチュッとキスを落とした。


「愛しているよ。エマ」

そう言うとセドリックは再び私の頭を撫でる。
名残惜しそうに手を離すと身支度を整え、私にも浄化の魔法で身体を綺麗にしてくれる。

「服は」

そう言いながらセドリックが長椅子の下に落ちているドレスに目をやる。
そうですよね。
セドリックはスラックスを寛げただけでしたが、私は真っ裸。
こんな状況に慣れるのもなんだが、最近の定番になっている。
「丁度良いのでこのまま着替えます。バスローブをいただいても?」
私はそう言うとセドリックは備え付けのクローゼットからバスローブを取り出し私にそっと掛けてくれる。
「ありがとうございます」
そう言ってバスローブを羽織るとセドリックが私を抱き寄せた。
「本当はこのままイヴァン達と一緒に結婚式を挙げたい気分だ」
髪にかかるセドリックの息がとてもくすぐったい。

「後4ヶ月もすれば私はセディの物ですわよ」
離れる事なくそう言えばセドリックは私の髪にキスを落とす。
「耐えられるかな……」
憂い気なセドリックの呟きに私ははにかんで見せた。
「私は大丈夫ですから」
そう言いセドリックを見る。
「私が大丈夫じゃない」
と苦笑いして来た。
いつも私を色々な意味でリードしている王太子とは思えない位に可愛い反応にキュンってなってしまう。

『もうなし崩しでこのまま致してしまえば良いのに』位に思ってしまったなんて絶対言えないけど。
「大丈夫です。私は逃げも隠れもしませんから。幸せな花嫁にして下さいね」
あざとくそう言うとセドリックが唇を重ねて来た。

『あぁ。私……セドリックが好きなんだわ』
そう思い目を伏せた。

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