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アンとイヴァンの婚約8
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アンとキャサリンの和解……。
それはある意味成功したのかどうか怪しい……。
何故なら、あのお茶会は途中からキャサリンとライアン様のラブラブショーになってしまっていたからだ。
目の前で繰り広げられるイチャイチャ。
あんなにイチャツイて、本当に現代日本の常識を知っている男性なのだろうか?
疑問である。
指を絡める。
はい。セーフ。
手の甲にキスを落とす。
はい。セーフ。
相手の指を口に含む。
はい。セーフ?
んな訳あるか~!!
アウトでしょう。
ア・ウ・ト
「そういう事は二人だけの時にして下さいよ」
思いっきりテーブルに身を乗り出していた。
「おや?何時もセドリックに君はこれ以上の事をされているでしょう?いや、しているのかな?」
不遜です。
滅茶苦茶不遜な男が居ます。
それに意味不明な事を言っているし……私がセドリックに何をしたというのでしょうか?
「君とセドリックの初めての逢瀬はこんなものじゃなかっただろう?それも野外で」
そんなライアン様の指摘に何故かアンが「おお!!」と言って相槌を打っている。
「あの時イヴァンが止めなかったら完全に食われていたよね」
確かに……あの時は確実にヤられると思ったよ。
思い出すと、あの時のセドリックの温もりが甦りしっとりと内股を濡らす。
でも、おかしい。
そんな事誰も気付いていなかったと思うんだよね。
兄のイヴァンでさえも。
「君が何を考えているか判らないけど、セドリックは君に本気だよ」
「ライアン様に言われるまでもなく判っているわ」
「だっらそんな顔するな。セドリックが不安がる」
苦笑混じりにライアン様はそう言うと、キャサリンとアンも暗い顔になる。
「あいつを闇に落とさないで欲しい」
切なくそう言ったライアン様。
大分意味が判らないし、気のせいか話をすり替えて責任転嫁していませんか?
そう思い至ったのは帰りの馬車の中でだった。
何と無く白けてしまったお茶会は、邪魔者はそうそうにいねとばかりにキャサリンとライアン様を残して馬車で家路についたのだ。
冷静になるとアンも転生者なんだからと隣を見る。
「ねぇアン。さっき別れ際にキャサリンとライアン様から何か言われていたけど」
そう聞くと
「『婚約おめでとう』って言われました」
あからさまな嘘。
そんな短い言葉ではなかったと思う。
何処と無く落ち着かない様子のアンに『これ以上は何を言っても答えないな』と結論をつけて次の質問にした。
「アンは『愛バラ』のアニメを見たのでしょう?どんな内容だったの?」
ちょっと興味もあり何気に聞いてみる。
「あ……。最初はゲームのオープニングと同じでアンがマリク公爵家に侍女として奉公に入る所から始まります。内容はゲームで言うイヴァンルートですね」
思わず苦笑いが出てしまう。
だって私まだイヴァンルートやっていないんだもの……何でゲーム始めたばかりのアンが隠しルートを知っているのか疑問だ。
それに、とても他人事の様に言うアンに疑問がわく。
いつ自分が転生者だと気付いたのか?
「アンは最初から知っていたの?」
突然の問いにアンは正確に応えて来る。
「はい。奉公に入る前に一度マリク公爵家に伺った時に……」
「そうなのね」
だからすんなりイヴァンルートに入ったのか……。
それにしても……
見たかったな~アニメ。
「でも、正直言いますとエマお嬢様がお倒れになった日からストーリーが変わってしまって物凄く戸惑いました。色々な方とのフラグも入り交じってしまうし……セドリック殿下とのストーリーも全てすっ飛ばしていきなりキスですからね……」
困った様にアンが言うが私だって困ってしまったんだから。
でも、それもこれも全て私が不用意にあの言葉を口にしたせいなんだからもう自業自得だよね。
トホホ……
「それについてはご免なさい。私が余計な事をしたから……私のせいだね」
めっちゃ反省。
あんな事をしなければきっと穏便に話が進んだんだろうに……。
「気にしないで下さい」
塞ぎ込む私の手にアンが優しく手を添える。
「ありがとうアン。貴女がアンで良かったわ」
ニコリと微笑めばアンは嬉しそうに笑む。
「所で、何でアンはゲームを始めたばかりなのにそんなに知っているの?」
さっきから腑に落ちない疑問を投げ掛けた。
「あ……ネットの動画で……ゴニョゴニョ」
そっちかーーー!!
それはある意味成功したのかどうか怪しい……。
何故なら、あのお茶会は途中からキャサリンとライアン様のラブラブショーになってしまっていたからだ。
目の前で繰り広げられるイチャイチャ。
あんなにイチャツイて、本当に現代日本の常識を知っている男性なのだろうか?
疑問である。
指を絡める。
はい。セーフ。
手の甲にキスを落とす。
はい。セーフ。
相手の指を口に含む。
はい。セーフ?
んな訳あるか~!!
アウトでしょう。
ア・ウ・ト
「そういう事は二人だけの時にして下さいよ」
思いっきりテーブルに身を乗り出していた。
「おや?何時もセドリックに君はこれ以上の事をされているでしょう?いや、しているのかな?」
不遜です。
滅茶苦茶不遜な男が居ます。
それに意味不明な事を言っているし……私がセドリックに何をしたというのでしょうか?
「君とセドリックの初めての逢瀬はこんなものじゃなかっただろう?それも野外で」
そんなライアン様の指摘に何故かアンが「おお!!」と言って相槌を打っている。
「あの時イヴァンが止めなかったら完全に食われていたよね」
確かに……あの時は確実にヤられると思ったよ。
思い出すと、あの時のセドリックの温もりが甦りしっとりと内股を濡らす。
でも、おかしい。
そんな事誰も気付いていなかったと思うんだよね。
兄のイヴァンでさえも。
「君が何を考えているか判らないけど、セドリックは君に本気だよ」
「ライアン様に言われるまでもなく判っているわ」
「だっらそんな顔するな。セドリックが不安がる」
苦笑混じりにライアン様はそう言うと、キャサリンとアンも暗い顔になる。
「あいつを闇に落とさないで欲しい」
切なくそう言ったライアン様。
大分意味が判らないし、気のせいか話をすり替えて責任転嫁していませんか?
そう思い至ったのは帰りの馬車の中でだった。
何と無く白けてしまったお茶会は、邪魔者はそうそうにいねとばかりにキャサリンとライアン様を残して馬車で家路についたのだ。
冷静になるとアンも転生者なんだからと隣を見る。
「ねぇアン。さっき別れ際にキャサリンとライアン様から何か言われていたけど」
そう聞くと
「『婚約おめでとう』って言われました」
あからさまな嘘。
そんな短い言葉ではなかったと思う。
何処と無く落ち着かない様子のアンに『これ以上は何を言っても答えないな』と結論をつけて次の質問にした。
「アンは『愛バラ』のアニメを見たのでしょう?どんな内容だったの?」
ちょっと興味もあり何気に聞いてみる。
「あ……。最初はゲームのオープニングと同じでアンがマリク公爵家に侍女として奉公に入る所から始まります。内容はゲームで言うイヴァンルートですね」
思わず苦笑いが出てしまう。
だって私まだイヴァンルートやっていないんだもの……何でゲーム始めたばかりのアンが隠しルートを知っているのか疑問だ。
それに、とても他人事の様に言うアンに疑問がわく。
いつ自分が転生者だと気付いたのか?
「アンは最初から知っていたの?」
突然の問いにアンは正確に応えて来る。
「はい。奉公に入る前に一度マリク公爵家に伺った時に……」
「そうなのね」
だからすんなりイヴァンルートに入ったのか……。
それにしても……
見たかったな~アニメ。
「でも、正直言いますとエマお嬢様がお倒れになった日からストーリーが変わってしまって物凄く戸惑いました。色々な方とのフラグも入り交じってしまうし……セドリック殿下とのストーリーも全てすっ飛ばしていきなりキスですからね……」
困った様にアンが言うが私だって困ってしまったんだから。
でも、それもこれも全て私が不用意にあの言葉を口にしたせいなんだからもう自業自得だよね。
トホホ……
「それについてはご免なさい。私が余計な事をしたから……私のせいだね」
めっちゃ反省。
あんな事をしなければきっと穏便に話が進んだんだろうに……。
「気にしないで下さい」
塞ぎ込む私の手にアンが優しく手を添える。
「ありがとうアン。貴女がアンで良かったわ」
ニコリと微笑めばアンは嬉しそうに笑む。
「所で、何でアンはゲームを始めたばかりなのにそんなに知っているの?」
さっきから腑に落ちない疑問を投げ掛けた。
「あ……ネットの動画で……ゴニョゴニョ」
そっちかーーー!!
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