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アンジェラ視点10
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兄の前を退出し軽く両陛下へ挨拶をし、その勢いのまま会場を後にした。
今夜の主役の私だが、最後に婚約者候補と登場しお披露目をすませたら用なしなのだ。
だって、今日来ている貴族達の目当てはあくまでも次期国王になる兄との縁結びなのだから。
それに、お姉様のお腹には新しい命があるからそれに対しての根回しが今回集った貴族の関心事。
私などはついでになのだ。
だから、私やキース様が会場を離れても誰も気にしない。
会場を後にするとマリーが入り口で待機している。
既に何時もの侍女服を着ており、急ぎ私を空き部屋へと誘導する。
空き部屋と言っても誰でも泊まれる階ではない。
それなりな人たちを事前に泊める事になっている部屋だ。
キース様に用意した部屋の隣に何かあった時の為にとマリー用に用意していた部屋に入る。
急ぎ化粧を落とし夜会仕様の髪をほどく。
軽く何時ものようにお下げを作り、用意しておいたメイド用の服へと着替えた。
勿論事前に準備していた訳ではない。
マリーの迅速な手配に舌を巻く思いだ。
「マゼンダ様用に用意されているお部屋はこの部屋より7個先の部屋になります。お急ぎを」
マリーはそう言うと部屋の扉を開いた。
「ありがとうマリー。キース様を見す見すマゼンダの毒牙になんか掛けさせないわ」
そう言って私は部屋を飛び出した。
何せ、余計な時間を取られたのだ(兄に)。
それを取り返す用に早足で歩き出す。
薄暗い廊下。
そこで廊下に倒れるように歩く人影を見つけた。
『この忙しい時に』
そう思うが、今の役職で声を掛けない訳にはいかない。
取り敢えず声を掛けて後はマリーにでも頼もう。
そう思い声を掛けた。
「どうかされましたか?」
すると、その人影が私の方を向く。
嘘。
キース様!!
これってもう運命だよね。
今夜の主役の私だが、最後に婚約者候補と登場しお披露目をすませたら用なしなのだ。
だって、今日来ている貴族達の目当てはあくまでも次期国王になる兄との縁結びなのだから。
それに、お姉様のお腹には新しい命があるからそれに対しての根回しが今回集った貴族の関心事。
私などはついでになのだ。
だから、私やキース様が会場を離れても誰も気にしない。
会場を後にするとマリーが入り口で待機している。
既に何時もの侍女服を着ており、急ぎ私を空き部屋へと誘導する。
空き部屋と言っても誰でも泊まれる階ではない。
それなりな人たちを事前に泊める事になっている部屋だ。
キース様に用意した部屋の隣に何かあった時の為にとマリー用に用意していた部屋に入る。
急ぎ化粧を落とし夜会仕様の髪をほどく。
軽く何時ものようにお下げを作り、用意しておいたメイド用の服へと着替えた。
勿論事前に準備していた訳ではない。
マリーの迅速な手配に舌を巻く思いだ。
「マゼンダ様用に用意されているお部屋はこの部屋より7個先の部屋になります。お急ぎを」
マリーはそう言うと部屋の扉を開いた。
「ありがとうマリー。キース様を見す見すマゼンダの毒牙になんか掛けさせないわ」
そう言って私は部屋を飛び出した。
何せ、余計な時間を取られたのだ(兄に)。
それを取り返す用に早足で歩き出す。
薄暗い廊下。
そこで廊下に倒れるように歩く人影を見つけた。
『この忙しい時に』
そう思うが、今の役職で声を掛けない訳にはいかない。
取り敢えず声を掛けて後はマリーにでも頼もう。
そう思い声を掛けた。
「どうかされましたか?」
すると、その人影が私の方を向く。
嘘。
キース様!!
これってもう運命だよね。
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