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王太子ルート回避いたします4
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「それは無理だね。君が貴族で私が王族なのだから有り得ない。有り体にいえば私が主で君が従の立場だよね。私に償いを求めるのはどうかと思うよ。それに」
セドリックは嫌な笑みを称え私ににじり寄る。
「私に対してのさっきの行いは、捉えように寄っては不敬罪にもなる」
ぐうの音も出ませんとはこの事か!
私はあんぐりと口を開けたまま放心してしまう。
「君にそんな拒否権はないよ」
硬直したままの私の隙をついて、セドリックは更に距離をつめるとガッチリと抱き付き私の自由を奪った。
そして、下卑た笑みを称えたと思ったら無理矢理唇を合わせて濃密な口付けを再開させた。
なんたる屈辱。
「ぅん……んン」
息苦しさに瞳を潤ます私を見たセドリックの瞳に怪しい光が灯る。
「そんなに煽るなんていけない娘だよね」
更に口内を貪られ息つく暇さえない。
歯列をなぞられ舌が絡み合い緩急をつけて吸いつく。
タラリと唾液を口から流しながら喘ぐ私を見て更に欲情するセドリック。
密着する身体には『うっ何かお腹の辺りに硬い物が……』と、涙目になる私の後ろから兄の声が聞こえたのは丁度その時だった。
「殿下。私の妹に何をしているのですか?」
凛々しく愁いを帯びる王子さながらの兄には似つかわしくない怒気を含んだ声が二人の頭上に降り注いだ。
イヴァンの登場に『もっと早く来いよ』と私が思ったのは言うまでもない。
そして、お約束の様に
「妹って……その声まさか……イヴァン?」
とセドリックが問い掛けたのも致し方ない。
淫らに乱れた私を尻目にセドリックが「ちっ」と舌打ちをする。
「もう少し気を利かせて欲しかったね」
ガッチリと私を固定したままのセドリックはイヴァンにそう告げる。
「流石に外でこれ以上は外聞が悪いですので……と、言うか既に外聞は悪いのですがね」
『あれれ?お兄様ってこんな人だったっけか?』と疑問に思う。
「中でなら良かったの?」
とサラリととんでもない事をセドリックが聞いて来る。
「そうですね。多少なら譲歩致しますが」
出た~兄のとんでも発言。
「はい?何気に私売られた?」
思わず問うてしまう。
「おや?エマは同意してくれるんだね。君なら買ってもいいな。イヴァン。持ち帰っても良いかな?」
まさかの疑問系で言った言葉を殿下は了承と変換していた。
昨日の事と言い、やはり耳が悪いのか?そして、まさかのお持ち帰りですか?
思わずフルフルと首を振ってしまう。
『兄よ拒否してくれ』と念波を送っていると
「妹はまだ16なのでね。もう少し待ってくれないかい」
と兄らしくセドリックに進言する。
って、少し待てとは何だ?
「ん~16か。判った。取り敢えず唾を付けると言う意味で正式に婚約を申し込もうか」
何ですか唾って。
唾液なら既に充分ですが……ペッペッぺですわ。
「即決ですね殿下。宜しいのですか?他にも素敵な美女が要るかも知れませんよ」
兄のとんでも発言第二段に私は内心「そうだ。そうだ」と応援してしまう。
「それはどうだろうね。昨日エマも言った様に彼女はまだ発展途上だ。これからもっと美しくなるだろうね。そんな姿を間近で見れるなんてとても素敵だと思わないかい?」
「フフフ」と笑いを漏らすセドリック。
「どうでしょうかね」
と人の悪い笑みを称える兄。
「それに早く手を打たないと鳶に油揚げ宜しく他の男にかっ拐われてもし癪なのでね。性急かもしれないが、このままマリク公爵夫妻に挨拶して行くよ。勿論良いよねエマ」
未だセドリックの腕の中にいる私は断固反対の意思表示をする。
「全然良くない」
強く出ればセドリックも引くかと思ったのだけど
「では夫妻に今の事をお話して男として責任を取りたいとお伝えしようか?」
と、とんでもない事を言い出した。
こんな所で今生のファーストキスを奪われただけでなく、セカンドキスも奪われ更にディープキスをされたなんて……親には知られたくない。
「……それだけは嫌です」
私は涙目になりながらそう言うと「可愛い」と更にキスを落として来た。
終わった……私の人生オワタ。
正直意識を手放したい衝動だったが、討たれ強い自分がこの時程憎いと思った事はなかった。
昨日とは立場を逆にして強引なセドリックに両親の元へドナドナされたのは言うに難い。
『あぁ、神様。どうか私をこの腹黒どSにしてど鬼畜王子から助けてほしい』と切に願いながら……。
セドリックは嫌な笑みを称え私ににじり寄る。
「私に対してのさっきの行いは、捉えように寄っては不敬罪にもなる」
ぐうの音も出ませんとはこの事か!
私はあんぐりと口を開けたまま放心してしまう。
「君にそんな拒否権はないよ」
硬直したままの私の隙をついて、セドリックは更に距離をつめるとガッチリと抱き付き私の自由を奪った。
そして、下卑た笑みを称えたと思ったら無理矢理唇を合わせて濃密な口付けを再開させた。
なんたる屈辱。
「ぅん……んン」
息苦しさに瞳を潤ます私を見たセドリックの瞳に怪しい光が灯る。
「そんなに煽るなんていけない娘だよね」
更に口内を貪られ息つく暇さえない。
歯列をなぞられ舌が絡み合い緩急をつけて吸いつく。
タラリと唾液を口から流しながら喘ぐ私を見て更に欲情するセドリック。
密着する身体には『うっ何かお腹の辺りに硬い物が……』と、涙目になる私の後ろから兄の声が聞こえたのは丁度その時だった。
「殿下。私の妹に何をしているのですか?」
凛々しく愁いを帯びる王子さながらの兄には似つかわしくない怒気を含んだ声が二人の頭上に降り注いだ。
イヴァンの登場に『もっと早く来いよ』と私が思ったのは言うまでもない。
そして、お約束の様に
「妹って……その声まさか……イヴァン?」
とセドリックが問い掛けたのも致し方ない。
淫らに乱れた私を尻目にセドリックが「ちっ」と舌打ちをする。
「もう少し気を利かせて欲しかったね」
ガッチリと私を固定したままのセドリックはイヴァンにそう告げる。
「流石に外でこれ以上は外聞が悪いですので……と、言うか既に外聞は悪いのですがね」
『あれれ?お兄様ってこんな人だったっけか?』と疑問に思う。
「中でなら良かったの?」
とサラリととんでもない事をセドリックが聞いて来る。
「そうですね。多少なら譲歩致しますが」
出た~兄のとんでも発言。
「はい?何気に私売られた?」
思わず問うてしまう。
「おや?エマは同意してくれるんだね。君なら買ってもいいな。イヴァン。持ち帰っても良いかな?」
まさかの疑問系で言った言葉を殿下は了承と変換していた。
昨日の事と言い、やはり耳が悪いのか?そして、まさかのお持ち帰りですか?
思わずフルフルと首を振ってしまう。
『兄よ拒否してくれ』と念波を送っていると
「妹はまだ16なのでね。もう少し待ってくれないかい」
と兄らしくセドリックに進言する。
って、少し待てとは何だ?
「ん~16か。判った。取り敢えず唾を付けると言う意味で正式に婚約を申し込もうか」
何ですか唾って。
唾液なら既に充分ですが……ペッペッぺですわ。
「即決ですね殿下。宜しいのですか?他にも素敵な美女が要るかも知れませんよ」
兄のとんでも発言第二段に私は内心「そうだ。そうだ」と応援してしまう。
「それはどうだろうね。昨日エマも言った様に彼女はまだ発展途上だ。これからもっと美しくなるだろうね。そんな姿を間近で見れるなんてとても素敵だと思わないかい?」
「フフフ」と笑いを漏らすセドリック。
「どうでしょうかね」
と人の悪い笑みを称える兄。
「それに早く手を打たないと鳶に油揚げ宜しく他の男にかっ拐われてもし癪なのでね。性急かもしれないが、このままマリク公爵夫妻に挨拶して行くよ。勿論良いよねエマ」
未だセドリックの腕の中にいる私は断固反対の意思表示をする。
「全然良くない」
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「では夫妻に今の事をお話して男として責任を取りたいとお伝えしようか?」
と、とんでもない事を言い出した。
こんな所で今生のファーストキスを奪われただけでなく、セカンドキスも奪われ更にディープキスをされたなんて……親には知られたくない。
「……それだけは嫌です」
私は涙目になりながらそう言うと「可愛い」と更にキスを落として来た。
終わった……私の人生オワタ。
正直意識を手放したい衝動だったが、討たれ強い自分がこの時程憎いと思った事はなかった。
昨日とは立場を逆にして強引なセドリックに両親の元へドナドナされたのは言うに難い。
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