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一万回のキス
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女神様の呪い……。
私のは因果応報と言う感じなんだけど、アルもそう言う事をしたのかしら?
そう思いジッとアルを見る。
「呪いって、内容を話たら解除出来なくなるの?」
何となく呪いの事に詳しいのでは?とアルに何気に聞いて見る。
「そう言う条件付きの呪いもあるけれど、女神様の呪いにそう言うのはない」
アルは自信あり気にそう答える。
滅茶苦茶断言したよ。
「差し詰めジュリアの呪いは『善行』を積むと呪いが解けるって所かな、それで、その容姿も本来の姿に戻ると言う感じ?」
思わずコクリと頷く。
「ん~でもごめん。俺の呪いの弊害で君のネックレスの上に俺のネックレスも乗っかってしまったから、先にそれが外れないと容姿は戻らないかな」
悪戯っ子のように笑うアル。
「何ですと……じゃあ、私が今善行を積んでいるのは……無意味ですの?」
しばいたろか?位の勢いでアルを見てしまった。
「いや。ネックレスの呪いの純度は君が善行を重ねると薄れるよ。但し、今の君の容姿は悪いんだけど俺のネックレスが外れないと、俺の呪いの弊害で変わってしまっている容姿がそのままなだけ。俺の呪いのネックレスが取れたら直ぐにでもそれ相応の容姿になるから安心して」
「それってつまり、貴方の呪いのネックレスが私の呪いのネックレスの上にあるって事で、それが取れない内はネックレスがどれだけ綺麗になってもおデブの外見のままって言う事?」
そう言うとアルが困った様に笑い
「ごめんね」
と言う。
いえ……あえて言おう
「ありがとう」
思いっきり手を握りしめていた。
「下手に見目が良くなって、間違って王子とかの婚約者になるかもってちょっと焦っていたんだ」
「はぁ……」
「ほら、あの王子様達って見映えも気にするでしょう?」
「はぁ……」
「そのくせ私って見た目が駄目でも身分だけは良いから万が一と言う事を心配していたのよ」
何せこの容姿のお陰で縁談が来ないのだ。
(容姿だけのせいではありません)
「王子と婚約したくないから、だから良く分かりもしない俺と婚約しようと思ったの?」
アルの気配が一瞬不穏な物になったが、舞い上がっている私にそんな事気付ける訳がない。
「だって、私あの王子様達とかかわったら処刑台まっしぐらなんですもの。死ぬ以外の未来がないってどんだけ?って感じ。私にだって生きる権利位あるわよね」
そう|捲《まく「し立てていた。
「じゃあ、やっぱりジュリアは俺の事を何とも思っていないんだ?」
そう問い掛けて来る。
一瞬言葉に詰まり目がさ迷う。
「分からない……」
それが正直な答え。
だって、思わずアルを見てしまう所とか、アルに見つめられるとドキドキするとか……これって恋なのか、それとも、オタク特有の萌えなのか判らない。
茫然と見つめる私にアルの顔が近付く。
長い睫毛が綺麗だな……なんて斜め上の事を考えながらボーっと見つめてしまう。
そんな私にアルはキスをして来る。
甘い口付け。
何度も重ねた唇が離れると
「嘘つきだね」
どアルはボソリと呟いて来た。
「俺の呪い」
そう言って私の首筋のペンダントに触れる。
「気持ちの通ったキスを1万回。特別な女性と、それが出来たら俺は物理的に女性と愛し合えるんだ」
ボトッと食べ掛けのサンドイッチが落ちた。
あの激動のやり取りでも落とさなかったサンドイッチ。
「あの……」
「今のもちゃんとカウントしているよ」
そう言ってアルは不適に笑ったのだ。
「嘘つきだよね」
私のは因果応報と言う感じなんだけど、アルもそう言う事をしたのかしら?
そう思いジッとアルを見る。
「呪いって、内容を話たら解除出来なくなるの?」
何となく呪いの事に詳しいのでは?とアルに何気に聞いて見る。
「そう言う条件付きの呪いもあるけれど、女神様の呪いにそう言うのはない」
アルは自信あり気にそう答える。
滅茶苦茶断言したよ。
「差し詰めジュリアの呪いは『善行』を積むと呪いが解けるって所かな、それで、その容姿も本来の姿に戻ると言う感じ?」
思わずコクリと頷く。
「ん~でもごめん。俺の呪いの弊害で君のネックレスの上に俺のネックレスも乗っかってしまったから、先にそれが外れないと容姿は戻らないかな」
悪戯っ子のように笑うアル。
「何ですと……じゃあ、私が今善行を積んでいるのは……無意味ですの?」
しばいたろか?位の勢いでアルを見てしまった。
「いや。ネックレスの呪いの純度は君が善行を重ねると薄れるよ。但し、今の君の容姿は悪いんだけど俺のネックレスが外れないと、俺の呪いの弊害で変わってしまっている容姿がそのままなだけ。俺の呪いのネックレスが取れたら直ぐにでもそれ相応の容姿になるから安心して」
「それってつまり、貴方の呪いのネックレスが私の呪いのネックレスの上にあるって事で、それが取れない内はネックレスがどれだけ綺麗になってもおデブの外見のままって言う事?」
そう言うとアルが困った様に笑い
「ごめんね」
と言う。
いえ……あえて言おう
「ありがとう」
思いっきり手を握りしめていた。
「下手に見目が良くなって、間違って王子とかの婚約者になるかもってちょっと焦っていたんだ」
「はぁ……」
「ほら、あの王子様達って見映えも気にするでしょう?」
「はぁ……」
「そのくせ私って見た目が駄目でも身分だけは良いから万が一と言う事を心配していたのよ」
何せこの容姿のお陰で縁談が来ないのだ。
(容姿だけのせいではありません)
「王子と婚約したくないから、だから良く分かりもしない俺と婚約しようと思ったの?」
アルの気配が一瞬不穏な物になったが、舞い上がっている私にそんな事気付ける訳がない。
「だって、私あの王子様達とかかわったら処刑台まっしぐらなんですもの。死ぬ以外の未来がないってどんだけ?って感じ。私にだって生きる権利位あるわよね」
そう|捲《まく「し立てていた。
「じゃあ、やっぱりジュリアは俺の事を何とも思っていないんだ?」
そう問い掛けて来る。
一瞬言葉に詰まり目がさ迷う。
「分からない……」
それが正直な答え。
だって、思わずアルを見てしまう所とか、アルに見つめられるとドキドキするとか……これって恋なのか、それとも、オタク特有の萌えなのか判らない。
茫然と見つめる私にアルの顔が近付く。
長い睫毛が綺麗だな……なんて斜め上の事を考えながらボーっと見つめてしまう。
そんな私にアルはキスをして来る。
甘い口付け。
何度も重ねた唇が離れると
「嘘つきだね」
どアルはボソリと呟いて来た。
「俺の呪い」
そう言って私の首筋のペンダントに触れる。
「気持ちの通ったキスを1万回。特別な女性と、それが出来たら俺は物理的に女性と愛し合えるんだ」
ボトッと食べ掛けのサンドイッチが落ちた。
あの激動のやり取りでも落とさなかったサンドイッチ。
「あの……」
「今のもちゃんとカウントしているよ」
そう言ってアルは不適に笑ったのだ。
「嘘つきだよね」
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