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7隣人とのファーストコンタクト
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隣の若いカップルは2年位前から住み始めた。
「おはようございます。私、隣の部屋に住んでいる清水と申します」
朝のゴミ出しの時交わした初めての会話は一言で言えば最悪だった。
相手が若い人だと言うことで、こちらからさり気なく声をかける。
しかし、何の反応もない。
「あの、お宅家の隣に昨日引っ越して来た方ですよね」
少しイライラしながら問い掛ける。
つまり、何が言いたいかと言うと「あんたら挨拶ないよね」だ。
別に引っ越し蕎麦が食いたいわけでもなんでもない。
ただ、同じ日本人として最低限のマナーは守って欲しいのだ。
「はぁ~面倒臭い。私、近所付き合いとかしないので」
金髪の髪を鬱陶しそうにかき上げながらその女性はそう豪語した。
「は?そうはいかないでしょう。回覧板とかもあるし、地域の活動だってあるんですよ」
勿論、地域の活動は子供が小学生に入ってから誘われたのだが。
「何言ってんですか?アパート暮らしに近所も何もないでしょう?」
そう言うと鼻で嗤う。
「だいたいさぁ、オバサンいちいち五月蝿いんだよね。こっちは昨日引っ越して来たばかりで疲れてんのに」
「ゴン」と言う音を出してドサリと落とされたゴミ。
「ちょっと、貴女そのゴミに何入れてるの?」
明らかに硬い物の音がした。
「何って、持ってきたけど使わない物を捨ててんだけど」
当たり前のようにそう言う女から、そのゴミを取り上げて下から見ると、せと物のコーヒーカップが何個か入っていた。
「ちょっと、今日は燃えるゴミの日よ」
そう言ってその女にゴミ袋ごと返すと
「はぁ?せと物って要は土でしょう?燃えるんじゃないの?」
「燃えないでしょう。これだから最近の若い人は。ゴミの選別もまともに出来ないなんて」
もう呆れるなんてものじゃない。
「年寄りは何かって言うと『今の若い者は』って言うって聞いたけど、あれ、本当の事だったんだ。わ~ビックリ~」
あからさまな嫌みに、最後の方なんかは棒読みで再び鼻で嗤う女。
つり目がちなその容姿が更に私を馬鹿にしているのかのようで腹ただしい。
「は⤴️?」
その後、一時間程口喧嘩した辺りで大家さんが登場し、何とか収拾した。
あれからお隣とは不仲なのは言うに難い。
「おはようございます。私、隣の部屋に住んでいる清水と申します」
朝のゴミ出しの時交わした初めての会話は一言で言えば最悪だった。
相手が若い人だと言うことで、こちらからさり気なく声をかける。
しかし、何の反応もない。
「あの、お宅家の隣に昨日引っ越して来た方ですよね」
少しイライラしながら問い掛ける。
つまり、何が言いたいかと言うと「あんたら挨拶ないよね」だ。
別に引っ越し蕎麦が食いたいわけでもなんでもない。
ただ、同じ日本人として最低限のマナーは守って欲しいのだ。
「はぁ~面倒臭い。私、近所付き合いとかしないので」
金髪の髪を鬱陶しそうにかき上げながらその女性はそう豪語した。
「は?そうはいかないでしょう。回覧板とかもあるし、地域の活動だってあるんですよ」
勿論、地域の活動は子供が小学生に入ってから誘われたのだが。
「何言ってんですか?アパート暮らしに近所も何もないでしょう?」
そう言うと鼻で嗤う。
「だいたいさぁ、オバサンいちいち五月蝿いんだよね。こっちは昨日引っ越して来たばかりで疲れてんのに」
「ゴン」と言う音を出してドサリと落とされたゴミ。
「ちょっと、貴女そのゴミに何入れてるの?」
明らかに硬い物の音がした。
「何って、持ってきたけど使わない物を捨ててんだけど」
当たり前のようにそう言う女から、そのゴミを取り上げて下から見ると、せと物のコーヒーカップが何個か入っていた。
「ちょっと、今日は燃えるゴミの日よ」
そう言ってその女にゴミ袋ごと返すと
「はぁ?せと物って要は土でしょう?燃えるんじゃないの?」
「燃えないでしょう。これだから最近の若い人は。ゴミの選別もまともに出来ないなんて」
もう呆れるなんてものじゃない。
「年寄りは何かって言うと『今の若い者は』って言うって聞いたけど、あれ、本当の事だったんだ。わ~ビックリ~」
あからさまな嫌みに、最後の方なんかは棒読みで再び鼻で嗤う女。
つり目がちなその容姿が更に私を馬鹿にしているのかのようで腹ただしい。
「は⤴️?」
その後、一時間程口喧嘩した辺りで大家さんが登場し、何とか収拾した。
あれからお隣とは不仲なのは言うに難い。
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