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22サプライズは大事

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丁度制服に着替えが終わるとバングルの魔石が着信を受けて見知った色に光る。

「あっ。キルトからだ」

バングルの魔石に魔力を流すとキルトの声がはっきりと聞こえて来る。

「お嬢様ですか?」

勿論個人のバングルなのだから私以外に有り得ない。

「当たり前でしょう。所で何かあったの?」

「まぁ、あったと言えば『あった』ですかね。今、グーを飛ばしているのですが、どうやら長距離の移動でお腹が空いたようなのです。そちらでご飯を食べさせたいのですが?」

「えっと、多分大丈夫。備蓄しているらしいから。所で、まさかキルトがグーを連れて来ているの?」

「勿論ですとも、私以外の誰が白龍に言う事を聞かせられるとお思いですか?」

「確かに……」

「後一時間程で到着しますのでご安心を」

「まさか……ハクビも一緒?」

ハクビとはキルトの愛竜である。

そして、グーのお父さんなのだ。

「勿論ですとも。これから一暴れするのに私のハクビを連れて行かない訳にはいかないでしょう?」

「……」

一暴れ?
何で?

聞かなかった事にしよう。

「所で、私が到着するまでは私が行く事は皆さんに内緒にしていて下さいね」

「えっ何で?」

「フフフ……何事にもサプライズは内緒の方が良いと相場が決まっております。賢いお嬢様なら理解出来ますよね」

「サプライズ?確かに、サプライズだったら皆には内緒の方が良いよね」

「ご納得頂けて嬉しいです。それでこそ私がお育てしたお嬢様です。では、後程」

ブツンと切れた通信。

一応、私はキルトが来るなんて言ってないからね。

『お仕置きされませんように』

そう思って天に祈りを捧げていた所にジルベルト様が戻ってきた。

「何しているんですか?」

「……何となく神に感謝を」

まるっきり理由は逆だったけど、まっ、良いか。

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