63 / 86
アンジェラ視点30
しおりを挟む
「何で起きているんだ!!」
普段聞いた事もない大きな声を上げて私を怒られるキース様。
レアですわ。
私は持っていた本を名残惜しそうに閉じた。
「一応本日は初日ですので、キース様をお待ちしておりましたの」
だって、今日から対外的に二人で堂々と会える理由が出来たのだから。
それも、同じお部屋でアンジェラとしてだ。
「わざわざ起きて待っていなくて良い。それに君は妊婦なんだぞ。少しは体を休めろ」
何だかんだ言っても私の心配をしてくれるキース様。
何てお優しいのかしら。
「それに、何かあったら君のお腹の子供の父親にも申し訳ないだろう?」
そう言いながら私から視線を反らしタイを緩めるキース様。
えっと……これって嫉妬?
父親が自分じゃないと思って?
「お腹の子供の父親って誰なんだ?俺と結婚するより、その子供の父親に責任を取って貰えば良かったんじゃないか?」
拗ねたように視線を反らしながら言うキース様はなんとなく可愛い。
好きな方から誤解とは言え、ヤキモチを妬かれるってなんてこそばゆいのかしら。
「それが……私も誕生日の夜だったから大分お酒を飲んでいて、相手が良く分からないのよ」
危なく父親はキース様だって言いそうになり、でも、はっきり私を好きだと言わないキース様にそれを教えるのも……と踏み止まる。
「そうか……分かった。取り敢えず俺は帰って来たんだからもう寝てくれ。君に何かあったら俺がアルフレッドにどうにかされてしまう」
まぁ、お兄様を出汁にして私を気遣うなんて……。
「そうですわね」
前から思っていたのですが、キース様ってツンデレですわよね。
本当に可愛いですわ。
「風呂に入って来るから、その間に寝ていてくれ」
そして、照れたようにそう言い捨ててキース様は浴室へと消えて行った。
「はぁ~。やっぱり好きですわ。キース様」
甘いため息をつきながら魅惑のベッドへと顔を沈めた。
あぁ。
キース様の薫りがしますわ。
し・あ・わ・せ
普段聞いた事もない大きな声を上げて私を怒られるキース様。
レアですわ。
私は持っていた本を名残惜しそうに閉じた。
「一応本日は初日ですので、キース様をお待ちしておりましたの」
だって、今日から対外的に二人で堂々と会える理由が出来たのだから。
それも、同じお部屋でアンジェラとしてだ。
「わざわざ起きて待っていなくて良い。それに君は妊婦なんだぞ。少しは体を休めろ」
何だかんだ言っても私の心配をしてくれるキース様。
何てお優しいのかしら。
「それに、何かあったら君のお腹の子供の父親にも申し訳ないだろう?」
そう言いながら私から視線を反らしタイを緩めるキース様。
えっと……これって嫉妬?
父親が自分じゃないと思って?
「お腹の子供の父親って誰なんだ?俺と結婚するより、その子供の父親に責任を取って貰えば良かったんじゃないか?」
拗ねたように視線を反らしながら言うキース様はなんとなく可愛い。
好きな方から誤解とは言え、ヤキモチを妬かれるってなんてこそばゆいのかしら。
「それが……私も誕生日の夜だったから大分お酒を飲んでいて、相手が良く分からないのよ」
危なく父親はキース様だって言いそうになり、でも、はっきり私を好きだと言わないキース様にそれを教えるのも……と踏み止まる。
「そうか……分かった。取り敢えず俺は帰って来たんだからもう寝てくれ。君に何かあったら俺がアルフレッドにどうにかされてしまう」
まぁ、お兄様を出汁にして私を気遣うなんて……。
「そうですわね」
前から思っていたのですが、キース様ってツンデレですわよね。
本当に可愛いですわ。
「風呂に入って来るから、その間に寝ていてくれ」
そして、照れたようにそう言い捨ててキース様は浴室へと消えて行った。
「はぁ~。やっぱり好きですわ。キース様」
甘いため息をつきながら魅惑のベッドへと顔を沈めた。
あぁ。
キース様の薫りがしますわ。
し・あ・わ・せ
0
お気に入りに追加
91
あなたにおすすめの小説


アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる