上 下
73 / 86

シグルスの闇1

しおりを挟む
朝方、トイレのついでにと昨夜会場になったホールを確認して帰る途中、キースの部屋から物音が聞こえた。

何事かと鍵穴から覗くとベッドの上でなにやら揉めている男女が目に入った。

『まぁ、多分キースとあの王女だろう』
そう思った。

何故なら、まだ外は日が登っておらず微かに明かりが入っているが、生憎モスキートネットが邪魔でベッドの中は鮮明ではない。

ただのシルエットだが、声を聞けば分かる。

どうやら嫌がる王女をキースが手込めにしている様子だ。

それも、アンとか言うメイドと勘違いしてだ。

キースは元々酒に強い訳ではない。

そんなやつが朝方まで飲んでいたのだ、正気ではあるまい。

それに、アンとか言うメイドに恋をして結婚を真剣に考えていた事も知っている。

「馬鹿なやつだな。まるで昔の私を見ているようだ」

似なくて良い所が似るとは、本当の親子ではないが流石に血縁者だな……と、感心してしまう。

それに、王女のあの嫌がりよう。
胸がスカッとする。
何せあのワーナント公爵家の血縁者だ。

キースに散々凌辱りょうじょくされるがいい。

それに、どうやら王女のお腹の子供の父親はキースではないようだしな。

キースが一人愚痴っていたのを偶然聞いたからな。
間違いない。

今までユーリアを凌辱し、子を殺めて来た私が言うのもなんだが
「キースを殺さないでおいて良かったよ。これであの忌まわしいワーナントの女の子供に報復出来ると言うもの」
己の子供が死産したらあの王女はどんな顔をするだろうか?
「あぁ。それよりも、キースにたまに酒を飲ませてあの王女を凌辱させよう」
楽しみは多い程良い。

「本当に殺さないでおいて良かったよ。キース」

そして私は機嫌良く自室へと戻って行くのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

元彼にハメ婚させられちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
元彼にハメ婚させられちゃいました

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

もう2度と関わりたくなかった

鳴宮鶉子
恋愛
もう2度と関わりたくなかった

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

お飾りの侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
今宵もあの方は帰ってきてくださらない… フリーアイコン あままつ様のを使用させて頂いています。

処理中です...