15 / 86
アンジェラ視点7
しおりを挟む
三曲目を踊り終えた時、キース様に逃げられた。
私のプランでは、本当はこの後軽く食事をしながら会話を楽しんで、食後にワインを持ってバルコニーへ、そして……ウフフフな展開が待っているはずだったのに……。
見ると友人達と楽しくお話をされている。
そんな……こんなはずじゃ……。
そう思って一人でキース様を眺めていると隣にマリーが現れた。
「姫様どうぞ」
そう言って差し出されたのはレモンウォーター。
「ありがとう」
そう言って一口口に含む。
「マゼンダ様はどうやら媚薬を使ってキース様を襲うつもりのようですわ」
媚薬!!
マリーを見ればニコリと微笑まれた。
「関わったウェイターを捕らえて拷……コホン。尋問致しました」
今、マリーは拷問って言おうとしませんでしたか?
「少々時間がございませんでしたので、多少は手荒な尋問になってしまいましたが命に別状はございません」
「そう……なら良いわ。それで?」
「はい。媚薬の対処方は簡単ですので、取り敢えず他に関わっている者を確認しました。ああいう輩は交渉相手の事も色々と知っておりますから……」
そう言うとマリーは人の悪い笑みを見せた。
「客間を一つ。マゼンダ様の名前でとっております。関わっているのは古参の侍女で、それなりに王宮内でも融通がきくようですが、偽名を使って部屋をとるという頭はなかったのかと……」
辛辣に言うマリーに「でも……」と思う。
「私の婚約者が、私が嫌でマゼンダの元へと夜這いを掛けたと言う仮説を立てれば?」
なにせ、相手はあのマゼンダ。
こんなに早くバレると思わなければ、マゼンダの名前で部屋をとる理由になる。
そして、私からまんまとキース様をかっさらうつもりだ。
既成事実を突き付けて。
「フフフフ……まだまだねマゼンダ。王宮は私のテリトリー。好き勝手はさせませんわ」
私のプランでは、本当はこの後軽く食事をしながら会話を楽しんで、食後にワインを持ってバルコニーへ、そして……ウフフフな展開が待っているはずだったのに……。
見ると友人達と楽しくお話をされている。
そんな……こんなはずじゃ……。
そう思って一人でキース様を眺めていると隣にマリーが現れた。
「姫様どうぞ」
そう言って差し出されたのはレモンウォーター。
「ありがとう」
そう言って一口口に含む。
「マゼンダ様はどうやら媚薬を使ってキース様を襲うつもりのようですわ」
媚薬!!
マリーを見ればニコリと微笑まれた。
「関わったウェイターを捕らえて拷……コホン。尋問致しました」
今、マリーは拷問って言おうとしませんでしたか?
「少々時間がございませんでしたので、多少は手荒な尋問になってしまいましたが命に別状はございません」
「そう……なら良いわ。それで?」
「はい。媚薬の対処方は簡単ですので、取り敢えず他に関わっている者を確認しました。ああいう輩は交渉相手の事も色々と知っておりますから……」
そう言うとマリーは人の悪い笑みを見せた。
「客間を一つ。マゼンダ様の名前でとっております。関わっているのは古参の侍女で、それなりに王宮内でも融通がきくようですが、偽名を使って部屋をとるという頭はなかったのかと……」
辛辣に言うマリーに「でも……」と思う。
「私の婚約者が、私が嫌でマゼンダの元へと夜這いを掛けたと言う仮説を立てれば?」
なにせ、相手はあのマゼンダ。
こんなに早くバレると思わなければ、マゼンダの名前で部屋をとる理由になる。
そして、私からまんまとキース様をかっさらうつもりだ。
既成事実を突き付けて。
「フフフフ……まだまだねマゼンダ。王宮は私のテリトリー。好き勝手はさせませんわ」
0
お気に入りに追加
91
あなたにおすすめの小説


【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……

はずれのわたしで、ごめんなさい。
ふまさ
恋愛
姉のベティは、学園でも有名になるほど綺麗で聡明な当たりのマイヤー伯爵令嬢。妹のアリシアは、ガリで陰気なはずれのマイヤー伯爵令嬢。そう学園のみなが陰であだ名していることは、アリシアも承知していた。傷付きはするが、もう慣れた。いちいち泣いてもいられない。
婚約者のマイクも、アリシアのことを幽霊のようだの暗いだのと陰口をたたいている。マイクは伯爵家の令息だが、家は没落の危機だと聞く。嫁の貰い手がないと家の名に傷がつくという理由で、アリシアの父親は持参金を多めに出すという条件でマイクとの婚約を成立させた。いわば政略結婚だ。
こんなわたしと結婚なんて、気の毒に。と、逆にマイクに同情するアリシア。
そんな諦めにも似たアリシアの日常を壊し、救ってくれたのは──。
(R18)灰かぶり姫の公爵夫人の華麗なる変身
青空一夏
恋愛
Hotランキング16位までいった作品です。
レイラは灰色の髪と目の痩せぎすな背ばかり高い少女だった。
13歳になった日に、レイモンド公爵から突然、プロポーズされた。
その理由は奇妙なものだった。
幼い頃に飼っていたシャム猫に似ているから‥‥
レイラは社交界でもばかにされ、不釣り合いだと噂された。
せめて、旦那様に人間としてみてほしい!
レイラは隣国にある寄宿舎付きの貴族学校に留学し、洗練された淑女を目指すのだった。
☆マーク性描写あり、苦手な方はとばしてくださいませ。


白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる