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アンジェラ視点17
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「もう一度しても良い?」
そんな言葉に騙された私が馬鹿だった。
そう、一回では済まなかったのだ。
現在進行形でキース様は更にもう一度私と繋がっている。
「あぁ……キース様。(物理的に)もう無理……」
ひきつる痛みに涙が出てしまう。
本当にもう勘弁して欲しい。
そう思っていると、キース様が優しく私の涙を唇で吸いとり優しく抱き締めてくれた。
「アン。もし俺が無一文になったとしても俺を慕ってくれるかい?」
キース様は真剣な面持ちでそう問い掛けて来る。
多分私を平民の娘と思っているのだろう。
確かに、王女との縁談を断ってしまえば公爵からも勘当されるかもしれない。
つまり、キース様は王女よりもメイドを選んでくれるって事よね。
「私は家柄ではなくキース様だからこそ体を許したのです。もし、嫌われているのならこの事は良い思い出として生きて行こうかと……」
それでも良いと思っていた。
けど、キース様の今の言い方は私を好きって言っている?
キース様は本気なのかしら?
メイドと王女を本当に天秤に掛けているの?
不安になりながらキース様を見つめていると、再びキース様は口付けて来る。
「俺も、君が手に入るなら地位も何もいらない。君との温かな家庭を築く為に頑張るよ。例え今の仕事を辞める事になっても」
それって……
「本当に?今のお仕事が好きだったのではなくて?」
私なんか無視して無我夢中で仕事をしていたのに?
「馬鹿だな。君より優先すべき仕事などない」
つまり、私自身を好きって事?
それで間違いない?
ファイナルアンサー?
「一つ所に居られなくても?」
きっと、お兄様の名代で公務を色々と押し付けて来ると思うの。
「勿論だ。いっその事、国外に行くのもありかもしれない」
それって外交にも付き合うって事?
思わずキース様に抱きついてしまった。
でも、それがそもそもの間違いだったのだ。
理性の箍が外れたキース様によって更なる試練が待っていたのだ。
だから思った。
愛があっても物理的に限界なら諦めるのも一つの道と……。
幸い、私がアンジェラだとはバレていない。
キース様が寝たら逃げよう……と。
そんな言葉に騙された私が馬鹿だった。
そう、一回では済まなかったのだ。
現在進行形でキース様は更にもう一度私と繋がっている。
「あぁ……キース様。(物理的に)もう無理……」
ひきつる痛みに涙が出てしまう。
本当にもう勘弁して欲しい。
そう思っていると、キース様が優しく私の涙を唇で吸いとり優しく抱き締めてくれた。
「アン。もし俺が無一文になったとしても俺を慕ってくれるかい?」
キース様は真剣な面持ちでそう問い掛けて来る。
多分私を平民の娘と思っているのだろう。
確かに、王女との縁談を断ってしまえば公爵からも勘当されるかもしれない。
つまり、キース様は王女よりもメイドを選んでくれるって事よね。
「私は家柄ではなくキース様だからこそ体を許したのです。もし、嫌われているのならこの事は良い思い出として生きて行こうかと……」
それでも良いと思っていた。
けど、キース様の今の言い方は私を好きって言っている?
キース様は本気なのかしら?
メイドと王女を本当に天秤に掛けているの?
不安になりながらキース様を見つめていると、再びキース様は口付けて来る。
「俺も、君が手に入るなら地位も何もいらない。君との温かな家庭を築く為に頑張るよ。例え今の仕事を辞める事になっても」
それって……
「本当に?今のお仕事が好きだったのではなくて?」
私なんか無視して無我夢中で仕事をしていたのに?
「馬鹿だな。君より優先すべき仕事などない」
つまり、私自身を好きって事?
それで間違いない?
ファイナルアンサー?
「一つ所に居られなくても?」
きっと、お兄様の名代で公務を色々と押し付けて来ると思うの。
「勿論だ。いっその事、国外に行くのもありかもしれない」
それって外交にも付き合うって事?
思わずキース様に抱きついてしまった。
でも、それがそもそもの間違いだったのだ。
理性の箍が外れたキース様によって更なる試練が待っていたのだ。
だから思った。
愛があっても物理的に限界なら諦めるのも一つの道と……。
幸い、私がアンジェラだとはバレていない。
キース様が寝たら逃げよう……と。
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