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キース視点14
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一口食べ物を口に含むとそれまで忘れていた空腹を思い出す。
堰を切ったように食事を次々と口に運ぶ。。
お腹が空いて空いてどうしようもない。
満たされない。
何故だろう?
「おい。いい加減食べるのを止めろ」
アルフレッドの剣のある声に自分の食べた食器を確認する。
既に副食は食べ終わり、主食のパンとスープを永遠にお代わりしていたのだ。
バスケットに山盛り入っていたパンは底をつき、スープの入っていた鍋は空になっていた。
更に、目の前の山盛りのフルーツを次々と食べている最中だったのだ。
「すみません……アルフレッドの分も食べてしまったようで……」
アルフレッドはまだ食事を8割程しか食べていない。
つまり、アルフレッドの分の主食も食べてしまったと言う事だ。
「いや、それは構わない」
アルフレッドはそう言うと鈴を鳴らし侍女を呼ぶと食事を下げさせた。
代わりに食後の紅茶とケーキが準備される。
「ありがとう。声を掛けるまで下がっていてくれ」
アルフレッドは侍女達に優しく声をかける。
本当に出来た王太子なのだ。
長年の幼馴染であり友人で自分の主。
その関係は永遠だと思っていた。
いたんだ。
「取り敢えず話を聞こうか、涙を拭け」
アルフレッドはそう言いながらハンカチを寄越す。
そこで初めて自分が泣いていた事に気づいた。
「ありがとうアルフレッド。君は何時も優しいな」
アルフレッドからハンカチを受け取ると涙と鼻水を拭いた。
「それも君にあげるから気にせず使ってくれ。で?夜会の後何があった?」
俺はアルフレッドの声に従うように話し出す。
あの夜会の日の出来事を……
堰を切ったように食事を次々と口に運ぶ。。
お腹が空いて空いてどうしようもない。
満たされない。
何故だろう?
「おい。いい加減食べるのを止めろ」
アルフレッドの剣のある声に自分の食べた食器を確認する。
既に副食は食べ終わり、主食のパンとスープを永遠にお代わりしていたのだ。
バスケットに山盛り入っていたパンは底をつき、スープの入っていた鍋は空になっていた。
更に、目の前の山盛りのフルーツを次々と食べている最中だったのだ。
「すみません……アルフレッドの分も食べてしまったようで……」
アルフレッドはまだ食事を8割程しか食べていない。
つまり、アルフレッドの分の主食も食べてしまったと言う事だ。
「いや、それは構わない」
アルフレッドはそう言うと鈴を鳴らし侍女を呼ぶと食事を下げさせた。
代わりに食後の紅茶とケーキが準備される。
「ありがとう。声を掛けるまで下がっていてくれ」
アルフレッドは侍女達に優しく声をかける。
本当に出来た王太子なのだ。
長年の幼馴染であり友人で自分の主。
その関係は永遠だと思っていた。
いたんだ。
「取り敢えず話を聞こうか、涙を拭け」
アルフレッドはそう言いながらハンカチを寄越す。
そこで初めて自分が泣いていた事に気づいた。
「ありがとうアルフレッド。君は何時も優しいな」
アルフレッドからハンカチを受け取ると涙と鼻水を拭いた。
「それも君にあげるから気にせず使ってくれ。で?夜会の後何があった?」
俺はアルフレッドの声に従うように話し出す。
あの夜会の日の出来事を……
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