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8草木も眠る
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カチカチカチカチ
ガリガリガリ
トントントントン
変な音に夜中に目が覚める。
時計を見ると2時を過ぎた所だ。
しかし、不思議な事に起き上がるとその変な音は止む。
隣に寝ている夫はいい気なもんで、豪快にイビキをかいている。
まるで隣の騒音のようだ。
「これじゃあ寝れないわね。本当に憎らしい」
眉間にしわを寄せながら深い溜め息を吐くと、起きたついでにとトイレへへ向かう為に布団を出る。
辺りはシーンと静まりかえっていて、外の騒音さえもしない。
本当に何の音もしないだ。
「草木も眠る丑三つ時って言うけど、本当に不気味な位静かだわ」
トイレを済ませると、私は子供達が寝ている部屋を覗く。
三人ともぐっすりと眠っており、やはり音を立てる事はないだろうと、自分を納得させた。
「何か喉が乾くわね」
何となく喉の乾きを覚え、そのまま台所へと向かう。
流し場の所にあるコップ置き場から自分用のコップを取るとゆっくりと蛇口を捻った。
長年愛用しているそのコップは新婚当初から使っているコップで、実は独身時代に奮発して買った値段の良い物だ。
しかし、本当に長年使っている内に他の安いコップと混同してしまっているのは否めない。
別に愛着がある訳ではないが、やはり高い買い物だったと言う気持ちが今も続いているのは確かだ。
ジャーっと何時ものように流れる水をコップに注ぐ。
ゴクゴクと水を飲み始めると、あの壁が裂ける音が台所へ響いた。
メリメリ
バリバリ
思わず目を大きく見開くと、コップに入っていた透明な水に色が滲む。
ガリガリガリ
トントントントン
変な音に夜中に目が覚める。
時計を見ると2時を過ぎた所だ。
しかし、不思議な事に起き上がるとその変な音は止む。
隣に寝ている夫はいい気なもんで、豪快にイビキをかいている。
まるで隣の騒音のようだ。
「これじゃあ寝れないわね。本当に憎らしい」
眉間にしわを寄せながら深い溜め息を吐くと、起きたついでにとトイレへへ向かう為に布団を出る。
辺りはシーンと静まりかえっていて、外の騒音さえもしない。
本当に何の音もしないだ。
「草木も眠る丑三つ時って言うけど、本当に不気味な位静かだわ」
トイレを済ませると、私は子供達が寝ている部屋を覗く。
三人ともぐっすりと眠っており、やはり音を立てる事はないだろうと、自分を納得させた。
「何か喉が乾くわね」
何となく喉の乾きを覚え、そのまま台所へと向かう。
流し場の所にあるコップ置き場から自分用のコップを取るとゆっくりと蛇口を捻った。
長年愛用しているそのコップは新婚当初から使っているコップで、実は独身時代に奮発して買った値段の良い物だ。
しかし、本当に長年使っている内に他の安いコップと混同してしまっているのは否めない。
別に愛着がある訳ではないが、やはり高い買い物だったと言う気持ちが今も続いているのは確かだ。
ジャーっと何時ものように流れる水をコップに注ぐ。
ゴクゴクと水を飲み始めると、あの壁が裂ける音が台所へ響いた。
メリメリ
バリバリ
思わず目を大きく見開くと、コップに入っていた透明な水に色が滲む。
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