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もう一人の転生者キャサリン視点1
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私は誉れ高き三大公爵家の一つ、ウエンダ家の長女キャサリン・ウエンダ。
幼き頃より将来の王妃としてマナーと教養を学び、そして、自身の美しさにも磨きをかけて来た。
私はこの国で一番美しい令嬢なのですもの。
だから、美女線と噂の高い殿下も私の事を婚約者にしたいと思っているはず。
けど、シャイな殿下はそれを口に出せないのだわ。
だから、そんな殿下の為に私からの切っ掛けをプレゼントするの。
その為に殿下の取り巻きであるお兄様達に殿下を我が家のお茶会にお忍びで来て頂く手筈になっているのだから。
そして、目的のお茶会の当日。
我がウエンダ公爵家で開かれるお茶会を前に、いつもの取り巻き令嬢二人と邸内を散策していた時の事だった。
中庭を抜けて正面の園庭へと出た所でマリク公爵家の馬車が玄関先で止まるのが見えたのは。
あの不出来な兄妹を笑ってあげましょうと、意地悪く二人の取り巻き令嬢を伴い向かう。
決して先日セドリック殿下からの直々のお茶会の招待を断ったと言うアンに対する腹いせではない。
あくまでも、あの三大公爵家の恥さらしの一族を嘲るだけ。
イヴァンの手を取ったアンがバランスを崩し、イヴァンの胸に倒れこんだのは丁度私がそんな事を思いながら声の掛けれる距離まで近付いたその時だった。
『フフフ……みっともないですわね』
そう思い足を早め二人から確認出来る位近くまで行く。
やはり想像通り無様な容姿のマリク公爵家の兄妹がいた。
兄のイヴァンの胸には未だアンがいる。
何て事かしら。
セドリック殿下を袖にしてあの不出来なイヴァンと抱き合っているだなんて……。
私の(まだ決まっていないが)婚約者のセドリック殿下が気にかけている女。
家柄も権力も財力も無いに等しいあの娘。
もう憎くって憎くってどうしようもありませんわ。
いつもの勢いでアンを馬鹿にしようと駆け付け、何時もの如く嫌味を言う。
どんなに言葉を重ねてもこの憤りを鎮める事が出来ず更に不機嫌になる。
そんな時、イヴァンの妹のエマ嬢と一瞬目があったのだ。
そう、エマ嬢が倒れるその一瞬に……。
それがスイッチになったのか。
私の頭に膨大な情報が流れて来る。
「う……そ……で……しょぅ……」
私が『愛バラ』の悪役令嬢だなんて……。
エマ嬢に引き続き私も倒れた事で我が家はお茶会を前に騒然としたそうだ。
そして、その為にアンとセドリックのお約束イベントが未発生になってしまった事に後で気付く事になる。
☆☆☆☆☆☆☆
日の光がカーテンの隙間から射し込む。
喉が乾いたわ。
思考がグルグルする。
ぼんやりと目を開けると、何時もの見慣れた風景が広がり『ほっ』と息をつく。
侍女に水差しを持ってきて貰い、水を一口飲む。
あれは夢だったのかしら?
そう思い更にコップを傾けてゆっくりと水をを飲んでいると、兄達が血相を変えて部屋へとやって来た。
「「キャサリン大丈夫か?」」
いつもの様に過保護と思われる程のスキンシップを経て、私の体調を確認する兄達に
『これってやり過ぎだよね』
と思う。
身体の至るところを確認され「大丈夫か?」とか「どこか痛くないか?」とか「感覚はあるか?」とか言いながら二人の兄達は私を弄る。
それこそ胸や陰部もくまなくである。
指を入れられなかっただけ良かったのだろうか?
『実の妹にやり過ぎだろう』と言いたい。
どうやら私は2日程昏睡状態だったらしい。
「お兄様方。私は大丈夫です。久し振りの我が家がホストのお茶会に緊張して、ここ最近眠れなかったもので疲れが出たのだと思いますわ」
苦笑気味にそう言ってみるとオーウェンが怪訝な顔になる。
「いくら疲れたからと言って2日も昏睡状態になるものか。侍医を呼ぶからおとなしくしてなさい」
長兄の言に私も直上の兄も何も言えず頷くだけだった。
勿論侍医に診て頂いても「心労から来る疲れだったのだろう」との診断で、今は何ともないとの話を聞いて私は兄達から解放された。
私は実に2日程寝込んでいたらしく、侍女に調べさせた所、まだエマは覚醒してないらしい。
まだ手はあるはず。
出だしはファーストシーズンだったが、王子のお約束イベントは発生していないし、イヴァンとアンの包容が幾分長かった様に思われる。
本来ならあの包容は一瞬の事で、イヴァンの胸に飛び込んだアンは直ぐに離れ何となく気まずい空気が流れるはず。
しかし、あの包容は長かった。
何せ嫌味を言っている私達の前でもその包容が続いていたのだから。
「これって、もうアンはイヴァンルートに入っていると言う事なのかしら?」
それに、エマ嬢と目があった瞬間、彼女も転生者だと分かった。
「不味いわ。ファーストシーズンなら兎も角、セカンドシーズンのキャサリンってエマのエンド次第では肉便器有き……挙げ句、近親相姦に孕ませプレイ……」
思わず頭を抱えた所にセドリック殿下が急に見舞いに来た事を侍女が伝えに来た。
や……やだ。
肉便器その1号だわ。
幼き頃より将来の王妃としてマナーと教養を学び、そして、自身の美しさにも磨きをかけて来た。
私はこの国で一番美しい令嬢なのですもの。
だから、美女線と噂の高い殿下も私の事を婚約者にしたいと思っているはず。
けど、シャイな殿下はそれを口に出せないのだわ。
だから、そんな殿下の為に私からの切っ掛けをプレゼントするの。
その為に殿下の取り巻きであるお兄様達に殿下を我が家のお茶会にお忍びで来て頂く手筈になっているのだから。
そして、目的のお茶会の当日。
我がウエンダ公爵家で開かれるお茶会を前に、いつもの取り巻き令嬢二人と邸内を散策していた時の事だった。
中庭を抜けて正面の園庭へと出た所でマリク公爵家の馬車が玄関先で止まるのが見えたのは。
あの不出来な兄妹を笑ってあげましょうと、意地悪く二人の取り巻き令嬢を伴い向かう。
決して先日セドリック殿下からの直々のお茶会の招待を断ったと言うアンに対する腹いせではない。
あくまでも、あの三大公爵家の恥さらしの一族を嘲るだけ。
イヴァンの手を取ったアンがバランスを崩し、イヴァンの胸に倒れこんだのは丁度私がそんな事を思いながら声の掛けれる距離まで近付いたその時だった。
『フフフ……みっともないですわね』
そう思い足を早め二人から確認出来る位近くまで行く。
やはり想像通り無様な容姿のマリク公爵家の兄妹がいた。
兄のイヴァンの胸には未だアンがいる。
何て事かしら。
セドリック殿下を袖にしてあの不出来なイヴァンと抱き合っているだなんて……。
私の(まだ決まっていないが)婚約者のセドリック殿下が気にかけている女。
家柄も権力も財力も無いに等しいあの娘。
もう憎くって憎くってどうしようもありませんわ。
いつもの勢いでアンを馬鹿にしようと駆け付け、何時もの如く嫌味を言う。
どんなに言葉を重ねてもこの憤りを鎮める事が出来ず更に不機嫌になる。
そんな時、イヴァンの妹のエマ嬢と一瞬目があったのだ。
そう、エマ嬢が倒れるその一瞬に……。
それがスイッチになったのか。
私の頭に膨大な情報が流れて来る。
「う……そ……で……しょぅ……」
私が『愛バラ』の悪役令嬢だなんて……。
エマ嬢に引き続き私も倒れた事で我が家はお茶会を前に騒然としたそうだ。
そして、その為にアンとセドリックのお約束イベントが未発生になってしまった事に後で気付く事になる。
☆☆☆☆☆☆☆
日の光がカーテンの隙間から射し込む。
喉が乾いたわ。
思考がグルグルする。
ぼんやりと目を開けると、何時もの見慣れた風景が広がり『ほっ』と息をつく。
侍女に水差しを持ってきて貰い、水を一口飲む。
あれは夢だったのかしら?
そう思い更にコップを傾けてゆっくりと水をを飲んでいると、兄達が血相を変えて部屋へとやって来た。
「「キャサリン大丈夫か?」」
いつもの様に過保護と思われる程のスキンシップを経て、私の体調を確認する兄達に
『これってやり過ぎだよね』
と思う。
身体の至るところを確認され「大丈夫か?」とか「どこか痛くないか?」とか「感覚はあるか?」とか言いながら二人の兄達は私を弄る。
それこそ胸や陰部もくまなくである。
指を入れられなかっただけ良かったのだろうか?
『実の妹にやり過ぎだろう』と言いたい。
どうやら私は2日程昏睡状態だったらしい。
「お兄様方。私は大丈夫です。久し振りの我が家がホストのお茶会に緊張して、ここ最近眠れなかったもので疲れが出たのだと思いますわ」
苦笑気味にそう言ってみるとオーウェンが怪訝な顔になる。
「いくら疲れたからと言って2日も昏睡状態になるものか。侍医を呼ぶからおとなしくしてなさい」
長兄の言に私も直上の兄も何も言えず頷くだけだった。
勿論侍医に診て頂いても「心労から来る疲れだったのだろう」との診断で、今は何ともないとの話を聞いて私は兄達から解放された。
私は実に2日程寝込んでいたらしく、侍女に調べさせた所、まだエマは覚醒してないらしい。
まだ手はあるはず。
出だしはファーストシーズンだったが、王子のお約束イベントは発生していないし、イヴァンとアンの包容が幾分長かった様に思われる。
本来ならあの包容は一瞬の事で、イヴァンの胸に飛び込んだアンは直ぐに離れ何となく気まずい空気が流れるはず。
しかし、あの包容は長かった。
何せ嫌味を言っている私達の前でもその包容が続いていたのだから。
「これって、もうアンはイヴァンルートに入っていると言う事なのかしら?」
それに、エマ嬢と目があった瞬間、彼女も転生者だと分かった。
「不味いわ。ファーストシーズンなら兎も角、セカンドシーズンのキャサリンってエマのエンド次第では肉便器有き……挙げ句、近親相姦に孕ませプレイ……」
思わず頭を抱えた所にセドリック殿下が急に見舞いに来た事を侍女が伝えに来た。
や……やだ。
肉便器その1号だわ。
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