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侍女メアリー視点1
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早朝廊下を歩いていると何やらジュブジュブと水音のような音が、昨日坊っちゃんのお見合いに参加するためにいらっしゃったハウリン侯爵家のメリッサ嬢の部屋から聞こえて来た。
「あのお嬢様は変わった方だからね」
大方使用人の若い男でも招き入れたのだろう。
何せ昨日は朝一で馬に乗って訪問されると言う淑女にあるまじき行いをし、朝食を食べ終わると着て来た質の悪いドレスが埃まみれだからと、突然洗濯を始めたのだ。
挙げ句、ドレスは一着のみで後は夜着の無地でダサい一着しかないときた。
「明日のお茶会まで乾けば大丈夫だから、だから申し訳ないけど食事は部屋でお願いするわ」
そう言って来たのだ。
それに、顔は化粧が下手なのか不細工メイクで、少しはメイクのやり方を学んだ方が良いと思うほどで、これでは坊っちゃんの気は引けないだろうと思った。
しかし、あのダサい夜着を着ていても判る位に凹凸の激しいボディー。
はち切れんばかりの胸に思わず息を飲む。
顔を見なければ男達が群がりそうだな……そう思った。
だから男性使用人にはメリッサ嬢の部屋には近付くなと命令をしている。
一応賓客扱いなのだ、万が一があっては申し開きも出来ない。
そんな私の努力も、本人が連れ込んだのなら無意味だったな……。
そう思い、その時はスルーした。
しかし、指定された朝食の時間を1時間過ぎてもお呼びがかからない。
朝のあの音を聞いてから既に4時間経過している。
昨日の流れからして食事をそんなに遅らせるなんて有り得ない事態の為に、確認の為に客間へと足を向ける。
どうせ、あの見てくれなのだから今更見られてどうと思うとは思えないし、もし男を連れ込んでいたのならそれを理由に追い出す事だって出来る。
大体昨日からどれだけの食料をただで飲み食いしている事か。
考えただけで腹ただしい。
部屋へと近付くと、気のせいか坊っちゃんの声が部屋から漏れ聞こえ「まさか」と思い、思わず扉を開けてしまった。
私の目の前にはベッドの上で横たわる、どう見ても意識のない女性を一心不乱で犯している坊っちゃんの姿。
室内には濃厚な精子の臭い。
鼻が曲がるかと思う位の臭いに『坊っちゃんどれだけ盛ったんだ』と思ってしまった。
それにシーツには所々赤い、言わば処女の証が散らばっている所を見ると、ケヴィン坊っちゃんはどう良心的に見ても、無垢な女性を一晩中犯し続けたと見て間違いない。
挙げ句、床にはメリッサ嬢の服と思わしきあのダサい夜着がナイフで真っ二つに割かれており、その隣には我が家の……つまり坊っちゃん愛用の短剣が転がっていた。
それも意識のない女性を突いているだなんて……。
『この下半身ユルユルのゲス男が』
メラメラと女の敵を見る目付きで坊っちゃんを見てしまった。
しかし、そう思うも将来の公爵様。
私は回れ右をして急ぎ現在の公爵様にこの事件のご報告しに走った。
幸いと言うべきか、被害に会われた令嬢は坊っちゃんとお見合いをする為にいち早くいらっしゃった方。
顔には少々難有りだけど、そこは坊っちゃんが悪い。
こんなに事が明るみに出れば公爵家の唯一の男子と言えど爵位の継承は難しくなるだろう。
しかし、あのメリッサ嬢なら、きっとこの縁談に前向きに話が進むだろう。
妻の座をちらつかせればメリッサ嬢も今回の事は何事もなく飛び付くに違いない。
そう安直の思ったのだ。
「あのお嬢様は変わった方だからね」
大方使用人の若い男でも招き入れたのだろう。
何せ昨日は朝一で馬に乗って訪問されると言う淑女にあるまじき行いをし、朝食を食べ終わると着て来た質の悪いドレスが埃まみれだからと、突然洗濯を始めたのだ。
挙げ句、ドレスは一着のみで後は夜着の無地でダサい一着しかないときた。
「明日のお茶会まで乾けば大丈夫だから、だから申し訳ないけど食事は部屋でお願いするわ」
そう言って来たのだ。
それに、顔は化粧が下手なのか不細工メイクで、少しはメイクのやり方を学んだ方が良いと思うほどで、これでは坊っちゃんの気は引けないだろうと思った。
しかし、あのダサい夜着を着ていても判る位に凹凸の激しいボディー。
はち切れんばかりの胸に思わず息を飲む。
顔を見なければ男達が群がりそうだな……そう思った。
だから男性使用人にはメリッサ嬢の部屋には近付くなと命令をしている。
一応賓客扱いなのだ、万が一があっては申し開きも出来ない。
そんな私の努力も、本人が連れ込んだのなら無意味だったな……。
そう思い、その時はスルーした。
しかし、指定された朝食の時間を1時間過ぎてもお呼びがかからない。
朝のあの音を聞いてから既に4時間経過している。
昨日の流れからして食事をそんなに遅らせるなんて有り得ない事態の為に、確認の為に客間へと足を向ける。
どうせ、あの見てくれなのだから今更見られてどうと思うとは思えないし、もし男を連れ込んでいたのならそれを理由に追い出す事だって出来る。
大体昨日からどれだけの食料をただで飲み食いしている事か。
考えただけで腹ただしい。
部屋へと近付くと、気のせいか坊っちゃんの声が部屋から漏れ聞こえ「まさか」と思い、思わず扉を開けてしまった。
私の目の前にはベッドの上で横たわる、どう見ても意識のない女性を一心不乱で犯している坊っちゃんの姿。
室内には濃厚な精子の臭い。
鼻が曲がるかと思う位の臭いに『坊っちゃんどれだけ盛ったんだ』と思ってしまった。
それにシーツには所々赤い、言わば処女の証が散らばっている所を見ると、ケヴィン坊っちゃんはどう良心的に見ても、無垢な女性を一晩中犯し続けたと見て間違いない。
挙げ句、床にはメリッサ嬢の服と思わしきあのダサい夜着がナイフで真っ二つに割かれており、その隣には我が家の……つまり坊っちゃん愛用の短剣が転がっていた。
それも意識のない女性を突いているだなんて……。
『この下半身ユルユルのゲス男が』
メラメラと女の敵を見る目付きで坊っちゃんを見てしまった。
しかし、そう思うも将来の公爵様。
私は回れ右をして急ぎ現在の公爵様にこの事件のご報告しに走った。
幸いと言うべきか、被害に会われた令嬢は坊っちゃんとお見合いをする為にいち早くいらっしゃった方。
顔には少々難有りだけど、そこは坊っちゃんが悪い。
こんなに事が明るみに出れば公爵家の唯一の男子と言えど爵位の継承は難しくなるだろう。
しかし、あのメリッサ嬢なら、きっとこの縁談に前向きに話が進むだろう。
妻の座をちらつかせればメリッサ嬢も今回の事は何事もなく飛び付くに違いない。
そう安直の思ったのだ。
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