26 / 76
取り敢えずセドリック一択で6
しおりを挟む
芳ばしく焼けたパンに濃厚なバターが溶ける匂い。
透き通る様なスープから薫る豊潤な匂い。
厚切りのべーコンは外はカリっと焼けていてとても美味しそうだ。
「本格的に準備した訳ではないから物足りないと思うけど」
キャサリンがそう言うと侍女がサラダとデザートを運んで来る。
「いえ、もう十分です」
食欲にまみれた私の瞳にキャサリンは苦笑しつつ食事を促す。
「では、頂きましょう」
キャサリンの言葉に「いただきます」そう言い私は思わず手を合わせる。
その様子をキャサリンは楽しそうに眺めていた。
「美容の為には野菜を先に摂取された方が良いらしいですよ」
キャサリンはそう言うと自らサラダにホークを傾けた。
みずみずしい葉野菜をホークで刺せば「ザク」っと音をたて、シャキシャキ感を楽しみながら食事の手を進める。
上に乗ったナッツ類が良い感じに味にアクセントをつける。
食事を全て運び終えた侍女を全て下がらせていたので、今はキャサリンと私の二人きり。
私は折角の機会とばかりに本題を直ぐに投下した。
「実はゲームの件で相談というか、確認したい事があるのだけど……」
私は食事の手を止めないまま、そう切り出した。
「ゲーム?のですか。どの様な事でしょうか?」
一瞬キャサリンの顔に緊張が走る。
「実は使った覚えのないアイテムが減っているんだけど、そう言うのってあるのかな?」
キャサリンはあからさまに安堵する。
「前世で実は使っていると言う事はありませんか?」
と聞いて来た。
「それはないです」
その事については自信を持って言える。
威張れないけどね。
「私も色々試してみましたが、今生では魔法や特殊スキル等は使えますが、アイテムなどの物理的な物は使えない様ですよ」
「そう……なんですか?」
驚きの事実だ。
「はい。試しに私に何かお助けアイテムを使ってみて下さい」
キャサリンは如何にも楽しそうにそう言うが
「えっと……良いのですか?」
自身にお助けアイテムを使えとは豪胆だとも思ってしまう。
「構いませんよ」
自信あり気なキャサリンに私も頷く。
「では。オープン・ザ・コマンド」
私がそう言うとコマンドが展開する。
『アイテムボックス』を開けて
私は目の前に展開しているコマンドを目で操作する。
アイテムボックス→好感度アップアイテム→使用
相手を選んで下さい。
→キャサリン
使用しますか?
→はい
ピロドロン……
エラーが発生しました。
もう一度操作して下さい。
「えっ?」
私はもう一度同じ操作をしてみる。
すると、またしても
ピロドロン……
エラーが発生しました。
もう一度操作して下さい。
同じ画面が出る。
再度繰り返すが結果は同じ。
「分かりました?」
「使えません……ね」
思わず思案してしまう。
なら何故減っているのか?と。
実際今、アイテムはエラーにより数が減る事もなかった。
「それと、コマンド画面を表示しているだけでも魔力は消費していきますので気を付けた方が良いですよ」
キャサリンにそう言われて確認すれば確かに魔力が減って来ている。
「魔力切れで死ぬことはありませんが、いざと言う時の為に温存しておいた方が良いですよ。何せこの世界はあの『愛バラ』の世界ですからね」
キャサリンはそう言うと苦笑していた。
取り敢えずアイテム問題は解決した。
『今生ではゲームのアイテムは使用出来ない』
と言う事で。
でも、解せない。
「ん~」と唸る様に悩む。
そもそもセカンドシーズンの背景が分からないのだから。
透き通る様なスープから薫る豊潤な匂い。
厚切りのべーコンは外はカリっと焼けていてとても美味しそうだ。
「本格的に準備した訳ではないから物足りないと思うけど」
キャサリンがそう言うと侍女がサラダとデザートを運んで来る。
「いえ、もう十分です」
食欲にまみれた私の瞳にキャサリンは苦笑しつつ食事を促す。
「では、頂きましょう」
キャサリンの言葉に「いただきます」そう言い私は思わず手を合わせる。
その様子をキャサリンは楽しそうに眺めていた。
「美容の為には野菜を先に摂取された方が良いらしいですよ」
キャサリンはそう言うと自らサラダにホークを傾けた。
みずみずしい葉野菜をホークで刺せば「ザク」っと音をたて、シャキシャキ感を楽しみながら食事の手を進める。
上に乗ったナッツ類が良い感じに味にアクセントをつける。
食事を全て運び終えた侍女を全て下がらせていたので、今はキャサリンと私の二人きり。
私は折角の機会とばかりに本題を直ぐに投下した。
「実はゲームの件で相談というか、確認したい事があるのだけど……」
私は食事の手を止めないまま、そう切り出した。
「ゲーム?のですか。どの様な事でしょうか?」
一瞬キャサリンの顔に緊張が走る。
「実は使った覚えのないアイテムが減っているんだけど、そう言うのってあるのかな?」
キャサリンはあからさまに安堵する。
「前世で実は使っていると言う事はありませんか?」
と聞いて来た。
「それはないです」
その事については自信を持って言える。
威張れないけどね。
「私も色々試してみましたが、今生では魔法や特殊スキル等は使えますが、アイテムなどの物理的な物は使えない様ですよ」
「そう……なんですか?」
驚きの事実だ。
「はい。試しに私に何かお助けアイテムを使ってみて下さい」
キャサリンは如何にも楽しそうにそう言うが
「えっと……良いのですか?」
自身にお助けアイテムを使えとは豪胆だとも思ってしまう。
「構いませんよ」
自信あり気なキャサリンに私も頷く。
「では。オープン・ザ・コマンド」
私がそう言うとコマンドが展開する。
『アイテムボックス』を開けて
私は目の前に展開しているコマンドを目で操作する。
アイテムボックス→好感度アップアイテム→使用
相手を選んで下さい。
→キャサリン
使用しますか?
→はい
ピロドロン……
エラーが発生しました。
もう一度操作して下さい。
「えっ?」
私はもう一度同じ操作をしてみる。
すると、またしても
ピロドロン……
エラーが発生しました。
もう一度操作して下さい。
同じ画面が出る。
再度繰り返すが結果は同じ。
「分かりました?」
「使えません……ね」
思わず思案してしまう。
なら何故減っているのか?と。
実際今、アイテムはエラーにより数が減る事もなかった。
「それと、コマンド画面を表示しているだけでも魔力は消費していきますので気を付けた方が良いですよ」
キャサリンにそう言われて確認すれば確かに魔力が減って来ている。
「魔力切れで死ぬことはありませんが、いざと言う時の為に温存しておいた方が良いですよ。何せこの世界はあの『愛バラ』の世界ですからね」
キャサリンはそう言うと苦笑していた。
取り敢えずアイテム問題は解決した。
『今生ではゲームのアイテムは使用出来ない』
と言う事で。
でも、解せない。
「ん~」と唸る様に悩む。
そもそもセカンドシーズンの背景が分からないのだから。
0
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!


私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる