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アンジェラ視点15

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裂けるような痛みは直ぐに快楽へと変わって行った。

波のように押し寄せては去っていくその快楽に、私は意識を繋げているだけで精一杯だった。

何度も抽送を繰り返し私の中へ熱い物を注ぎ込むキース様。

例えるならば『貪られている』と言う言葉が正しいだろうか?

いつもは理性的なキース様の野性的な一面。

そんな所も素敵。

何度も私を求めては果てるキース様。

媚薬のせいだと分かっていても、こうして求められるのは嬉し過ぎる。

この幸福な夜は夢ではない事は最初の繋がりの痛みが証明していた。

薬のせいでも良い。

媚薬が切れた時に拒否の言葉を呟かれても、長年片思いしていた私には良い思い出になってくれるだろう。

だから、熱を帯びるようなキース様の睦言むつごとがもし媚薬のせいで今夜の事を忘れていても良いように、私がキース様との事を全部覚えているから。
だから……今だけは……今の出来事だけは永遠に私の中に息づくように。

熱に浮かされたキース様。

「アン。好きだ。俺と結婚して欲しい」

行為の最中のプロポーズ。
でも、きっと媚薬が切れたら正気に戻る。
だから、今だけは夢を見させて。

「キース様。嬉しいわ(それが嘘だとしても)」

そうして私達は朝を迎えるのだった。
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