13 / 24
攻略対象を思いだそう
しおりを挟む
ここで攻略対象を思い出しておこう。
まず第一王子の
エドワード・マイナー18歳
金髪碧眼の乙女ゲームでは典型的な王子様。
王太子でもあり文武両道で爽やかキャラ。
乙女の夢その物の様な人物。
つまり、メインヒーローである。
その取り巻きに私の兄
エリック・ウエンズ18歳
筆頭公爵家の嫡男で甘々お兄様キャラ。
でも妹の私からすると悪態はつくし、計算高くそのくせ人を見て行動する八方美人。
髪は私と同じブループラチナにグリーンの瞳。
もう一人の取り巻きに魔術騎士団団長の息子の
アーロン・バルティング18歳
お察しの通り魔術と剣術に優れている。
赤い髪にヘーゼルの瞳。
細マッチョでちょっと強引なタイプ。
一応侯爵家なんだよね。
続きましては再び王子様
第二王子の
ノア・マイナー17歳
第一王子と同じ金髪碧眼
甘え上手で甘やかし上手。
恋人関係になると攻略対象の中でも一番の甘々な、それこそ砂吐きそうなセリフのオンパレードだ。
その取り巻きの一人は
アシュトン・レイマー17歳
王子達が来る前まで学園の主席を取っていた秀才。
レイマー公爵家の嫡男で文官希望。
お父様が確か今宰相をしていたはず。
そして、最後の取り巻き
ジェレミア・ナクセス17歳
最高司祭の嫡男でその道に進むと言われている。
この世界では司祭は妻帯出来る事になっている。
但し、神官とシスターは結婚出来ない。
だから結婚したいなら司祭にジョブチェンジするしかないのだ。
そして、隠しキャラだが……
正直分かっていない。
だって、全てのキャラをコンプリートし、尚且つ全キャラの好感度を50にキープする必要があるから。
もしかしたらアルかな?
とも思ったんだけど……。
だって攻略対象並の美形なんだよ。
髪だってプラチナブロンドで薄いブルーの瞳なんかもう氷の彫像かと思う位なんだから。
それに、あの眼鏡が更に良い。
もう、ここまで来ると萌えの一言だよね。
あっ、決してのろけではありませんからね。
これはあくまでもオタクとしての意見であってゲフンゲフン……。
それに、アルとは利害関係が一致しただけで、ゴニョゴニョ。
もーーーっ!!
兎に角。
私アルの事そんなに好きじゃないんですからね。
そう思い悶々と枕に顔を埋める。
取り敢えず、アルの熱も下がった事だし今日から再び教会の慰問を再開させますか。
そう思いベッドから起き上がる。
カキーン カキーン
と金属の当たる音が外から聞こえ、窓まで近付くと中庭で兄とアルが剣の稽古をしているのが見えた。
「嘘……二人ともあんなに強いの?」
兄が剣を振るっている所なんて子供の時以来だ。
まぁ、そうか。
だって私は我が儘お嬢様。
朝は遅いし家族に興味さえない。
ある意味マイウェイなお方だ。
「へぇ~。あの甘々お兄様キャラが実は剣術もそれなりに出来るだなんて驚き~」
しかし……このシチュエーションはなんて美味しいのだろうか。
「朝靄の中、上半身裸で汗を滴らせながら剣を交える好青年二人……絵になるわ~」
そう言って思わず涎が垂れてしまった。
いかん。
また変なスイッチが入る所だったよ。
それでも二人の訓練が終わるまで窓からガン見していたのは言うに硬い。
はぁ。
朝からご馳走さまです。
思わず拝んでしまった。
さて、出鼻を挫かれた私は急ぎクッキー作りに取り掛かります。
まだ、朝食まで一時間位あるので大丈夫。
生地を練って大きさを整えたら後はシェフに一任して朝食へ向かう。
二階からラフな格好の兄とアルが降りて来る。
ワイシャツを着崩した姿は『何?これ?ファンサービスですか?』って聞きたい位だった。
だってこんなシーン原作でも出てこないよ。
「おはようございます。お兄様。アル」
ニヤケそうになる顔をなんとか誤魔化し二人に一礼する。
「「おはようジュリア」」
階段の丁度下で落ち合った私達。
空かさずアルが私に近付く。
「おはよう」
と再び挨拶をして手を取ると紳士のように手の甲へとキスを落とす。
「お前ら朝からそれはないだろう」
兄が眉間にしわを寄せている。
「大体アルはジュリアの何処が気に入ったの?君ならもっと釣り合いの取れる令嬢は沢山いるよ」
おい。
妹にそれはないだろう。
思わずこめかみがヒクヒクしちゃいますよ、お兄様。
「こんな美人そうそういないけどなぁ。ジュリアの素晴らしさに気付かない皆が可哀想だよ」
そう言って私の腰を引き寄せる。
「アル。近い!!」
そう言ってアルから逃れようとジタバタするがガッチリとした体に押さえ込まれてビクともしない。
「私の女神様だからね」
そう言って今度は頬にキスをする。
「朝からご馳走さま。アルになら私の可愛い妹のジュリアを上げても損はないな」
苦笑しながらの兄のその言葉に思わずビックリしてしまう。
『えっ!
今お兄様私の事を可愛いって言った?』
マジマジと兄を見てしまう。
「子供の時はそれは天使かと思うほどに可愛かったよ……ね」
子供の頃ね。
そう思い撃沈した。
なんでしょうかね?
この上げて下げての攻撃は……。
まず第一王子の
エドワード・マイナー18歳
金髪碧眼の乙女ゲームでは典型的な王子様。
王太子でもあり文武両道で爽やかキャラ。
乙女の夢その物の様な人物。
つまり、メインヒーローである。
その取り巻きに私の兄
エリック・ウエンズ18歳
筆頭公爵家の嫡男で甘々お兄様キャラ。
でも妹の私からすると悪態はつくし、計算高くそのくせ人を見て行動する八方美人。
髪は私と同じブループラチナにグリーンの瞳。
もう一人の取り巻きに魔術騎士団団長の息子の
アーロン・バルティング18歳
お察しの通り魔術と剣術に優れている。
赤い髪にヘーゼルの瞳。
細マッチョでちょっと強引なタイプ。
一応侯爵家なんだよね。
続きましては再び王子様
第二王子の
ノア・マイナー17歳
第一王子と同じ金髪碧眼
甘え上手で甘やかし上手。
恋人関係になると攻略対象の中でも一番の甘々な、それこそ砂吐きそうなセリフのオンパレードだ。
その取り巻きの一人は
アシュトン・レイマー17歳
王子達が来る前まで学園の主席を取っていた秀才。
レイマー公爵家の嫡男で文官希望。
お父様が確か今宰相をしていたはず。
そして、最後の取り巻き
ジェレミア・ナクセス17歳
最高司祭の嫡男でその道に進むと言われている。
この世界では司祭は妻帯出来る事になっている。
但し、神官とシスターは結婚出来ない。
だから結婚したいなら司祭にジョブチェンジするしかないのだ。
そして、隠しキャラだが……
正直分かっていない。
だって、全てのキャラをコンプリートし、尚且つ全キャラの好感度を50にキープする必要があるから。
もしかしたらアルかな?
とも思ったんだけど……。
だって攻略対象並の美形なんだよ。
髪だってプラチナブロンドで薄いブルーの瞳なんかもう氷の彫像かと思う位なんだから。
それに、あの眼鏡が更に良い。
もう、ここまで来ると萌えの一言だよね。
あっ、決してのろけではありませんからね。
これはあくまでもオタクとしての意見であってゲフンゲフン……。
それに、アルとは利害関係が一致しただけで、ゴニョゴニョ。
もーーーっ!!
兎に角。
私アルの事そんなに好きじゃないんですからね。
そう思い悶々と枕に顔を埋める。
取り敢えず、アルの熱も下がった事だし今日から再び教会の慰問を再開させますか。
そう思いベッドから起き上がる。
カキーン カキーン
と金属の当たる音が外から聞こえ、窓まで近付くと中庭で兄とアルが剣の稽古をしているのが見えた。
「嘘……二人ともあんなに強いの?」
兄が剣を振るっている所なんて子供の時以来だ。
まぁ、そうか。
だって私は我が儘お嬢様。
朝は遅いし家族に興味さえない。
ある意味マイウェイなお方だ。
「へぇ~。あの甘々お兄様キャラが実は剣術もそれなりに出来るだなんて驚き~」
しかし……このシチュエーションはなんて美味しいのだろうか。
「朝靄の中、上半身裸で汗を滴らせながら剣を交える好青年二人……絵になるわ~」
そう言って思わず涎が垂れてしまった。
いかん。
また変なスイッチが入る所だったよ。
それでも二人の訓練が終わるまで窓からガン見していたのは言うに硬い。
はぁ。
朝からご馳走さまです。
思わず拝んでしまった。
さて、出鼻を挫かれた私は急ぎクッキー作りに取り掛かります。
まだ、朝食まで一時間位あるので大丈夫。
生地を練って大きさを整えたら後はシェフに一任して朝食へ向かう。
二階からラフな格好の兄とアルが降りて来る。
ワイシャツを着崩した姿は『何?これ?ファンサービスですか?』って聞きたい位だった。
だってこんなシーン原作でも出てこないよ。
「おはようございます。お兄様。アル」
ニヤケそうになる顔をなんとか誤魔化し二人に一礼する。
「「おはようジュリア」」
階段の丁度下で落ち合った私達。
空かさずアルが私に近付く。
「おはよう」
と再び挨拶をして手を取ると紳士のように手の甲へとキスを落とす。
「お前ら朝からそれはないだろう」
兄が眉間にしわを寄せている。
「大体アルはジュリアの何処が気に入ったの?君ならもっと釣り合いの取れる令嬢は沢山いるよ」
おい。
妹にそれはないだろう。
思わずこめかみがヒクヒクしちゃいますよ、お兄様。
「こんな美人そうそういないけどなぁ。ジュリアの素晴らしさに気付かない皆が可哀想だよ」
そう言って私の腰を引き寄せる。
「アル。近い!!」
そう言ってアルから逃れようとジタバタするがガッチリとした体に押さえ込まれてビクともしない。
「私の女神様だからね」
そう言って今度は頬にキスをする。
「朝からご馳走さま。アルになら私の可愛い妹のジュリアを上げても損はないな」
苦笑しながらの兄のその言葉に思わずビックリしてしまう。
『えっ!
今お兄様私の事を可愛いって言った?』
マジマジと兄を見てしまう。
「子供の時はそれは天使かと思うほどに可愛かったよ……ね」
子供の頃ね。
そう思い撃沈した。
なんでしょうかね?
この上げて下げての攻撃は……。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。


思い出してしまったのです
月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。
妹のルルだけが特別なのはどうして?
婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの?
でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。
愛されないのは当然です。
だって私は…。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる