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自惚れてもいい?
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アル曰く。
女性が抱けない=安全な男
それならば安心と今日もアルの傷の手当てをする。
あぁ。
いつ見ても素敵な肉体美。
決して逆セクハラじゃないけど、手を添える振りをしつつ背中を触りまくる。
包帯を外すと既に盛り上がっている肉。
もう傷薬なんて要らないのではないだろうか?とさえ思う。
「ねぇ、アル。もう傷は痛くないのではなくって?」
そう問い掛けていた。
「いや………少し違和感がまだあるんだ」
「傷が引っ張られるような?」
確かに傷ってそうだよね。
皮膚が引っ張られるような感じっていうのか………。
それにデイビット先生の話では完治まで1ヶ月はかかるって話だったし、まだ治療してから1週間位しか経っていないのだから治っているんじゃなんて思う私の勘違いかも。
私は何時ものように傷の手当てをすると、そっとその傷口を撫でる。
『早く治りますように』
何時ものように傷口を撫でていると
「ジュリアのそれ、凄く温かいよね。好きだな」
不意打ちの『好き』発言に意表をつかれ固まってしまう。
「え……なっ……」
あくまでも手を翳された事に対しての言葉なのに、前世で残念な位のオタク女子………喪女にはリア充なんてなかった。
ブラウン管の中で囁かれる言葉と(古いね)リアルの言葉では破壊力が全然違う。
勿論乙女ゲームだって大分やりこんだし、恋愛アニメだって恋愛ドラマだってそれなりに見た。
けど、どれも画面の向こうの世界なのだ。
「何か、こう優しい温かさを感じるんだよね」
アルはそう言うとクルリと向きを変える。
そっと私の手を握り見つめてくる。
「何か特別な力を感じるんだ」
探るような眼差し。
気付けば指を絡めて来るし………えっと………「出来なんいんだよね?」そう問いたいけれど、あまりにもはしたない言葉が頭に浮かび目をさ迷わせる。
そんな私にお構い無しと、アルは私を見つめたまま顔を近付けて来る。
キスされる………そう思っていると何故か顔が交差する。
流し目で見つめるアルは、私の耳元でそっと囁く。
「温かな力にジュリアの愛を感じるんだ。自惚れてもいい?」
なっ………あ………愛って言った?
自惚れるって何に?
それに、耳に息がかかってムズムズするよ。
挙げ句心臓はバクバク言うし。
気付けば世界が反転していた。
「今日はこのまま寝よう。ジュリア」
アルはそう言うと目を閉じた。
そして、丁度蝋燭の火が消え辺りを闇が包み込む。
カーテンの隙間から差し込む月明かりだけが唯一の光。
私はアルの腕が邪魔で身動きさえ出来ない。
隣では子憎たらしい位にスヤスヤと眠りについたアルがいる。
「この状況で普通寝る?」
いや………何も期待していないけどさ………。
スヤスヤ眠るアルに悪態ついても何の返事もない。
「一応こんな成り(豚)でも私乙女なんですけど………」
そう愚痴ってみる。
私は一つ大きく息を吐くと諦めたように瞳を閉じた。
あれ………寒いよ。
パチリと目を開ければ毛布も何も掛かっていない。
寒い訳だ。
私は先日の特訓を生かすべく毛布に意識を集中させた。
「来て」
そう言葉を紡ぐと毛布はパサリと私達の上に掛かった。
これで安心。
私は目を閉じると直ぐさま夢の世界へと旅立った。
だから、見られていないと思っていた私の魔法にアルが感嘆していたなんて知るよしもなかった。
女性が抱けない=安全な男
それならば安心と今日もアルの傷の手当てをする。
あぁ。
いつ見ても素敵な肉体美。
決して逆セクハラじゃないけど、手を添える振りをしつつ背中を触りまくる。
包帯を外すと既に盛り上がっている肉。
もう傷薬なんて要らないのではないだろうか?とさえ思う。
「ねぇ、アル。もう傷は痛くないのではなくって?」
そう問い掛けていた。
「いや………少し違和感がまだあるんだ」
「傷が引っ張られるような?」
確かに傷ってそうだよね。
皮膚が引っ張られるような感じっていうのか………。
それにデイビット先生の話では完治まで1ヶ月はかかるって話だったし、まだ治療してから1週間位しか経っていないのだから治っているんじゃなんて思う私の勘違いかも。
私は何時ものように傷の手当てをすると、そっとその傷口を撫でる。
『早く治りますように』
何時ものように傷口を撫でていると
「ジュリアのそれ、凄く温かいよね。好きだな」
不意打ちの『好き』発言に意表をつかれ固まってしまう。
「え……なっ……」
あくまでも手を翳された事に対しての言葉なのに、前世で残念な位のオタク女子………喪女にはリア充なんてなかった。
ブラウン管の中で囁かれる言葉と(古いね)リアルの言葉では破壊力が全然違う。
勿論乙女ゲームだって大分やりこんだし、恋愛アニメだって恋愛ドラマだってそれなりに見た。
けど、どれも画面の向こうの世界なのだ。
「何か、こう優しい温かさを感じるんだよね」
アルはそう言うとクルリと向きを変える。
そっと私の手を握り見つめてくる。
「何か特別な力を感じるんだ」
探るような眼差し。
気付けば指を絡めて来るし………えっと………「出来なんいんだよね?」そう問いたいけれど、あまりにもはしたない言葉が頭に浮かび目をさ迷わせる。
そんな私にお構い無しと、アルは私を見つめたまま顔を近付けて来る。
キスされる………そう思っていると何故か顔が交差する。
流し目で見つめるアルは、私の耳元でそっと囁く。
「温かな力にジュリアの愛を感じるんだ。自惚れてもいい?」
なっ………あ………愛って言った?
自惚れるって何に?
それに、耳に息がかかってムズムズするよ。
挙げ句心臓はバクバク言うし。
気付けば世界が反転していた。
「今日はこのまま寝よう。ジュリア」
アルはそう言うと目を閉じた。
そして、丁度蝋燭の火が消え辺りを闇が包み込む。
カーテンの隙間から差し込む月明かりだけが唯一の光。
私はアルの腕が邪魔で身動きさえ出来ない。
隣では子憎たらしい位にスヤスヤと眠りについたアルがいる。
「この状況で普通寝る?」
いや………何も期待していないけどさ………。
スヤスヤ眠るアルに悪態ついても何の返事もない。
「一応こんな成り(豚)でも私乙女なんですけど………」
そう愚痴ってみる。
私は一つ大きく息を吐くと諦めたように瞳を閉じた。
あれ………寒いよ。
パチリと目を開ければ毛布も何も掛かっていない。
寒い訳だ。
私は先日の特訓を生かすべく毛布に意識を集中させた。
「来て」
そう言葉を紡ぐと毛布はパサリと私達の上に掛かった。
これで安心。
私は目を閉じると直ぐさま夢の世界へと旅立った。
だから、見られていないと思っていた私の魔法にアルが感嘆していたなんて知るよしもなかった。
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