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2止まらない愚痴
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「こんにちは。今日も天気が良くって良いですね」
児童館の入り口にいたママ友と軽く挨拶を交わす。
「本当に。お洗濯物が乾いて助かるわ」
何時もの世間話をしていると、末の娘の美幸が走って私の所へと来た。
「お母さん」
ガシッと掴まった美幸に
「お帰り。お兄ちゃんは?」
と声掛けをすると
「来ているよ母さん」
とつんけんと言葉が帰って来る。
振り返るとそこには、つまらなそうな顔の剛が立っていた。
最近、気のせいか長男とちょっと言葉に距離を感じるのよね。
「ねぇ、今夜は何?ハンバーグ?」
美幸が剛を無視しながら期待の眼差しで今夜のおかずを聞いて来る。
「お魚を焼こうと思うの」
「お魚?鮭?」
「そう。安かったから」
「「やったー!!」「げーっ」」
大喜びの美幸の隣で減なりする剛。
「たまにな肉が食いてー」
不満満々の剛の言葉に
「嫌なら食べなきゃ良いでしょう」
正直、さっきの壁の件もあり、その時の私はイライラしていた。
決して高い訳ではない旦那の給料。
そして、三人の子供。
児童手当がなかったら、正直生活が出来なかったと思う。
まぁ、その手当も子供達が小学校、中学生と歳が上がる程にその金額は減って来たのだが。
「だいたい、上の学年になればなるほどお金が掛かるのに、何で助成金が減るのよ。旦那の給料は上がらないのに」
お陰で、焼き肉なんて誕生日の日にだけしか出来なくなっていた。
「体操着だって制服だって馬鹿高いのに。理不尽だわ」
そうなのだ。
サイズが上がったら金額も上がったのだ。
「なんで私がこんな苦労をしなきゃいけないのよ」
子供の前でも愚痴が出てしまう。
多分、私の心に歯止めが効かなくなってしまっていたのだろう。
子供の前でも最近は旦那の愚痴が止まらない。
児童館の入り口にいたママ友と軽く挨拶を交わす。
「本当に。お洗濯物が乾いて助かるわ」
何時もの世間話をしていると、末の娘の美幸が走って私の所へと来た。
「お母さん」
ガシッと掴まった美幸に
「お帰り。お兄ちゃんは?」
と声掛けをすると
「来ているよ母さん」
とつんけんと言葉が帰って来る。
振り返るとそこには、つまらなそうな顔の剛が立っていた。
最近、気のせいか長男とちょっと言葉に距離を感じるのよね。
「ねぇ、今夜は何?ハンバーグ?」
美幸が剛を無視しながら期待の眼差しで今夜のおかずを聞いて来る。
「お魚を焼こうと思うの」
「お魚?鮭?」
「そう。安かったから」
「「やったー!!」「げーっ」」
大喜びの美幸の隣で減なりする剛。
「たまにな肉が食いてー」
不満満々の剛の言葉に
「嫌なら食べなきゃ良いでしょう」
正直、さっきの壁の件もあり、その時の私はイライラしていた。
決して高い訳ではない旦那の給料。
そして、三人の子供。
児童手当がなかったら、正直生活が出来なかったと思う。
まぁ、その手当も子供達が小学校、中学生と歳が上がる程にその金額は減って来たのだが。
「だいたい、上の学年になればなるほどお金が掛かるのに、何で助成金が減るのよ。旦那の給料は上がらないのに」
お陰で、焼き肉なんて誕生日の日にだけしか出来なくなっていた。
「体操着だって制服だって馬鹿高いのに。理不尽だわ」
そうなのだ。
サイズが上がったら金額も上がったのだ。
「なんで私がこんな苦労をしなきゃいけないのよ」
子供の前でも愚痴が出てしまう。
多分、私の心に歯止めが効かなくなってしまっていたのだろう。
子供の前でも最近は旦那の愚痴が止まらない。
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